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留学中の確定申告(Tax Return)について

確定申告(Tax Return)については、ロースクール等への留学中は基本的に無収入なのであまり気にしないと思いますが、OPT期間中に研修先から給料をもらう場合は年明けに確定申告行う必要が出てきます。人によっては、現地の税理士に依頼する方もいるでしょうが(特に、留学中も日本での収入があったりしてなんだか処理が複雑そうな人など)、自分で確定申告したい人に向けて、私の知っている情報を書いておこうと思います。私は税務は完全に素人なので、中身には立ち入らず、最低限の情報だけを記します。

今回のカバー写真は研修先の法律事務所のオフィスから見た景色です。ニューヨーク(マンハッタン)の街並みって、高いところから見ると本当にきれいですよね。日本で、ここまで高層階で働いたことはなかったので、テンションはあがりました。笑

Sprintax

F-1ビザ留学生でアメリカ内で収入を得ている方は、ほぼこれ一択になるのではないか、と思います(理由は後述)。Sprintaxは、Non-Resident Alien(F-1ビザ留学生はこれに当たるハズ)のための、自分で確定申告をするためのソフトウェアです。ライセンスは有償で、連邦税と州税の双方にそれぞれ課金する必要があります。必要書類をそろえ、表示される質問に答えて数字を記入していくだけで確定申告書類が完成します。

Sprintaxの良いところは、①連邦税と州税(少なくともNY州は含まれていました)の両方に対応しているところ、(連邦税限定ですが)電子申告ができるところ、の2つだと思います。特に②は、非常に有用です。なぜなら、(日本も同じですが)電子申告と紙による郵送申告とで、還付金の処理スピードが全然違うからです。僕の場合、連邦税は電子申告後2週間ほどで還付金が振り込まれました。

一方、Sprintaxも、州税に関しては電子申告ができず、SprintaxのTax adviserと少しのやり取りを行った上で書類を作成し、それを印刷したうえで州の税務署に郵送申告する、という形を取ります。数か月かかるとWebに書いてありましたが、僕の場合、一度追加書類の提出を求められたうえで(追加の書類をリクエストしてくる手紙は郵送で届きましたが、こちらからの提出はWebで可能でした)、還付まで約3か月を要しました。

確定申告書類の作成補助ソフトウェアは、Sprintax以外にも存在するのですが、私の把握する限り、Non-Resident Alien向けであり、かつ、電子申告に対応しているのはSprintaxだけではないかと思います(違ったら是非教えてください)。電子申告の便利さを考えると、やはりこのソフト一択かなと思うところです。
 なお、大学・ロースクールによっては、Sprintaxの割引コードを発行しているようです。是非確認してみてください。

Glacier Tax Prep

こちらも中身はSprintaxと同じように、自分で確定申告をするための、書類作成補助ソフトウェアです。私の場合、大学から(人数限定ではありましたが)Glacier Tax Prep (GTP) の無償ライセンスが配布されていたので、ちょっと使ってみました。

個人的な感想ですが、UIはGTPの方がわかりやすかったです。また、税務上の用語の説明も色々と書いてあって勉強になりました。ただ、非常に大きな欠点として、このソフトウェア上では連邦税の電子申告はできず、GTPで作成した書類を印刷・郵送申告しなければなりません。還付までに数か月かかり得ることを考えると(その間に帰国してしまうかもしれない)、有償であってもSprintaxに軍配が上がってしまうかな、と個人的には思いました。
 また、GTPは州税に対応していないのではないかと思います(参考ページ)。連邦税/州税共に郵送申告でもよい、という方は、(GTPが無償か安く使える前提ではありますが)GTPで連邦税+Sprintaxで州税、がもしかしたら一番安い選択肢になるのかも。

おわりに

日本の確定申告だって全然わからないのに、もっとわからないアメリカで確定申告するなんて……と思うところですが、源泉徴収される税金額を考えれば還付金は受け取りたいですし(研修開始当初、給与明細に記載された税金の額を見てひっくり返りました)、この歴史的な円安とインフレの中、少しでも手元のドルが増えるのはいいことですよね。この記事が参考になればと思います。

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