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ダイエットを、借金返済生活と定義して7kg落とした話(8年前)

現在は1日1200kcalということのみを指針としたダイエットをしているけれど、8年ほど前に2ヶ月半で7kg減のダイエットを成功させたときには、指針を「1日のカロリー収支」で考えていた。
今回はその時役立った「怖いおっさんの脳内イメージ」のお話。

(前提として)
1kgの脂肪を消費させるためには約7000kcalが必要だ。
それは、もし1日に動いたりして消費したカロリーから食べて摂取したカロリーを引いた時に、700kcalの差を維持できれば、10日で1kgを減らすことができる、ということ。当時のわたしは、1日で700kcalの差を生み出して、2ヶ月半で7kgの体重を減らす。ということを目指すことにした。

わたしを駆り立てる方法は、わたしが一番よく知っている

ちなみに、1日に700kcalの摂取と消費の差を生もうとすると、さすがに食べ物の摂取を1100kcalを切るのは生存条件としてきついので、消費を上げるためにけっこう動かないといけない。
つまり、最低でも1日1800kcalを動いて消費する必要があるのだけれど、単に通勤するだけでは1日1600〜1700kcal程度にしかならない!
まじか。
わたしは動くことが大嫌い。
そんなわたしが、毎日1800kcal以上の活動消費をしていくためには、自分の脳内で「やらねばならぬ、これぞ背水の陣」という決意になるようなイメージ変換(ある種妄想)をする必要があった。

・私が一番プレッシャーを感じて
・私がごほうび感を感じやすい

そんな設定はないだろうか?

そこで考えたのが
ダイエット生活は、借金取り立て屋への返済生活である」ということ。

借金が好きな人というのはいないと思う。
わたしも借金は大嫌いだ。
動くことも好きではないけれど、借金はメンタルにダメージがくるのでもっと嫌だ。できるだけ早くお金は返してしまいたい。返せなかったらどうしようという不安とか、そこにつけこんでプレッシャー与えてくる取立てとか、もう本当にいや(経験ないけど)。
組んでしまった数十年にわたるマンションのローンも、仕方がなかったとはいえ落ち着かない…できれば現金で買いたかった、と思う。
ならば、
痩せるためのイメージを「借金の取り立てに返済をしていくわたし」にしてしまおう。動くのが嫌いなわたしだって、借金返済のためならなんとかしようと思うでしょう、ということで。
つまり、カロリーをお金に見立てて考える。

稼いだ分(動いた分)は、使っていい(食べていい)。
使いたいなら(食べたいなら)、稼ぐ(動く)。
そして、たくさん稼いだら、たくさん使って良い!


怖〜いおっさんが、毎日700kcalの上納金を待っている

生きてればトラブルというのは想像しない方向から急に飛び出してくるもので、いくら借金が嫌いでも事情によっては、えげつない金融屋からお金を借りてしまい、多大な借金を背負ってしまうということも、ないとは言い切れない。
ダイエットをするにあたってわたしは、「やばいところに債務を背負った身」になりきることにした。

例えば知らないうちに知り合いの保証人にされていて、その知り合いにはすでに連絡がとれない、とか、父親が実は多大な債務を抱えていたのがわかって、とにかくその一部を肩代わりしなくてはならないのだ、とか。
まあ、理由はなんでもいい。

とにかく返済が遅れると、1日の終わり頃に恐ろしいおっさんが家までおしかけてきて、怖い声で怒鳴りちらすのだ。

「オラ〜!おまえ、聞こえてんのか。金返せ、オラ〜!!てめ、ブッコロっぞ!」

オラオラ系だ。ドアとかガンガン蹴られてる感じだ。
インターホン越しにチラチラと映る、恐ろしいおっさんの顔をまず想像した。金歯、パンチパーマ、サングラス(古い!)。

そのおっさんとの取り決めは、1日700kcalを上納しなさい、というもの。
24時になる前までに700kcalを収めれば、取り立てはこない。私がいくら稼ごうが稼げまいが、おっさんはそれには興味がないから、お金があるからといって700kcal以上の金額を要求してきたりもしない。
が、足りてないとめっぽう恐ろしい。

「すみません、今日は650kcalで許してください、あした750kcalにして返しますから、お願いします」

そうお願いしたこともあったけれど、基本的には許されないし、できることならおっさんに関わりたくないからそんな交渉もしたくないよね。
と、そんな設定。

ダイエットには我慢がつきもの。
脂っこかったり甘かったり、美味しそ〜なものを食べている人を横目に、
→ わたしは食べられない。そりゃそうだ、わたしは事情により多大な借金を抱えた身なのだから!
1日のデスクワークが終わり、今日はもう帰ってゆっくりしたくても
→ もっと動かなくてはならない。そりゃそうだ、今日返納する700kcalが、まだ手元にないのだもの!

そんなふうに脳内変換していると、意外と自分の重い腰も上がるようになって、歩く移動が多くて1900kca以上を活動しちゃった日なんて、取り立てのおっさんに、700kcalを返済してから、追加で100kcalをバーンと机の上に叩きつけてやる想像までした。

「わたしを甘くみないで、やってわるわよ(なにを?)!」

ってな感じに。

借金生活を終えて、怖いおっさんとは手を切った

そして2ヶ月半。
晴れて7kgの減量に成功したわたしは、最後の支払いを終えて、怖いおっさんとは手を切ることにした。
全部で返納したカロリーは、49,000kcal。
次の日、動いて稼いだ分を全て自分の食事にあてたときには、その幸せに涙がでたよね。
借金生活を終えて
「ああ、これまで横目に見ていたアイスクリーム、なんておいしいの。今日からは自分のためにお金をつかえる!」
って、そういう開放感。

これが、8年前のダイエットの時のお話。

一応ダイエットは成功したのだけれど、結構おっさんのイメージがひどくて、もう二度とあのおっさんには会いたくなくて、それ以降はこの脳内変換は持ち出していない。それにやっぱりカロリーだけ見ていくのには無理があって、最後の方にはひどい便秘に悩まされたり、貧血で体調がおかしくなったりしていた
…そして8年間の間にその時減らした7kgはしっかりとリバウンドし、プラス4kgしてしまった。
それでも脳内でまたおっさんを呼び出すことはしていない。

今は食事のバランスだけでやろうとしている一応健全なダイエット。
でもあのときはそれなりに、あの怖いおっさんにお世話になったと思っている。オススメできない方法かもしれないけれど、若くて健康体ならちょっとくらいの無理は大丈夫(かもしれない)。

次は、あなたの脳内に呼び出してみてはいかがですか?

なんて。


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