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『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』「はじめに」全文公開

 こんにちは、あさ出版noteにお越しいただき、ありがとうございます!
 今回は好評をいただいている「かくれ繊細さん」の「はじめに」を全文掲載いたします。
ぜひ、この機会にお手に取っていただけると嬉しいです。

はじめに(全文)

「何をやっても満足できない」
「自分には得意なことが何もない」
「ついめんどくさくなって、最後までやり通せない」
「中途半端な自分に自信が持てない」
「やりたいことがわからない」
「自分が本当に何を望んでいるのかわからない」

 あなたはこうしたことを感じていないでしょうか。
 最近は、昇進レースに乗ることや安定思考は影をひそめ、「やりたいことをやって生きるのがクール」という価値観が浸透しつつあります。

「やりたいことがあって、熱中している」のがかっこいい時代でもあり、やりたいことを見つけることができないと、ますます不安になり、やりたいことで稼いでいる人を見るたびに、やりたいことで成果を出せない自分に凹んでいるかもしれません。
 怠けグセを直そうとがんばっていたり、努力が足りないせいだと思って何かを学んでいる人もいるでしょう。

 でも、たくさんのことをやっているのに、本当に大事なことからは遠ざかっているように感じて、「やりたいこと」がどんどんわからなくなっていませんか?

 こうした悩みを抱える人の中には、好奇心が強いにもかかわらず怖がりである、とか、没頭しやすいけれど長続きしない、という相反する性格特性をお持ちの方がいます。

 こうしたことに心当たりがあるのであれば、あなたはもしかしたら、「かくれ繊細さん」(HSS型HSP、あるいはHSE)かもしれません。

 最近は、アメリカの心理学者のエレイン・アーロン博士の発見した概念「HSP:HighlySensitivePerson」(生まれつき感受性が強く敏感な気質を持った人)が少しずつ浸透してきて話題になることも増えました。

 「かくれ繊細さん」とは、この「HSP」の中でも、共感能力が高く繊細で傷つきやすい側面(HSP)を、外向性、社交性、積極性、好奇心旺盛さという別の側面(HSS:HighSensationSeeking)によって表面化しないようカバーしている人たちです。

ご紹介

 ご紹介が遅れました。私は、「かくれ繊細さん」を専門にカウンセリングをしている時田と申します。かくれ繊細さん専門のカウンセラーとして、のべ約1万5000時間、複雑な性格特性を持つ方々の生きづらさを解消するサポートをしてきました。
 私自身もかくれ繊細さんであり、やりたいことをずっと探し続けていました。

 やりたいと思ったことを、「やりたい」と言ったらおこがましいんじゃないか、誰かに笑われるんじゃないか、という気持ちを誰にも言えずに抱えこんでいました。

 「人はみんな同じように本心を言わずにガマンしているものだ」「みんな何かしら悩んでいるんだから」と自分をなだめ、やりたいことをやっているようでいて、本当にやりたいことには手を出せずにあきらめようとしていたのです。
 ですから、「やりたいことがわからない」という方々のジクジクした気持ちは、とてもよくわかります。

かくれ繊細さんの特徴

● まわりの期待に応えたい
● 誰かに喜んでもらえるなら、自分の気持ちは抑え込む
●9の長所より1の短所にクヨクヨしやすい
● 現状に満足してはいけない、と自分を否定し、はっぱをかける
● 自己卑下し、不安を感じやすい
● 疲れやすく、まわりにペースを合わせ続けられない
● 疲れても踏ん張ってしまう
● 時々猛烈に休みたくなる
● 中途半端な人を見るとイライラする
● 猛烈に自信のある分野がある
● 本当の自分と、まわりからの自分の印象にギャップがある(そんな自分は変なんじゃないかと思っている)

 これまで、自分を含め、たくさんのかくれ繊細さんの自己発見に伴走してきて、はっきりとわかっていることがあります。

 実は、「やりたいこと」は、すでに自分の中にある、ということです。

ところが、自分の中にある「答え(やりたいこと)」に気づくのをやめておこうとする習慣がついているので、自分の中にあるのに、それがわからない状態なのです。

かくれ繊細さんが「やりたいこと」がわからなくなっている原因

 かくれ繊細さんが「やりたいこと」がわからなくなっている原因には、大きく分けて2つあります。

 1つは、「自分の特性の一部をないことにしようとしていること」で、もう1つは、「不安をそのままにしていること」です。
 くわしくは本文で紹介しますが、やりたいことで悩んでいる状態には8つのフェーズがあります。各フェーズの不安を漠然とそのままにしておいても、いつかやりたいことが見つかるわけではありません。自分がどのフェーズにいるのかを確かめてみていただきたいと思います。

