【ゼルダ・ティアキン】欲しいものがあるなら取りに行け!
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム。
まだプレイ時間は少ない。
なにしろ稼働三日目である。
しかし私は早くも学ばされた。
ティアキンの世界で、私は日が暮れそうなのを気にしながら池のほとりで途方に暮れていた。
日が暮れそう。
途方に暮れる。
なんてこった!
途方に暮れていた理由は、今後の食糧事情を憂えてのことである。
りんごやきのこの料理は持っている。
しかしこの程度の手持ちで足りるのか。
そもそも料理の日持ちはどんなものなのか。
大事に取っておいて腐ってたらどうしよう。
リンクは腹痛をおこした…とかってなったら悲しい。
さて途方に暮れていた私の視線の先で、何か大きなモノが動いた。
獲物!
手に入れたばかりの弓をつがえる。
しかし我がことながら、どこに狙いを定めているのかイマイチよく分からない。
焦ってやみくもに攻撃しまくって、結局逃げられた。
その後は、夕日に照らされてキラリと光る矢を拾いに歩き回った。
でもさ。
上出来じゃない?
ダチョウのような生き物を見かけて、すぐに獲物だと判断したこと。
獲物を見るなり弓をつがえたこと。
だって私、初めての冒険だよ?
初心者 オブ 初心者だよ?
そういうわけで、残念ながら肉にはありつけなかった。
しかし今後、お腹が減るだろう。
食料を効率よく手に入れられるようにならないといけない。
なんとこの私。
今はゼルダの伝説の世界に暮らしているけれど、ずっと前に牧場物語の世界に暮らしていたことがある。
牧場の世界ではお腹が空いたのを放置していてはいけなかった。
目を回して倒れてしまうのだ。
そしてお医者さんのところへ運ばれて、みっちりこってり叱られるのである。
何度怒られても、うっかり目を回し、お医者さんから大目玉を食らった私。
牧場の世界の次に転生した、あつまれどうぶつの森の世界では、おかあさんからリンゴが送られてきた時に慌ててガッツガツ食べた。
一応書いておくと、私が暮らしていた島に自生していたのはミカンである。
目を回してたぬきの元に運ばれるのはイヤだと思った私は、送られてきたリンゴをすべて一気に食べた。
一度に5つもリンゴを食べてもお腹を壊すこともなく、すこぶる元気で逆に力がわいてきたのが不思議だった。
さすがリンゴは身体にいいといわれるだけある。
数日後、島民のジュンくんからサクランボを3つほどプレゼントされた。
これがどういうことか、今の私には分かる。
しかし当時は何も知らなかったのだ。
無知とは、罪なり。
そんなこんなでゼルダ世界に転生している現在の私。
食糧事情にはたいへん神経質である。
食べるべきか。
食べざるべきか。
それが問題だ。
しかしいずれにせよ、食料を増やすことは良いことに違いない。
ぜひとも増やしておきたい。
そんなことを考えながら日もとっぷり暮れた池を眺めていると、ばちゃばちゃ水音が聞こえる。
獲物!
またしても私は戦闘態勢に(、しかし気分だけで態勢に)入った。
しかし釣り竿がないのだ。
魚が釣れない。
あきらめて私は現実世界にいったん戻った。
現実世界では目の前に息子がいた。
彼はマイクラに余念がなさそうだったが、私は気にせずコトの顛末を話した。
「魚欲しい~。食料!」
「なんで諦めたの?」
「だって釣り竿ないんだよ。それに魚、遠いし。木の棒と弓しかないよ~」
彼はマイクラから顔を上げることなく言う。
「弓でいいじゃん」
「えーーーーー」
魚は釣り竿で釣り竿で釣らねばならないだろう、やはり。
だって牧場物語もあつ森も釣り竿必須だもん。
しかしそうではなかったのだ。
少なくともゼルダの世界は。
ふたたびゼルダ世界に入った私は、魚が一度に3匹もばちゃばちゃしている池の前で弓をつがえた。
落ち着いて操作すると、どこを狙えばいいのかも分かった。
そしてまもなく魚を、なんと4匹も捕まえたのだ。
弓で魚を4匹。
私、すごくない?
初心者だよ?
くふっ。
池の中を歩いて、矢を回収してまわっていると、そばに魚がいる。
私は反射的にむんず!と捕まえたらしい。
あんまり記憶にない。
気づくとたぶん素手で2匹も捕まえていた。
おおーう。
すごっ。
やれば出来るじゃないの。
なんで釣り竿がないくらいで諦めたのだ。
息子の言うとおりである。
なんで諦めたんだ。
欲しいものがあるなら。
取りに行け!
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