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2023年9月に読んで良かった作品

新作読んでないことに気づいて、昨日今日で話題作読みました。

  • 大白小蟹「うみべのストーブ」

  • トマトスープ「奸臣スムバト」

  • 甘井最鹿「走り出す花びら」

大白小蟹は路草webでの「みどりちゃん、あのね」がとても良かったのですが、親戚が集まったときに働いているのは女性でどうのこうの、田舎ってば~という作品は9月にバズった鳥トマト「東京最低最悪最高!」もそういう面があるんですが、正直あまり気が進まないジャンルです。
というのは、9月でtwitter(現X)を始めて14年経ったのですが、最初衝撃だったのは、女性を取り巻く社会の状況がもう還暦を過ぎた自分のころと何ら変わっていなかったこと。北の大地出身で出版→フリーランスなのであまり気にしないで過ごしてきたこともあり、「何じゃこりゃぁ」だったのです。
ここ数年でかなり意識が変わってきた感じはありますが、それでも1986年からずっと、田舎に行くと女たちは働かされて~みたいな話を読み続けて死んでいくのか…という気持ちなんですね。
「みどりちゃん、あのね」は令和5年らしい展開になっているので、今後も期待したい連載です。あと路草webは作品がどれも素晴らしい。
で、「うみべのストーブ」はネタバレすると、ストーブが話します。「大丈夫倶楽部」や「クジマ歌えば家ほろろ」みたいな性別のない話し手、しかも無機物。面白いです。で、作品の最後に短歌があるんですがこれがとっても上手いとわたしは思います。

「奸臣スムバト」はウィングス連載です。ウィングスとトマトスープ、何という座りの良さ。で、「奸臣」って文字生まれて初めて入力しますが心躍ります。ジョージアとアルメニアの話だし、もうときめきしかありません。

今月のフィーヤン発売日の後、「ざわ…ざわ...」という感じで評判が伝わってきた、甘井最鹿「走り出す花びら」。中国の方が描いていますが、達者でひっくり返ります。キャラもちょっと谷川史子先生みたいでかわいい。内容は留学生の日本生活ですが、日本の不便なところってこういうところか! というのがわかります。サービス、生活の分野では欧米に比べたら天国! みたいな話をいつも見聞きしているので新鮮です。

※写真は温泉旅館の風呂タイル。古いので1個ずつ色が違う。


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