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本を旅する

佐々木陽菜、日髙葵、吉田凜之介、美田翼、浅野耕平の5名による共同制作作品「絵そらごと文庫」。テーブルの上に置かれた1冊の文庫本。ページをめくり物語を読み進めるように、本に手を差し伸べる度に世界が変化し動き出します。

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この作品は、日本出版販売株式会社(日販)さんと共に、書店でのインタラクティブ作品の活用について取り組んだプロジェクトの中で生まれた作品です。今回の展示では、六本木にある話題の書店「文喫」店内で2020年3月に展示させて頂いた4作品を1つにまとめ、再構成しました。
このプロジェクトでの私の役割は主に企画プロデュース、テクニカルアドバイスといったところで、コンテンツはメンバー4人がそれぞれ担当し、前述の通り、4つの作品で構成されています。

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この作品ができあがるまでには、幾つかのバージョンがあります。初めはまず本とは何かというディスカッションから始まり、並行してテクニカルな面で、書店店頭という、ある種のパブリックスペースに展示することの制約をクリアするために、様々な試行錯誤を繰り返しました。
具体的な問題としては、暗転させることができない場所で、天井も自由に使えないという環境で、ある程度高輝度のプロジェクタを使ったプロジェクションマッピングをどのように行うかということがテクニカルな面での大きなテーマの一つでした。
コンテンツ制作では、文喫店頭での展示に向けて学生メンバーがモチーフとなる本を選書し、それぞれ3冊の本をモチーフに1つのインタラクティブ作品を制作しました。ただ作品を創るというだけでなく、書籍を手に取ってもらうためにインタラクティブ作品をどう位置づけるかということについて、文喫スタッフの方や、ブックディレクターと議論を重ねました。

今回の展示では、選書した書籍は展示していませんが、この作品を体験することで何か1冊の本を思い浮かべたり、書店で普段は気にとめない本に意識が向くといった、本との繋がりがうまれると嬉しいです。

このプロジェクトに関わるまでこんなに本について考えることがなかったように思います。メンバーとの話し合いの中で妙に印象に残っている問いがあります。「巻物は本だろうか・・・」あなたはどう思われますか?

※写真は過去の展示風景です。
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あさのこうへい「あそぶミュージアム 旅する光の世界」
2020年09月01日(火)〜2020年10月18日(日)
http://www.earthplaza.jp/event/20200901asano/

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