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『Division Point』 その3 (未映像化台本)

28.翌日の昼間。砂漠。ジョーイ達のトラック停車している。
 デンタ「なぁ〜に」
 
29.トラックの荷台。荷台の床に直に座って、三人で食事中。何とかサンドやドックとビール。
 デンタ「を言ってんだ! ジフったら、30人はいるならず物の集団だぞ! そんな奴等と事を構えられっか!」
 「ほ〜〜」と、聞いてたジョーイ、こそっと「ほんとにそんなにいるのか?」
 デンタ、ビールを口に運びながら「嘘・・・」
 アリエール「あたしが聞いたところじゃ、15人程のグループって話だけど」
 デンタ「あら・・・」
 ジョーイ「そう・・・?」
 ジョーイ「どっちにしたってさ、居場所も判んないのにどうやって。いや、いや。大体、何であんたの為に・・・」
 アリエール、ジョーイの襟元を掴みグイッと引き寄せる。
 アリエール、激しく「何言ってんの!あんた達の所為でクビになりそうだからでしょーっ!」
 極接近の二人の顔。
 ジョーイ、何でかチュッ。
 アリエール「・・・!」
 ジョーイ、何だか余裕の微笑みをする。
 アリエール、ジョーイをブッ飛ばす。
 アリエール「全く、この星の男達ときたら・・・女と見りゃ飲み屋の女か売春婦くらいにしか思ってやしないんだから・・・!」
 ジョーイ「だって実際そうだし。こんな星に好き好んで来る女なんて訳有りに決まってる。少ないし」
 アリエール「あたしはね! そういうのにはもう飽き飽きしてんのよ! ストリッパーから足を洗ってやっと今の職に着いたんだから」
 デンタ、急に隣に来ている。赤い顔して、「へー? そーなの。ふ〜ん。そう」
 アリエール「何て顔してんのよ!」(真っ赤)
 デンタ「いや〜」
 アリエール「何。何だっつーの」
 デンタ「見た覚え無くってさぁ。えへへ」
 アリエール「別の街でやってたの!」
 ジョーイ、横目に「いいトシこいて何赤くなってんだか」
 デンタ、アリエール「ん?」と睨む。
 ジョーイ、上空に目を逸らし「いや、何でもないんすよ」
 ジョーイ、目を逸らした先を仰ぎ見て、「ん?」
         ※              ※       
 ちょい離れた上空をこちらへ飛行船が向かってくる。
 ジョーイ(off)「飛行船だ・・・・」 
         ※              ※       
 アリエール「通信中継用のじゃない。別に珍しくもない」
 デンタ「通信の為のだったの? あれ」
 アリエール「衛星打ち上げるより安上がりだからって飛ばしてるの知らないの?」
 ジョーイ、尚も仰ぎ見ながら「知ってるけど・・・」
 デンタ「あっ!きったねぇ!」
 ジョーイ「何だか降りて来てないか?」
 アリエール「えっ?」
         ※              ※       
 結構降下して来た飛行船。
 スピーカーの声「君等、運送会社の人等でっか?」
         ※              ※       
 デンタ「ん? ドメストの追手か?」
 ジョーイ「あ。身元がバレちゃってたか?」
 アリエール「げっ!」
 と、ババッと身構える。
         ※              ※       
 飛行船。
 スピーカーの声「慌てとりますよ! ビンゴみたいですわ! 課長、こっち来て見て貰えますかー。」
 スピーカーから課長の声「えっ!? 何でボクやねん! やめてーな。」
 スピーカーの声「せやかて今日、支局長も部長もいてへんですやん」
 スピーカーから課長の声「えー、ホンマかいなー」とブツブツ。
         ※              ※       
 トラック。
 デンタ「・・・・何やねん」
 ジョーイ「・・・・ドメストと違うのかな?」
 デンタ、ふと後ろを見ると、アリエールがうずくまって小さくなって物陰に隠れている。
 デンタ「ええと・・・? 何しとん・・・?」
 アリエール、声も出せない感じ。必死で手をひらひら(ダメダメ)の仕草をする。
 デンタ「はあ?」
 スピーカーからの課長の声(off)「これでええんか?」に、ジョーイ、デンタ、上空を仰ぐ。
         ※              ※       
 飛行船のフロントのモニター・スクリーンに課長の顔が出る。
 課長「あー。ブライト保険会社南西支局の営業一課課長のサニー・ボンゆうもんですねん。御社の地域も管轄しとりまして」
         ※              ※       
 トラック。
 課長の声(off)「いつもアリエールがお世話になっとりますー」
 ジョーイ、デンタ、うずくまっているアリエールを見る。
 さっきのスピーカーの声(off)「課長、課長! ビシーッとゆぅたって下さいな!」
 課長の声(off)「ああ。そうか・・?」
 アリエール、二人に「助けてー・・・」
 ジョーイ「あ? 何が?」
 アリエール「あたし、ブツを盗まれた事会社に報告してないの・・・・黙って出てきてんのよ」
         ※              ※       
 飛行船。
 モニターの課長「ゴホン!(咳払い)あんたら、ブルーダイヤ持ち逃げしたやろ。悪いこと言わへんから返してーな。ウチ、保険金払いとうないねん」
         ※              ※         
 トラック。
 デンタ「あんなんゆぅとりまっせ」
 ジョーイ「うっそーん」
 アリエール「考える事は皆んな一緒なのよ。ね、逃げようよぉ」
 課長の声(off)「ワテ等もこんなん本社にバレたくないねん。サラリーマンの辛いとこや。そこんところを汲んで。な? 頼んますわ」
 (なんて言葉はもう聞いてなく会話している三人。)
 ジョーイ、アリエールに「あんた言って聞かせて帰らせろよ」
 アリエール「出れる訳ないでしょーっ! あたしの上司なんだから!」
 デンタ「何でよ。だから言ってんじゃんか」
 アリエール「グルだと思われたらどーすんの! クビになるでしょー! 絶対ヤダ!」
         ※              ※
 飛行船
 モニターの課長、急にキレて「聞いたらんかい! こら〜!」
         ※              ※
 見上げる三人。
         ※              ※
 モニターの課長「どうしても返さへんゆうなら、位置は確認出来てるさかいな、実力行使に訴えるで! 武装ヘリやら何やらよこすで! ホンマやで!」
         ※              ※
 トレーラー。 
 ジョーイ「おい。あんたの会社ってどんなんなんだ?」
 アリエール「逃げようってのにー!」
 課長の声(off)「お前等聞いとんのかいっちゅうの! 殺(いわ)すど、ワレ! こんボケ! クソカス!」
 デンタ「無理だって。あっちの方が早いに決まってんじゃねぇか」
 アリエール「う〜〜〜っ・・・!」
 アリエール、急に荷台の上の木箱とかを漁る。
 デンタ「何だ何だ?」
 アリエール、荷台の中からバズーカを手に取る。
 ジョーイ、デンタ「!」
 荷台の縁で飛行船に向かってバズーカ構えるアリエール。
 デンタ「やっ、やめろよ、やめなさいよ!」
 ジョーイ「ヘリウムガス満杯の飛行船なんだぞ!」
 アリエール「うるさ〜い!」
 アリエール、ググ・・と引き金を絞る。
 (背後の二人、後ろの方迄下がっている。
 (デンタ「やめなさーい!」
 (ジョーイ「ボーンと行くぞー!ボーン!」
         ※              ※
 飛行船。
 突然、飛行船が爆発。
 課長「ゴンタレが・・・・!」と、声もブチ切れる。
         ※              ※
 トラック。
 三人、爆発に目を見張る。

(続く)

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