 もちろん、この「答え」に気づくのをやめておこうとする習慣を、このまま続けることもできます。
 でも、それをここで終わりにして、新しくやりたいことに気づき、やるという道を選ぶこともできます。
 やりたいことに気づくというのは、やりたいことをやってもいいし、やらないままでもよい、というように、選択肢が増えることなのです。

 セッションやかくれ繊細さん当事者である私自身の経験を通してわかったのは、かくれ繊細さんは、単に「やりたいことを見つけ出して、それをやったら満足」ではないということ。やりたいことに気づき、発掘し、それに挑戦し、夢中になる自分を体験するのが好きだということです。

 そして、その過程にいる自分の感覚を楽しむ(苦しい自分も楽しめる)のが、かくれ繊細さんにとっての「充実した生き方」のようです。

 やりたいことを自分の中から掘り起こす作業を通して、自分自身を信頼できるようになりますし、やりたいことに実際に取り組むと、夢中になる自分を肯定しやすくなります。

このような好循環が生まれ、生きづらさが軽減していく方をたくさん目撃してきました。あなたも、そうした自分を手に入れられると思います。

 あなたは「やりたいことを、自分で決めたかったのに、決めさせてもらえなかった」という不満を持ったことがありませんか。あるいは、「やりたいことに反対されて、やらせてもらえなかった。あのとき、やりたいと強く言い続けていればよかった」という後悔があるかもしれません。
 「やりたいことを口に出して言うのは恥ずかしい」と思っていたり、「やりたいことをやってきたけれど、他人に疎うとまれたり足をひっぱられたりした。だから、やりたいことをやるのは怖いなぁ」と、痛い思いを抱えたままかもしれません。

 私自身は何でもそこそこできてしまうので、やるように言われたことをただこなし続けて時間がなくなり、やりたいことを考えることなく大人になったという経緯があります。
 かくれ繊細さんにはそうした器用だったからこそ、やりたいことの見つけ方がわからなくなった方もいます。

 この本では、かくれ繊細さんが「やりたいことをして満足して生きたい」という思いに関して、これまでのカウンセリングからわかっていることを、できる限り詳つまびらかにお伝えします。

 やりたいことに思い切り没頭し、満足のいく生き方をしたいという強い気持ちを持っているかくれ繊細さんだからこそ、これまでに思った以上の結果が残せなくて悔しい思いをしたり、やりたいことに没頭できずに自分にがっかりしたり、自信を失っていると思います。
でも、あきらめる必要はありません!
 かくれ繊細さんは、元来努力家で、研究熱心です。だから、「やる」という覚悟が決まれば目標に向かって邁まい進しんし、没頭する自分を得ることができます。

 1人でも多くの方が、この本をきっかけに「やりたいこと」に建設的に取り組んでいただければ幸いです。

2022年4月                                                時田ひさ子

「はじめに」は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

この機会に、ぜひ、お手に取ってくださると嬉しいです。

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【書籍情報】『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』

好奇心旺盛なのに、やりたいことがわからない人へ――
かくれ繊細さん(HSS型HSP)専門カウンセラーが教える
かくれ繊細さんが一生楽しく生きるための自己理解メソッド

【もくじ】
第1章 もしかして「かくれ繊細さん」かも?
第2章 かくれ繊細さんに秘められた10個の才能
第3章 かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方
第4章 かくれ繊細さんが才能を発揮して活躍するコツ

【著者プロフィール】
時田ひさ子(ときた・ひさこ)
HSS型HSP専門心理カウンセラー。
HSP/HSS LABO代表。早稲田大学文学部心理学専修卒業。
繊細で凹みやすいと同時に好奇心旺盛なHSS型HSPへの
カウンセリングをのべ1万5000時間実施。講座受講生からのメール、
LINEのやりとりは月100時間以上。
かくれ繊細さんのオンラインコミュニティ主催。
臨床心理学、認知行動療法をはじめ、フォーカシング、
退行催眠、民間の手法まで、あらゆる心の扱い方について習得する。
著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』
(フォレスト出版)がある。
好奇心旺盛なのに、やりたいことがわからない人へ――
かくれ繊細さん(HSS型HSP)専門カウンセラーが教える
かくれ繊細さんが一生楽しく生きるための自己理解メソッド


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