「発達障害者の本」ではなく「あおさんの本」、しかも5年前の
『ボクの彼女は発達障害』シリーズです
今更ですが、超ーー今更ですが買いました!
漫画が載ってて、くらげさんの文章が平易で読みやすかったのもあってすぐ読んでしまいました。
あおさんへの愛と、バタバタしながらも生き残っていきますよ! という感じが伝わってきて面白いです。
あとあおさんの一人称「おいら」が高校時代の同級生(女子)を思い出す。
可愛い一人称。
(こんなクッソふざけたことしようとしたけど、結局夢中になってたのでBGMはかけませんでした)
当事者が読んで何になるのか?
『ボクの彼女は発達障害』シリーズ。
これはいわゆる当事者本で、主に発達障害のことを知らない方向けに「知識への入り口」として書かれたところがあるのですが。
あくまでも載っているのはその本に書かれている当事者のことであり、発達障害者すべてに当てはまるものではないのです。
悪く言ってしまえばこういう類はみんな「俺(またはパートナー)のトリセツ」でしかない。
それでも僕が読む……しかも自分も同じ障害者なのに?
というのは、発達障害の個人差ってどうなんだろうと知るためであり、個人差がありつつも共通するとこがあるから「発達障害」とくくられるのだろう、と感じるからです。
くらげさん&あおさんは幸せですね!
全体的な印象。
あおさん明らかに僕より障害が重い。
確かに「自分ルールに縛られる」とか「会話のドッジボール化」「締め切りまで全力疾走して乗り切る→疲れる」など、生きづらさでの共通項はあるのだけど。
自分なら小学生の頃に経験して何とか解決しているようなことでも、大人のあおさん(当時)が苦しんでいる……!(アナログ時計が読めない、のくだりとか)と思いました。
これでも成人するまで障害の診断が降りないってことがあるのですね。
こういうのも地域差とか、生まれ育った年代の違いのせいであったりするんでしょうかね。
やっぱり自分とあおさんでは色々と個人差がありすぎる。
自分なら全部気づかないふりをしてたか、気づいていても「これが世の中の決まりだから」「マナーだから」とずっと我慢をして乗り切ってきたことに対しても、あおさんの方がより辛く感じやすいのだなぁと。
感覚過敏なんていうのもそうですね。
15年前の僕だったらイヤーマフなんかなくてもアニメイトにずっと居座っていられましたからね……(※今は無理です)
いやぁ、しかしこれは……うーん。
これはですねぇ、くらげさんがもし「女らしくない女なんて嫌だ! 女ってのは髪を伸ばしたりスカート履いたりフリルが好きだったりする生き物なんだろ!?」というこだわりの強い方だったら間違いなく破局してましたね……
そこはもう、今までの経験とお人柄によるところが大きいと思います。
自分はジェンダーへのこだわりが病的すぎるのだなぁと改めて自覚。
色々勉強になりました。
正直羨ましいです。
お二人が本当にしんどくて死にそう! という様を目の当たりにしてないから、こんな呑気なことを言ってしまうのですが。
すみません。
だってこの、みっちり書かれた「台風での生き残り記録」も傍から見てるってだけなんですもんね、僕は。
でも……でもね、下手したら恨めしいと思うであろうお二人の生活環境を羨ましい、と言えるようになっただけ自分を褒めよう。
よかったら他の方も褒めてください!
「障害者の人生の良し悪しは才能と運次第」でいいのか?
といいますのも、発達障害者の間で実はとうとう揉めているのです。
たとえば「女は結婚できりゃいいんだからイージーだよなぁ」(キモくてカネのない「障害持ちの」おっさん問題)とか、「天才でないし、努力する気力もない奴は駄目なのか?」(発達障害ブームの影響)等々。
必ずしもパートナーがいて、結婚していることが幸せとは限らないのですが、現状では「生きづらさを軽減して生きてる当事者のロールモデル」のバリエーションが少ないです。
「人の縁に恵まれた、『生きづらいから助けてくれ』と言える当事者」か否かによって生活が大きく変わってしまうものです。
(この記事でも少し言及しましたが、ホームレスや長期引きこもりの中には、発達障害者や精神障害者、知的障害者も少なからず含まれているとされています)
福祉サービスの地域格差も明らかであって、そこは当事者が文句を言う程度じゃどうにもならないのですよね。
たとえば就労支援の質。
悪しきA型、と称されて一時期テレビ番組で特集組まれてましたけど、地方にはまだああいった施設は残っていて、いつまでも求人ページに名前が載ってたりします。
就労以外の道を選ぶにしても、地域活動支援センターがまともに機能していないとか、デイケアはあるけど逆に言えばそこしかない、などといった状況もあって、地方暮らしの場合は結構しんどいです。
少なくとも僕は。
地方の障害者支援にしてはだいぶまともで、その恩恵を受けているはずなのに。
その「運によりすぎる」ところをどうすべきかというのはいい加減みんな考えるべき段階ではあるので、当事者がSNS等で声を上げることによって専門家の目に止まることを願います。
書籍を出せるほどの人ってまずいませんから。
障害者にも色々いるよ、はもういい加減テレビでも散々やってきたことです。
その次の「生きづらさを解消する具体的な対策」が要るのです。
※大体5年前の本の感想書いてたの
そんなわけで……?
みんな台風でぐったりしている中、無責任に「3巻ください!」と言える立場でもないので、こちらも宣伝しときます!
現在のくらげさんは寺島ヒロさんとのマガジンを更新しております!
連載200回突破も夢じゃない……!?
ご興味のある方はぜひ。
ものすごい勢いで読んでその興奮で眠れなくなって書いたダメダメnoteは以上です!
いやぁ、自己管理したいけど……好きなことを制限するのは結構苦しいです。
ではまた別の記事にてお会いしましょう。