見出し画像

寄り添うって難しい


認知症ケアでは、本人の気持ちに寄り添うことが大切。って、これがなかなか難しい。寄り添っているつもりだけで実際には寄り添えていないことが多い。だって本人でなきゃ本当の気持ちなんて分からない。いや本人にさえ分かっていないかも。認知症でなくても、心のバランス崩れそうなことあるでしょ。つい塞ぎこんでしまう日もあるでしょ。

「仕舞っていた服が無くなった。また盗って!どこに持っていったん?」
もの盗られ妄想にも気持ちに寄り添った対応って、犯人扱いされて責められてるのに、どう共感すればいいのさ。以前は、泥棒呼ばわりされることに耐えられず、私自身のココロを守るために知らん顔することもあった。でも放置しておくと、怒り→哀しみに移行して心のダメージがますます大きくなり、症状が長引いてしまう。本人は言いたいことを言うだけでスッキリするらしいから、否定せず、反論せず、怒りがおさまるまで耐える。とにもかくにも耐えるのみ。

母自身、出来ないことや思い出せないことが増えてきたことを自覚していて「情けない」「バカになりよる」と落ち込む。みんなそんなもんよーって笑い飛ばしておく。まったく問題じゃないよ、大丈夫って。
モタモタしてても急かしちゃいけない。辛抱強く、ただひたすら待つ。せっかちな私はどうしてもイライラしてしまう。これも修行。おおらかな人になりましょう。

明け方まで探しものしていて、私が盗ったと思い込み不機嫌な朝でも、笑顔でおはようって声かけて、明るく接して、大好きなパンを用意したり、散歩に誘ったりしていると、だんだん母も笑顔になってくる。いつもどんなときもニコニコ笑顔を見せて安心させることが大事。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?