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赤い服


母の『もの盗られ妄想』の被害品は、衣服とアクセサリーとお金。
この3つのいずれかが、ふとしたタイミングで気になり始め
仕舞った場所が分からなくなったり、処分したことを忘れていたりで
「○○が無くなった!」
「どこに持っていった!?」
「どうして勝手に盗るの!!」
顔つきを変え、私に疑いの目を向ける母。
認知症を発症するまで見せたことのなかったに満ちた表情。
初めのうちは、そんな母の姿がショックだったなぁ~

この3~4日続いていた探し物は“赤い服”
アイテムは定かでないけど、羽織りものらしい。
タンスの中からあれこれ赤いものを取り出して確認するが「それじゃない」
どんなの?って尋ねても「覚えてない」
そう、いつも何かが無くなるけど、それが具体的に何かは分からない。
存在しないかもしれないものを一緒に探す日々。

そして今日。
デパートで買い物ついでに見つけたルビー色のカシミヤカーディガン。
たまたま似合いそうな色に出会ったからとプレゼントしたら大喜びの母。
機嫌良くしゃべりだした。
どうやら通っているデイサービスに、いつも赤い服を着てくる利用者が居て
赤が似合うとよく言われる母も、負けじと“赤い服”を着て行ってたらしい。
それで、他にもまだあったと思いこんでる“赤い服”を探していた!?
妄想中は、怒り哀しみ不安いろんな感情で不安定になっていて
なぜソレを探しているのか言わないし、分かってもいないかもしれないけど
今回の“赤い服”探しは『もの盗られ妄想』への対応ヒントになった。

身近な介護者の言動は、認知症の進行にかなり影響を与えると思う。
怒らない
急かさない
イライラしない

泥棒扱いされても反論しちゃダメ。
こっちも怒ったら、母にはイヤな心情しか残らないから。

探しものが見つからなくても、また怒られると思って言わずに我慢する
→不満がどんどん募って、そのストレスが脳に悪影響を及ぼす
→認知機能が低下して、さらに症状が悪化する

難しいけど、いつも穏やかなココロと笑顔で接しましょう。





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