どうか、境界の彼方まで。

 京都アニメーションが燃えている、という通知が来たのはお昼頃だったと思う。大変そうだな、と思いつつ大学の講義を受けて、帰りの電車でTwitterを開けば、事態はそんな大変そうだなんて言葉で済まされるようなものじゃなかった。

 19歳の私は12歳からアニメオタクをやっている。だからそれ以前のアニメはそんなに知らないし、ハルヒやけいおんだって詳しい内容は知らない。私が京アニという存在に出会ったのは境界の彼方という作品からだった。美しい作画とストーリー、個性的なキャラクター達に惹かれ、私は京アニの虜になった。wikiを見ると境界の彼方よりも氷菓が先に放送されていたみたいだけれど、境界の彼方の後に氷菓を見た記憶がある。古典部シリーズは小説も読んだ。正直、あの面白いけれどアニメ向きとはとても思えない小説をこうも魅力的に仕上げたのは見事としか言いようがない。

 その後も、私はFree!やヴァイオレットエヴァーガーデン、ツルネ、聲の形を見た。

 別に京アニ信者というわけじゃない。京アニの中でも絵柄や作風が合わないものもあって、そういうものは見ていないし今後も見るつもりはない。そして全ての作品が面白いと言うつもりもない。それでも、ボンズ、型月、シャフト(ぱっとでてくるのがこれぐらいしかないです。ごめんなさい)などのアニメ制作会社と並んでものすごいアニメを作る会社(語彙力)なのは間違いない。それぞれのアニメ会社にはそれぞれの良さがある。間違いない。

 ところで、小中高と私がお世話になったのはYouTubeとAnitubeだ。この2つを上げればもうお分かりだろう。私は円盤を買ったことがない。だって、高いから。

 違法アップロードというものはすぐそこにあって、円盤なんか買わなくても簡単にアニメを見ることができた。未熟だった私はラッキーと視聴しまくっていたが、今ならその行為はとんでもない侮辱にあたるのだとわかる。

 イラストレーターでもアニメーターでもない私は、1つのアニメを制作するのにどれだけの工程があってどれだけの人が関わり、どれだけの制作費がかかるのかは想像が追いつかない。

 今、私にできることはなんだろう。もうすぐ期末試験だから、Free!は観に行けていない。期末試験が終わったらちゃんと観に行こう。

 そしてほとぼりが冷めたら、献花をしに行こうと思う。今も、電車の中でTwitterの京アニへのメッセージや海外の方のコメントを見て泣いている。どうか、安らかに。私のなけなしのバイトの給料からも寄付をしたいと思います。


 

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