道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である

2020年11月29日17:00に株式会社ICの藪中 孝太朗社長のYoutubeチャンネルのEducatorsに出演させていただいたのですが、そこでの告知文で、「中高生が見る」という部分を見て、

「うぉ、しまった!ビジネス、金のことばっかり言ってる嫌なやつじゃねーか!」

と気がついた平林でございます。

いや、でもお金儲けってすごい大事なんです。

大人であれば、言っていることがわかると思うのですが、中高生にはちょっとむずかしかったかも知れないので、私の考えている「仕事とは?」「経営とは?」というお話をさせていただければと思います。

働くは自己実現のために!?

みなさんはずっと遊んでいたい、働きたくない、と思ったことはないでしょうか。

そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

で、大学の先輩に相談したんです。そうしたら、先輩からはこうやって返ってきました。

働くっていうのは、自己実現だから。自己実現っていうのは、こうなりたいっていう自分になること。たとえば、お金を稼ぐためだけだったら、人を騙したり詐欺師にでもなってしまったほうが早い。だけど、おれは嫌なんだ。俺は、「広告代理店で働かれているんですね!」とチヤホヤされ、タワーマンションに住んで、モテまくりたいわけ。俺は、広告代理店でイケてる俺になりたいから詐欺師にはならない。芸人や、ホストや歌手、パイロットにもならない。おれは広告マンになりたいんだ。知性があって、スマートで、金も持ってて、社会的信用もある。だから早稲田の政経(政治経済学部)に来た。

この人、モテたい!でここまで頑張ったのすげーな!!!

と率直に思いました。

先輩は地方田舎の出身で、ご両親は中学までしかいっていません。

その後、特別奨学生になったり、奨学金をもらったりして、お家にあまりお金がないのに、私立大学文系のトップの早稲田大学政治経済学部に入学しました。

本当に努力をして、その後、広告会社に入社します。そのあとヘッドハンティングされて、移籍先の会社を上場させました。上場って難しいので説明しませんけど、その先輩は普通の人が一生で稼ぐお金の数十倍をガバっと30歳ぐらいでゲットしたんです。お金持ちになりました。しかも社会的信用っていって、みんなが「お金持ちなだけじゃなくて、人としてもすごいんだね!」といってくれる人になりました。んー、僕には無理そう!笑

話がずれましたが、先輩と話して、なるほど、働くっていうのは、「なりたい自分になるためなんだな」と思いました。お金を稼ぐのはもちろんです。ただ、何になりたいかだけでなく、どんなふうになりたいか、どうやってやるか、も大事なのです。

「仕事とは自己実現」

これは私が大学四年生のときに本当の意味が分かった言葉でした。

誰かの夢にのっかることもできる=会社

さて、働くということは自己実現、と言いましたが、なかなか自分のなりたい姿なんて描けるものじゃありません。そんなとき、どうしたらいいのかって言うと、「ぼくの夢に近い!」「そうそう!これがしたかったんだよ!」「この人を応援したい!」と、ほかの人の夢に乗っかることが出来るんです。

例えば、あるタバコの会社の話をしましょう。タバコって悪いイメージに最近ではなっていますよね。でもね、この会社の中の人達はこう考えています。

私達が売っているのはタバコじゃない!ホッとする瞬間だったり、喫煙所でのコミュニケーションなんだ!

こんな風に思っている会社があるんです。世の中の人がどれだけ「タバコは体に悪い!」と言っても、タバコで救われる人がいるんだ!とおもって働いている人たちがいるんです。より多くの人にタバコを届けたい!と思っている人たちが集まって、「会社」というものができます。

その会社の夢を応援したい!と思って、お金を提供する人は「株主」と呼ばれます。労働力を提供する人を「従業員」と呼んでいます。

会社の夢のことを「経営理念」なんて呼んだりします。夢を大事にすることをひっくり返して「理念経営」と言います。夢といっても社長の個人的な夢ではありません。「いい車にのりたい」と社長が言ったらお客さんや従業員さんは「勝手にやってろ」と思うでしょう。みんなにとっていい夢じゃないと、みんなから応援してもらえません。

つまり、

理念=夢×社会性

といえます。

その会社が頑張れば、その「会社の夢(=理念)」が実現すれば、その先にはいい未来がまっている!と信じる人達の集まりが会社というものです。(他にもNPOとかあるけどね)

このヒラバヤシ・アスキには『夢』がある!

では、平林、お前の夢は何なんだ、となりますよね。私が代表取締役(つまり社長)を務めさせていただいている株式会社TOEの経営理念は、

科学的な手法を用い、
失われた自信を取り戻し、
挑戦を忘れない人材を輩出する

なんです。

色んな挫折で自信を失ってしまっている人を勇気づけて、また挑戦できるようになってほしい!

