遊びこそ最高の学び!〜ゲームデザイナー(なりきりラボ#1)〜
エイスクールのモットーは「浴びる学びから、探す学びへ」なのですが、遊びも同じ。カードゲームという子どもたちにとって身近な遊びを入り口に、「遊びもとことん突き詰めれば立派な学びになる!」という体験をお届けするのが、「ゲームデザイナー」というプログラムです。
※本記事は、小学生向け探究学習プログラム「なりきりラボ®」「おしごと算数®」(グッドデザイン賞受賞)の各テーマを紹介するシリーズ記事の一つです。
<プログラム開発者、いわたく・きいろちゃんに聞きました!>
ー 「なりきりラボ」シリーズで最初に登場したのが、こちらの「ゲームデザイナー」。過去には子どもたちの作品が商品化されたこともありましたよね。
いわたく:そうですね、まだ「なりきりラボ」というシリーズがなかったころから定期的に開講してきた、エイスクールのザ・定番プログラムですね。初めて企画した当初からその目的は明確で、遊び手から創り手へというビジョンを掲げていました。
今の子どもたちって昔以上に、多様で高度なエンターテイメントに囲まれて暮らしています。YouTube番組やコンピューターゲームのなかには、期待どおりの没頭や興奮を生み出そうと絶妙に設計された刺激の数々を繰り出してくるものも多く、子どもたちは(自ら能動的に)遊んでいるのか、(大人が意図したとおり)遊ばれているのか、わからなくなってきています。
ですからこの「ゲームデザイナー」というプログラムは、「果たして君たちは、自分の遊びを生み出せるのか?!」という、ある意味子どもたちへの挑戦状なんです。
きいろちゃん:プログラミング教室でデジタル・ゲームをつくるのにハマっている子は増えているかもしれませんが、それでは裾野が広がらない。あえて紙とペンだけ、それも「カードゲーム」に制約することによって、どんな子でもオリジナルゲームづくりに挑戦できるのが魅力ですね。
ー 最近、大人の世界でもアナログゲーム・ブームが再燃してきていますよね。とはいえ、ゼロから生み出すのは大人でも難しい。具体的な方法論を教えるのでしょうか?
いわたく:そうですね。「カードゲーム」という遊びを題材に、新しい物事を生み出す方法論(アイディア発想、デザイン思考など)をぎゅっと詰め込んでいます。具体的には、既存カードゲームを試遊しまくりその特徴を分析・構造化する前半と、独自の視点をプラスしたりアレンジを加えたりすることによってオリジナル企画を生み出す後半とにわかれます。
今回のプログラム改定でテコ入れしたのは、前半部分ですね。ゲーム構造(ルール、メカニクス)、ゲーム世界観、要求される力、など、さまざまな切り口からゲームを分析していきます。
ー 正直、「ゲームデザイナー」というタイトルからはあんまり学び効果が伝わってこなかったんですが(笑)、まるで商品開発チームの仕事ですね・・・!
いわたく:「なりきり」ですからね、プロ顔負けのアプローチでいきます(笑)。
学問や科目とのわかりやすい結びつきこそないものの、「遊びと学びを橋渡しする」という体験が、なによりもの学び価値なんじゃないかな。子どもたちが純粋に遊びに没頭するうちに、真剣に考え抜いたりあれこれ試行錯誤したりする、それこそが学びなんです。
〈ここでちょっと宣伝(笑)。「学びのゲーム化」については、岩田著のこちらの書籍にも詳しいのでぜひ!〉
きいろちゃん:実際のところ、子どもたちは日々小さな遊びを生み出してはいるんですよ。エイスクールでも、教室の備品や什器をさまざまなものに見立てては、奇妙なスポーツやゲームにハマっている(笑)。
「なんだか面白そう・楽しそう」という子どもならではの(動物的な)感覚を大切にしながら、意識的に考えたり発想を深めたりするワザを伝授することで、彼ら・彼女らの小さなクリエイションを昇華させたいな、と。
子どもたちにとっても、自分が作り出したゲームで遊べるのはとても誇らしいみたいで、実際に今年のサマースクールでも授業後延々とプレーし続けていたんです。そういう、「頭をフル回転させながら生み出す遊び」の面白さをぜひ、体験してほしいですね。
ー 本気の遊び、ですね。2ヶ月後にどんな作品が生まれるのか、とても楽しみです。
きいろちゃん:年末には「ゲームデザイナー」をテーマとする探究グランプリを開催予定なので、ぜひ子どもたちにエントリしていただきたいですね!あとは、アマチュアも出店できるゲームマーケットに挑戦するのもいいかもしれません。
いわたく:エイスクールも5年くらい前かな、子どもたちと一緒に出店したな。懐かしい!
〈授業で試作したカードゲームのうち、プロのカードゲーム制作会社が太鼓判を押してくださったものを商品化しました〉
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