創作【詩】 窓
わたくしが長年
あつかひあぐねていた
自分といふものを
ここへ預けてゆきたい
と
思ふ
鉢に植ゑられた花々や
ひっそりこちらを睨むサボテン
さふいった立派なものに劣りはするが
ガラス戸に背をついて
それっきり
動けなくなってしまった
あゝ まことにあつかひにくく
各所に頭を垂れたいほどだが
それでもわたくしは
ここへ預かりたい
と
思ふ
空の泣く日は
皆々様に代わって
じっと雨粒に打たれますから
日照りの昼は
皆々様の日除けに
きっとなってみせますから
あゝ
安心だ
ここへ居ると
窓は
開け放たれております
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