と思って会社を経営しています。

もうちょっと言うと、「こんな自分から変わりたい!」と願う人のお手伝いをしたいと思っています。(なので、「この人を変えてほしい」というお願いには「それはできません」と応えています。変わるのは本人であり、本人が変わりたくないなら、変えるなんて無理ですし、失礼です。)

確かに僕たちは学習塾を運営していますが、「勉強するなかで、人間が育つ!」と考えています。

コツコツやったり、教養が増えたり、頭がよくなったり。もちろん、テストの成績も大事なんですし、それは当たり前なんですけど、「人としてどうなんだ」というところだったり、「心のよわいところは、仕組みのちからを借りてできるようにしよう。スケジュール帳の使い方とかも教えるよ。」みたいに、だらしない自分の管理方法なんかも教えていきたいのです。

そんなふうに、自分に自信が持てて、もう一度挑戦できるようになる人が増えたら、きっとこの世界はもっと良くなると思っています。だから、できるだけ、多くの人にこの考え方の「教育」を受けていただきたいと思っています。テスト対策しかやらないような、テクニックの切り売りのただの塾屋さんは嫌なのです。ちゃんと向き合って、テクニックを超えた人間教育の部分まで携わりたいのです。

いいサービスならより多くの人に

なので、お金がいります。広げていきたいのです。ほかの塾よりも自分の塾が頑張ったほうがいい世界になると思っています。社長はお金がたくさんもらえるからなる、と考えている人もいると思います。ただ、社長同士は、「よりよいサービスをより多くの人に提供したい!」と考えて、ライバルとして、戦っています。その結果、どんどんいい会社になっていき、喜ぶ人が増えていくのです。さらにその先、頑張っていって、初めて社長がたくさんお金をもらえるようになるのです。社長になったからお金持ちになるわけではありません。

社長ひとりでは出来ることは限られます。また、1人でやっていたら社長が体調を崩したら大変なことになってしまいます。また、社長と相性が合わなくても、ほかの従業員さんとは相性がいいお客さん、生徒さんもいるかもしれないんです。みんなの力を合わせると、もっと多くの人にいいサービスを提供できます。

ですから、先生は誰でもいいわけではありません。そこらへんのおっちゃんを捕まえてきて、「はい、塾できた!」というわけにはいかないのです。優秀な先生にちゃんとお金を払って、うちの塾に来てもらわないといけません。

また、今回のコロナ騒動のように、会社が潰れそうになることは沢山あります。利益が取れるか取れないかのところでギリギリでやっていたら、急に塾が潰れるかもしれません。そうなると、生徒さんが困ってしまいます。よりよいサービスをたくさんの人にずっと提供するのが会社の役目です。

お金と夢のバランスの中で

だから会社の貯金がいります。責任をもって運営するためにもお金もいるのです。無料でやるわけにはいかないのです。無料でやると、たいていこじんまりとした規模で終わります。

食っていけないですし、生活が苦しくなっていくからです。またいい先生も集まらないですし、場所も不便なところで安くするしかないのです。中にはお金はいらないというすごい人格者もいますが、そんな人は稀です。お金がいらなくて、そして同時にすごい先生という2つを満たす人は少ないでしょう。
どちらかならいるかも知れませんけれども。

そんな難しい二つの条件を同時に満たす人を探し続けていたら、間違いなく、会社は成長せず、お手伝いができたはずの人を困ったままにしてしまうことになります。

みなさんは、
1.お金はいらないそのへんを歩いていた人
2.お金はかかるけどすごい先生
のどちらと頑張りたいでしょうか。

私であれば、お金は大事だと考えているすごい先生にお願いしたいと思います。なので、そういう人にお願いしています。

人間生きていくのにお金が必要です。
だから優秀な人にはきちんとお金を払わないといけません。お金で全てが解決するわけではないですが、お金で解決することは多いのです。

経営というのは、この理念というお金のバランスを取ることだと思っています。

まとめ

働くということは自己実現、つまりなりたい自分になることです。
会社は夢を応援する場所です。お金を出してくれる人を株主と言います。労働力を出してくれる人を従業員と言います。
会社の夢を経営理念と言います。
経営理念をひとりでも多くの人に伝えたいので、お金がいります。
お金が安ければお客さんはたくさんきますが、サービスはあまり良くないです。お金が高いとあまりお客さんはこないかもしれませんが、サービスはよくなります。

経営はこのお金のバランスをとることです。

「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」

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二宮金次郎先生の言葉です。
理念がないお金儲けは犯罪、お金のない理念は寝言、と言い換えられそうです。

僕ら社長は夢を見ています。その夢には一生届かないかも知れない。それはまるで北極星のよう。どれだけ歩いても北極星にはつかない。だけど、方向だけは照らしてくれる。

ぼくらが迷ったとき、道を踏み外しそうなとき、お金の魔力に負けそうなとき、この経営理念という夢はものさしにもなります。

僕が考えていることを読んでいただくと、僕が映像で言っていることの意味がもっとよく分かる…かもしれません(笑)

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