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”季語”としての「あさり」

先日あさりのことを調べていた時、
あさりは俳句で春の季語だと知った。

”季語”としての「あさり」。
なんだか素敵だな。
どんな俳句が詠まれているんだろう?

こちら↑にあさりについて詠まれた俳句が
6句紹介されていた。

あさり漁を詠んだ句、
あさり売りを詠んだ句、
あさりを食べるシーンを詠んだ句、
それぞれ2句ずつ。

中でもわたしが心惹かれたのはこの一句。

浅蜊汁殻ふれ合ふもひとりの餉(げ)     永方裕子

上記リンク先より

ひとりで食べる食事(=餉)。
お椀に注いだあさり汁をいただく時、
貝殻同士がぶつかる音が食卓に響く。

お椀の中のあさりの殻たちは
にぎやかに”ふれあって”いるのに、
わたしは誰ともふれあうことなく
ひとりあさり汁を味わっている。

ふれあう殻のにぎやかさと
ひとりの食事のさみしさ、
その対比がこの1句から感じられる。

わずか17文字で
その情景が伝わる俳句の世界、
なんて奥が深いんだろう・・・。

あさりが春の季語であることから、
たとえばだけれど
これまでは一緒に食事していた
お子さんが高校を卒業して
大学に進学し一人暮らしを始めた。

そして自分も一人暮らしとなった母親が
スーパーに買い物に行った時、
我が子が好きだったあさりを見つけて
お子さんのことを思いながらあさり汁を作った。

それを、一人で迎えた春の食卓でいただいている。

そんな光景を思い描いてみたりもできる。

あさりが旬の春に、ひとり。
その切なさや寂しさが17文字から伝わる。

春の華やかさと
ひとりの静けさの対比も感じるなあ・・・。

食べるだけではなく、
俳句の季語としても味わい深いあさり。
いつかわたしもあさりの句を詠んでみよう。


【2023/8/1 今日のあさり】

時々出てくる、最初の方にできた貝殻がくっきりしてるタイプ
殻を閉じてこの角度から見るとわかりやすい
横から見るとこんな感じ
殻を開くとつばが広がった帽子みたいにも見える

今日はなぜか青みがかった写真になった。

毎日あさりの貝殻を眺めていたら
やっぱりあさりを食べたくなるわけで。

諸事情でなかなかあさりを買えてないけど
今週こそはあさり料理を作りたいな。
あさりのすまし汁や
あさりたっぷりのパエリア、食べたい!!

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