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母娘で台所仕事


夕食の支度は出来るだけ母にやってもらうことにしている。
時間はかかるし、火の取り扱いは心配だし、味もスゴいことになったりするけれど、食事の支度はお母さんの役割として担ってもらうことがプラスに作用すればいいなと思って。

午後8時を過ぎても、「お腹空いた~」と訴えても、なかなか取りかかってくれない日もあるけれど、ここで根負けして私がやってしまうと、ラクさを覚えて(他のことは忘れるのに)作ろうとしなくなるので我慢ガマン。「お母さんのおいしい煮物が食べたい」とかおだてて、その気にさせていくのだ。

最近は一人での調理スタートが至難の業となりつつある。
夕方4時過ぎくらいから冷蔵庫の食材をチェックし、レシピ箱(切り抜きやメモを入れている)からメニューを選び始めるも、6時頃まで何にしようかとつぶやきながら、レシピ箱を広げたテーブルと冷蔵庫の間を行ったり来たりしている。もちろん、この間放っておいたわけじゃない。一緒に献立を考えたり、あれこれ提案もして、すでに台所には切ったり茹でたりした数種類の野菜や肉が並んでいるんだけど、母の頭の中に”結論”が出てないのね。
「6時過ぎたよ~」って声をかけると、ようやく考えがまとまらないながらも鍋を取り出し始める。

料理上手な母だったが、数年前から手順や材料が分からなくなったとレシピ本に頼るようになった。今ではレシピ通りの調理も難しい。
「ブロッコリーってどれだっけ?」「みりん入れたっけ?」
見守っているだけでは手順通りに進まず、『しょうゆ大さじ1』が何度も繰り返されたりするので、料理教室の先生をアシストする助手役に扮し、隣に並んでサポートする。

母娘で台所に立てるシアワセな時間が、このまま永く続くことを願うばかりです。



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