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日本一の〇〇な橋 山口県周南市

みなさんは日本でもっとも多い橋の名称をご存知だろうか。
私は知らない。知らないが、多分これという候補がある。
それが、「出合橋」。であいはし、出会橋などの変態形を合わせて、日本一の勢力ではないかと思っている。出合とは川が合流する場所という意味がある他、人や物の出合い(出会い)という意味に通じるので、橋の名前に用いられるのも納得しやすい。
次点でふれあい橋、蓬莱橋などが多いと思う。

今回は周南市一の井手周辺にある橋について。そのうち一つが、出合橋だ。

まずは地理院地図。中央を流れる目立つ川が東川。発電所の記号のすぐ上に東川をまたぐ橋の記号がある。この橋が出合橋。この橋のある道は秋月方面から一の井手方面に下って国道315号と合流する交通量の多い道なので、地元の人なら通ったことがあるかもしれない。
発電所の東の寺の記号は興元寺というお寺で、こちらは天をつく大銀杏が見事な禅寺である。
もう一つ、橋の記号はないが、上記橋の記号のすぐ右上に川を跨ぐ道がある。名を興元寺橋(こうげんじはし)という。こちらもなかなか味のある橋である。

地理院地図を拡大して色をつけた。ピンクの橋と緑の橋が今回ご紹介の橋。ピンクが出合橋、緑が興元寺橋。
まずは興元寺橋からのご紹介。

興元寺正面の駐車場からスタート。ここから西に向かって興元寺橋を渡り、国道315号を経て出合橋を北から南へ。反時計回りに回るコースで行ってみよう。
なお、大銀杏の写真は撮っていない。そういう有名なのは私なんかに期待されてないと思うし、期待しないでほしいとも思う。

駐車場を出て児童遊園を過ぎるとすぐに橋である。欄干が低い、古いコンクリート桁橋である。

寺側の親柱。「昭和42年3月竣工」、「こうげんじはし」との記載だ。ここで橋の名前を初めて知った。

続いて国道側の親柱。「興元寺橋」、下は写真だと読みにくいだろうが、「東川」だ。
親柱にはスタンダードに漢字の橋名、読み、竣工年、川の名前が記載されており、どれもしっかり残っていた。
ここで役に立たない知識。漢字の橋名がある方を、橋の入り口ということがある。また、読みを平仮名で書く時は、口では「ばし」と発音する場合でも、「はし」と書くことがある。今回の場合は、「こうげんじばし」の方が呼びやすいと思うので、このパターンではないだろうか。敢えて「はし」と書くのは、川の水が濁らないように、という縁起担ぎだそうだ。

欄干越しに出合橋方向を見る。個人的希望として、欄干には苔むしていてほしい。

国道側から眺める。古い橋って、街並みに馴染んでる。電柱の後ろというゾンザイな位置に見事な大銀杏が写ってるね!どんだけ木に興味ないんだ笑。

付近にあった極限状態の標識。「指定」は分かるが、それ以外はまったく分からん。

興元寺橋を後にして国道315号をちょっとだけ歩き、出合橋へ。
正直、出合橋は誰でも簡単に見られるし、新しいし、橋の作りとして面白みもないから、本来わざわざ紹介するようなものでもないのだ。

出合橋全景。これだけだと何もおもしろくない。
しかし、ただ一点、私を虜にしたのがこれだ。

出合橋(ドンッ)

なんかもうほんと、出オチな感じで申し訳ないが、これだけだ。
ちなみに

胸焼けがしそうなので全部は載せないが、すべての親柱がこの調子である。
男の頭のサイズ感がバグってるだろとか色々突っ込みたいことはある。あるが、出合橋という名称にこの親柱のデザインを採用するというのは、色々通り越して見事だ。昔の金曜ロードショーのオープニング曲が聞こえてきそうなムーディーさではないか。
私もそれなりに橋を見ているが、ここまでの(変な)ものが近所にあったというのは驚いた。
暫定ではあるが、周南市一の井手の出合橋こそ、日本でもっともムーディーな出合橋に認定して差し支えないだろう。

普段何気なく通る道にも意外な発見があるので、道路はおもしろい!というまとめで今回は勘弁してください。

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