発達障害の子どもは急に増えたのか?

読者のみなさま、またフォローいただいているみなさまへ

2か月以上更新できておらず、すみませんでした。
ご心配をおかけしました。フリーランスのライティング・校正の仕事や就労移行支援、体調の変動がありましたが、ようやく落ち着きました。ライティングの仕事といっても生活は精一杯ですが・・・。

スーパーで3個入り200円で買ったみかんのうち1個を食べ忘れて放置していると、まるでよもぎ餅・・・相変わらずそそっかしいです(笑)。

よもぎ餅ではなく、食べ忘れていたおつとめ品オーガニックみかん

この10年間で、6.5%から8.8%へ

さて、12月13日、文部科学省による小・中学生、高校生の発達障害の割合の調査が発表されました。

最新の調査では小学生・中学生が8.8%、そして高校生が2.2%だということです。
小・中学生については、20年前の2002年(サッカー日韓大会の年)と、10年前の2012年にも、質問の形式が異なるものの、調査が行われています。

当時の割合は、2002年が6.3%、2012年が6.5%。

つまり、
2002年~2012年までの10年間には0.2%としか増えていないのに対し、
2012年~2022年までの10年間には2.3%も増えています。


高校生になると発達障害の割合が急減

高校生については、ようやく初めての調査です。
やはり、成長により多動の子が減るためか、把握が難しいのが現状です。
小・中学生と比べると、6.6%も少なくなっています。
発達障害は、成長したらなくなるというものではありません。
おそらく、本来はもっと多いと思いますが、把握ができていないのでしょう。

【元資料】

https://www.mext.go.jp/content/20221208-mext-tokubetu01-000026255_01.pdf

通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について
(文部科学省ウェブサイトのPDFより)

発達障害を抱える人が急に増えたのか?

発達障害は先天的、つまり生まれつきの障害です。昭和以前から、学校にも社会にも抱える人がいました。
突然、発達障害の割合が増えることはまず考えられません。つまり、2010年代以降の10年間で急速に認知が進んだからなのです。

筆者と発達障害の社会の動き

昭和時代には、知的障害が伴う自閉症以外の障害は認知されていませんでした。筆者はこの昭和末期に生まれました。

平成に入り、1997年(平成9年)に精神科医の司馬理英子氏が提唱した『のび太・ジャイアン症候群』で、ADHDのはしりのような概念が社会で知られ始めます。
筆者はのび太くんやジャイアンとちょうど同じ小学5年生でした。

そして、2004年(平成16年)に国が「発達障害者支援法」を制定しました。
筆者はもう大学受験を控えていた高校3年生でした。

その後、LD(学習障害)、アスペルガー症候群、ADHD、広汎性発達障害(PDD)などのさまざまな名称が知られるようになりました。

現在のように、アスペルガー症候群が、ASD(自閉症スペクトラム障害)という名称になり、ADHDとの併発が認めらるようになったのは2013年(平成25年)のこと。もう筆者は26歳です。

「変わった子」「不思議ちゃん」で才能が発揮できればいいけれど・・・

昔は見逃されていて、「変わった子」扱いだったものが、わかるようになってきたのです。
筆者も自他認める「変わった子」でした。

変わった子であれば、ずば抜けた才能を生かして、芸術分野(芸能・音楽・美術・スポーツ関係)に進めればいいのですが、ほんの一握りの人たちだけが生き残れる厳しい世界ですし、そうした分野で活躍できるように学校では教えてくれません。

大学 → 就職 → 結婚 → 出産 → 子育て → 退職 → 老後

が当たり前だった時代で、中高年になった方は、生きづらさが問題にならず、定型発達として過ごせている方と、生きづらさを抱えながら生きている人たちに、二極化していったのではないでしょうか?
後者で亡くなった方は、大変な人生だったのかもしれません。

筆者は、発達障害過渡期で、発達障害が一般に広く知られる以前に社会に出た存在です。

障害が可視化され、「変わった子」、「不思議ちゃん」だけでは済まされる時代ではなくなってきたからこそ、発達障害が増えたように見えるのです。