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アメリカ珍旅行記 英語を全く話せない男が一人旅でアメリカに行った話(2)

前回の話

クスクスしてはいたものの何かと優しいCAさんにドキッとしながら無事にロサンゼルスの空港に到着した。
初めてのアメリカを感じる暇もなく、降りて行った人に続いて僕も歩く。
歩く、、歩く、、、歩く。。。。

遠い。

荷物を回収したい僕はどこに向かっているのかも分からないこの列について来たことは懸けでした。
ただひたすら歩き続けていると前の方に一人の日本人を発見した。

ハロー、ジャパニーズ、ワタシ、ジャパニーズ!

日本人に対して謎英語で話しかけた間抜けな僕だが、その日本人はとても親切にいろいろと教えてくれた。

この列が入国審査の場所に行く列だという事
荷物はその後だという事
空港がめちゃくちゃ広いという事
彼が出張でアメリカへ来たという事
彼が痔だという事

色々な話をしながら入国審査がやってきた。

とても優しそうな女性のところへ彼と一緒に並んだ。
先に行く?と言ってくれたが僕は後にしてもらった。
すると隣の列の怖いおじさんが僕に向かって手招きをした。

「こっちへこい、小僧」
英語なので何と言っているか分からないが、顔はそう言っていた。
無視してみたが、残念ながら誘導された。
凄く怒っているように見えるが、実は優しいというのを期待しながらパスポートと航空券を手渡した。

早口の英語で僕を怒っているように見えるおじさんは僕に向けて色々な質問をしてきた。
何を言っているか全く理解できない僕は「地球の歩き方」の入国審査編で覚えた記憶を頼りに用意した英語を答えた。
おじさんは相変わらず怒っているのでどうやら答えは間違えたようだ。
ぱーどぅん?ぱーどぅん?僕は英語を聞き取るのを諦めた。そしておじさんはキレた。
僕は滞在期間、目的は観光ということ、日本での仕事、そのあたりの情報を覚えておいた英語で必死に伝えた。

おじさんは何かを喋りながら親指を立てた。👍
ようやく終わったと思い、おじさんに向けて親指を立てその場を離れようとするとおじさんがまたも怒った様子で僕を止めた。
おじさんのジェスチャーをみると、どうやら指紋をとるのを忘れていたようだ。
おじさんの動きによる指示通りに指紋を取り終えて僕はその場を離れた。
日本人のお兄さんは退屈そうに、そして心配そうな顔をしながら僕を待っていてくれた。

こうして僕は何事もなく入国審査を終えた。

続く


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