特殊能力「場の空気が読める」
前回のnoteで紹介した以下の書籍について、頭の良さについて自分なりの見解を述べたのですが、今回は、この本に記載されている頭の良さの一つである「対人感性力(機転が利く)」についてASDを踏まえながら僕の考えを述べてみたいと思います。
二番目に必要な能力が対人感性力である。
「場の空気が読める」という、理屈では説明できない能力がこのタイプの人の有する特殊能力である。一般的に言って、人間関係でもまれ、苦労している人のはこの能力が高い人が多い。…ビジネスや日常生活を円滑に進めていくには古今を問わず必須の能力である。特に「人を動かす」にはこの対人感性力が不可欠である。…陳腐化することがほどんどないことが挙げられる。
残念ながら、ASDを抱える人は、人間関係で揉まれても空気が読めるようにはならないだろうと思います。そもそも機能している脳の領域に差異があるのが、脳画像でも示されるようになってきています。
むしろ、人間関係で揉まれたことが仇になり、人格の偏りや精神疾患を呈することも決して少なくないのではと思います。
この書籍でも空気が読めることを特殊能力としており、それを鍛える方法が人間関係で揉まれるとしか提示されていないため、空気を読む過程を言語化して構造化することは、なかなかに困難であり、定型発達者がASD当事者に「空気を読む方法」を説明することは困難だろうと思います。
僕の考えとしては、ASD当事者は空気を読む訓練をするより、考える力を養うことに焦点を当てた方が良さそうだと思います。空気を読むのは誰かに任せるのも一つの方法ではないでしょうか。
発達に偏りがある人ほど、努力の方向性を見誤らないようにする必要があるかと思います。方向性が違う努力は、お互いに辛いだけだと思うので。
もし、サポートしたいと思っても、そのお金はここではない他の何かに使ってください。僕の方はサポートがなくともそれなりに生活できておりますので。