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#読書の秋2020 #力をぬいて

銀色夏生さんの「力をぬいて」を読了しました。
読む前と読み終わった後では、今までの自分の考え方について、より深く考えさせられました。
特に共感するところや心に響いたところをいくつか付せんにしたところを紹介したいと思います☘️




🍀職業は分業
人が増えれば増えるほど、仕事は細分化されていき、その人が得意な専門的なことだけをすれば生きていけるようになる。私が自分の仕事だけに邁進できるのは、他の人々がそれぞれの仕事(役割)をしてくれているからだ。だから、私は自分の仕事を一生懸命にしてたらいいんだと思う。それぞれに役割を分担して協力し合っているのだから。


🍀プラスマイナスゼロ
苦労したことほど達成感は大きい。努力しないで得る成果は楽しくない。嫌だったことが嫌であればあるほど、解決した時の喜びは大きい。波の大きさや長さは人によって違うけど、人生で、うれしいことと悲しいことはトータルでは同じ量だ。


🍀私とお金
お金は時に、わずかでもトラブルのもとになるし、大金によって身を亡ぼす人もいる。多くても少なくても、お金とうまくつき合うことは人間性を問われる。お金に対する感情(こだわり)をクリアするための、人それぞれの道がある気がする。


🍀すべての恋愛は片思い
すべての恋愛は勝手な思い込みである。好きな相手は自分の心の中のその人。自分自身の願望が形を変えたもの。つまり自分自身。美しい誤解だが、誤解できるからこそ愛し合えるのだ。


🍀人をうらやましがるのは無意味
その人が生きてきた長い年月とそれに伴う苦労を考えると、単純にうらやましがることの無意味さがわかる。浅はかさがわかる。その人はそういう背景に支えられてそこにいるから。


🍀変わるには
練習とは、繰り返し行って、体の中に、心の芯に染み込ませること。いったん染み込ませると、それは自分の一部になり、自分そのものになり、ふたたび分かちがたくなる。強さはそこにのみ息づく。


🍀宝物
人との関係って、一方的なはずはない。どこかで釣り合っている。何かを求めて、何かを求められて、それが合うから関係というのは成り立つ。今、環境が変わって、自分の価値観が変わって、その人を「違う」と感じても、過去の、よかった頃の関係まで否定することはないよね。そう。忘れてしまったことの中にもたくさん、宝物はある。


🍀理解しないままに体験すること
理解できなくていい、理解することよりもその体験をしたこと、その経験こそが大事だったと思えれば、納得することにこだわる必要はなくなるだろう。やる意味があると思えるのは、現時点での自分の知恵の範囲内でのこと。今の自分には理解できない大きな目的がその奥にあるのかもしれないと思えれば、自分の考えなんて小さいんだからと、笑って、楽になれるかも。


🍀感情のエネルギーを有効に使う
感情は感情でそのままにして、エネルギーだけを取り出して、そのエネルギーに感情はない状態にして、パワーとして仕事に使うとか、運動や勉強にぶつけるとか。悲しみのエネルギーもそうできる。ちょっとしたいいことがあった時は、その喜びのエネルギーをめんどくさい作業や家事の原動力に使ったりする。やる気がでた、というのはそういうこと。

🍀結婚、夫婦、時間
長くつき合うことの長所と短所と、短いつき合いの長所と短所があり、時間を積み重ねたつきあいには新鮮さはないかもしれないけど、それに匹敵する思い出がある。時間が二人の間からうばっていったものと時間が二人の間に残していったものは同じ価値がある。


🍀何を決めたかを忘れないこと
人の意見を気にして人の意見に左右される人は不安な人生を送るしかない。心の安定を得るには、自分の生き方を決めることだ。人それぞれに価値観は違う。決めること。そして何を決めたかを忘れないこと。何を選んで何を捨てたかを忘れないこと。


🍀情熱がなければ
それが好きでそれをしたいという情熱があれば進んでいける。だけど、それを好きじゃないと、情熱がないと、どんなに頑張ろうとしてもダメだ。嫌いなことを頑張ることほど苦しいことはない。心の中に矛盾があるから。


🍀健康の秘訣
自分の快適さについてちゃんと考えていないと、忙しさと群衆と情報の中で、どんどん自分とずれて行っちゃう。ずれたこともわからなくなっちゃう。健康の秘訣は、「自分の心と体の快適さを知っていること、知ろうとすること」だと思う。


🍀言葉よりも行動
何を言っているかよりも実際に何をしているかが大事。言葉は曲者。嘘がつける。でも行動は目に見える。そして明らか。


🍀幸福の大きさ
「今の喜び×それが続く可能性のある最大限の日数」


🍀長所は短所
長所と思える点は、ある時は短所になる。利点は欠点でもある。それは見方による。見る人の捉え方による。


🍀ものごとの3つの状態
人は受け入れられないことを受け入れたくないと思った時に、変わろうと動き出す。最初に、受け入れている状態があって、それをなんらかの理由で受け入れたくないと思い始め、しばらくは受容するが、ある時、変えようと決心する瞬間が来て、変えることを始める。イエスの状態、ノーの状態、その境目。


🍀関係を育む
嫌だと思うことがある時、相手に勇気を出して伝える。それで相手が離れたら、そこまでの関係。それで相手が変わったら、関係はより深いものになるだろう。


🍀ひとつずつ
余計なことを考えず、ただ目の前のやるべきことを、ひとつひとつやっていこう。それが自分をどこへ連れて行くか、なんてことも今は考えずに。目の前のやるべきことは、いつもひとつしかないのだ。ひとつ、ひとつ、順番に、やっていこう。ひとつずつ、やっていこう。


🍀成功の秘訣が意味するもの
ある行動をとることで人格を高め(最初の図でいうと上の方に行くこと)、それによって洞察力や明晰さを得るということだと思う。人は上の方に行くと細かいことに煩わされなくなる。


🍀自分より高いレベルのものを垣間見る方法
尊敬する先輩たちの目を通してだけわずかに確かめられる確かなもの。そこに向かって私も進もう。生きる希望をそこからもらう。前に進むための力をもらう。

🍀自分で決めるために
どんなに小さな選択でも私は自分の人生を自分の意思で決めたかった。できるだけ人に意見を聞かなかったのは、経験者にアドバイスなどされたらせっかくの未知の体験が台無しになってしまうからだ。私にとっては、ひとりで初めての体験をすることに価値がある。道に迷ってるように見えるかもしれないが、最短距離を行きたいわけじゃない。私が、私の道を行く。私が、私と道を行く。


🍀外的要因に左右されない個人的幸福の試み
このために必要なのは、自分の価値観。人がどう思おうと、自分が好きなものを好き、そう言える自信。その自信をより強くするために、今日も、修行というか、勉強というか、毎日を過ごす。


ここまで読んでくださりありがとうございます。
この1冊はこれからの人生にきっと何かのスパイスになるのではないかと、思っています。
自分はどうしていきたいのか?
そんな人にぜひ、巡りあってほしい1冊です。

#読書の秋2020 #力をぬいて
#銀色夏生 #角川文庫

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