星野源「くせのうた」×発達障害

妻が大好きな歌の歌詞を、無理矢理に妻目線で考察してみました。
※この記事は約1,500文字です。

他の方の考察では、「好きな相手の事、くせまでもっと知りたい!」と恋愛の前向きな様子に捉えるものが多かったですが、個人的には、まだ愛情が残っているカサンドラ側が、アスペルガーなパートナーを理解できずに葛藤している様子に置き換えて聴いてみると、より深く感じられます。

きみの癖を知りたいが ひかれそうで悩むのだ
昨日苛立ち汗かいた その話を聞きたいな

愛するきみのくせ(特性)を理解してあげたいが、理解したいと踏み込んでいくと面倒くさいとあしらわれたり、逆にあなたの気持ちが離れていってしまいそうで悩ましい。一方で理解することにより、その不可解さ・理不尽さに、逆に自分自身の気持ちが冷めてしまうような気もしている。

でもやっぱり愛すればこそ、どんなことに苦しんでいたのか、どうして欲しかったのか、やっぱり知りたいという本音がある。

同じような 顔をしてる
同じような 背や声がある
知りたいと思うには
全部違うと知ることだ

顔や背格好は他の人達(定型発達)と同じように見えても、見ているものや捉え方が、違っているんだ。

結局は他人なんだから、違って当たり前・・・そう自分を納得させるしかないかなという一つの結論に至った。

暗い話を聞きたいが 笑って聞いていいのかな
思いだして眠れずに 夜を明かした日のことも

発達障害からくる二次障害や社会性の低さに苦しむ、あなたの話を聞いて理解してあげたいが、それがあなたを楽にすることに繋がるだろうか。逆に思い出させてしまってより苦しめることにならないだろうか。

同じような 記憶がある
同じような 日々を生きている
寂しいと叫ぶには
僕はあまりにくだらない

表面的には一緒の記憶を共有している、同じ日々を過ごし生活を営み、同じ時間を共有し、同じ価値観を共有して、時を重ねながら愛情を深めていっていると思っていた。実はそんなことはなかったんだな。

愛し合っている、想い合っている、そう思っていた二人の認識にズレがある。本音は寂しい、その寂しさをあなたに大声で訴えたい。けれども、自分の押し付けなんだ、それが必ずしも正解ではないんだって、自分自身を無理矢理に納得させようとしている。

悪いことは重なるなあ 苦しい日々は続くのだ
赤い夕日が照らすのは ビルと日々の影だけさ

あなたに傷付けられ、苦しんでいるのは私だけだと思っていたら、あなた自身も発達障害で苦しんでいたんだね。それに改めて気付かされた。苦しんでいるのは私だけではないんだ。

赤い夕日のように顔を真っ赤にし、怒ったりぶつかり合ったりしながらでもお互いを理解し合いたいと思っているのに、その怒った事実だけに反応したり恐怖におびえたり、表面的なことしか見てくれずお互いの関係性も向上しなことに、お先真っ暗な気持ちになり、絶望感すら覚える。

覚えきれぬ言葉より
抱えきれぬ教科書より
知りたいと思うこと
謎を解くのだ夜明けまで

発達障害やアスペルガーについて理解する事、沢山の知識を得ること、それもあなたを理解する上では、とても大切なことかもしれない。

けど、根本的な私の気持ちは「発達障害やアスペルガー」であるどうかは関係なく、そこにいるあなたのことを知りたい、あなたとの関係が上手くいって欲しいということが大切。その私の気持ちに気付いて欲しいし、ちゃんと理解して欲しい。

今の私なら受け止めてあげられるし、夜明け(二人の関係性が改善して正常化する)まで付き合うつもりだから、あなた自身も背を向けずに、私にも、そして自分にもちゃんと向き合って欲しいと思っている。

君の癖は何ですか?

さあ、話そう。あなたの気持ちを聞かせて?


以上、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

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