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生雲隧道4 旧県道捜索編

Asatteca

まずは生雲隧道2で示したこのマップを思い出していただきたい。

私は現道の県道11号線から⑤地点で明らかに旧道と思われた脇道に入り、段々と細くなっていく道に沿って進んだ。そして倒木を越えた先、⑥地点にあったのが、こちらの丁字路だ。

藪を抜けて出会ったこの謎道によって、私が通ってきた旧道は旧道(?)となった。というのも、隧道と謎道と旧道(?)との位置関係からすれば、明らかに謎道を旧道の本線と考えた方が、無理のない線形である。また、舗装や道幅などの規格もこの謎道が優れている。謎道=真の旧県道という考えが私の中で急速に膨らんだ。
しかし、謎道は、あたかも工事未了で放置された未成道であるかのように、この写真の先20mほどの所で突然死しているのだ。

ここが謎道の終焉地点。とても道があったようには見えないし、中心付近を横切るガードパイプが行手を塞いでいるようにも見える。
この探索当時は圧倒的な情報不足であり、雨も降っていたので、隧道到達のみを目標とし、謎道についての検討は行わなかった。
結果として、隧道は制覇したが、謎道の正体と現状に対する説明について、解明すべき課題が残されていたのだ。

今回は、生雲隧道探索に付随する謎道の正体解明編である。

結論から言うと、やはり謎道こそが真の旧県道であり、私が隧道に向かう際に通った旧道(?)は旧県道ではなかった。
これは現場で感じたとおりの結論であり驚くほどではないが、以下航空写真で解説する。

これは2014年の航空写真に記号を付したものである。⑤地点から⑥地点の分岐に至るまで、私が辿ってきた旧道(?)がはっきり写っている。途絶地点と示しているのはおおよその位置であるが、道が途絶えていることは写真でもよく分かる。
次に、決定的な1978年版航空写真。

分かりやすいように記号を重ねると、こうだ!

これでもう明らかだ。
水色の破線で示した旧県道が、⑥の分岐で発見した謎道と同一の道であることに疑いはない。ここに謎道は(私の中で)正式に旧県道となった。
そして、私が⑤から辿った道は何らの形跡もない。
最後に以上の結果を現在の写真に反映すると、こうなる。

高規格の現県道が生雲トンネルへと突入する手前あたりで、旧県道は現県道によって真っ二つに切り裂かれてしまっている。私が辿った旧道(?)は、旧どころか現道完成後に何らかの理由で拓かれたものであることも明らかである。
この理由については、裏付けはないが、現場を見た感触から、2通りの推測ができる。

1つ目の推測は、旧県道の唐突な途絶との関係。既にご覧いただいた旧県道の舗装された2車線道路が突然死していた光景は、とても自然のものとは思えない。人の手が入ったもの、つまり積極的に自然に還すための廃道化工事の結果であると考える。旧県道の行く手を遮るようなガードパイプも廃道化工事の初期に設置されたのではないだろうか。また、植樹等を行うことは、現道方向へ向かう斜面の安定化にも役立つはずだ。旧道(?)は、この廃道化工事のために利用された工事用道路である。
2つ目の推測は、電柱電線の保守点検との関係。生雲隧道レポート2に上げた写真を見ていただければ、旧県道に電柱と電線があるのが分かる。そしてこの電柱電線、現役のように見えるのである。私自身は電気関係について素人なので全く分からないのであるが、仮に電柱電線が現役だとすると、これらを保守点検するために近づく道が必要であろう。旧道(?)は、電柱電線の保守点検のために利用されている道路である。

この推測の時点では、電柱が現役か否か確証がなかったのであるが、後の探索で現役らしいことも判明した。したがって、少なくとも第2の目的で整備利用されている道だと思っている。

さて、航空写真の検討により、現地で発見した謎道の正体は完全に判明した。これに伴い正しい旧県道のルートも判明した。旧道(?)に関してもその存在理由について一定の合理的推論は成り立った。
ここで大団円としてもよかったのだが、調査の過程で旧県道の未探索区間が現れてしまったではないか。
未探索区間に旧県道は残っているのか?
最後にこの謎を解明しなければ、私の生雲隧道探索は終わらないと思った。
次回、再びの現地へ。

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