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飛行機慣れしている私が新幹線で思うこと

生まれ育ちが北海道で、お盆は親元の実家である本州に帰省することが多かったので、飛行機に乗り慣れています。
乗ったことないという方に出会うと、なんや怖い乗り物らしいんですが、全然なんてことはないですよ。そりゃ私もいまだにあの重い塊がどうして空を飛べるのかは疑問ですが(知識として知っても体感的には信じられない)、事故率も低いし安全快適な乗り物だと思っています。

上京しても金銭的余裕がなく夜行バスにお世話になっていた身としては、いまだ新幹線は乗るたびにわくわくどきどきするもの。
実は先日、たまたま新幹線に乗る用事が重なり、二往復ほどしてきました。

東京駅で改札を抜け、ホームに停車していた新幹線に乗り込む。
指定席だったので自分の席を探して座る。

座ってまずはシートベルト……シートベルト……あれ?
新幹線ってシートベルトないんですね?
走行中は危ないので着席している間は常に……みたいなアナウンスもないんですね??

ないシートベルト探す私を尻目に隣のパートナーは、さっさとリクライニング倒して前の席についているテーブルを出すなり買ってきたお茶と駅弁を広げる。
え、まだ出発前やんか。座席のテーブルは離陸して飛行が安定するまで出したらいかんねんで。座席もまだ倒したらあかんねんで。(狼狽のあまり飛び出るエセ関西弁)
え、新幹線て出発前からテーブル出していいの? リクライニングも倒し放題? ほんと?

「いいの?」「当たり前やん」のやりとりを何度かしているうちに何の前触れもなく、静かに滑り出す車窓。おおお、いつのまにか出発しているではありませんか。
エンジン音はどこいったん??

……とまあ、慣れないことづくしできょろきょろする私に知らん顔でぬるっと新幹線は走りだし、あっという間にいくつもの県をまたいで行くのでした。

そう、この「気づいたら△△県」という感覚も道民には慣れないもの。
海を越えない限り決して他県に踏み入ることのできない北海道民にとって、陸を走ってたら県が変わりました、みたいな感覚はいつまでも新鮮。
静岡や愛知に入り「県越えた〜!」とはしゃぐ私にパートナーは一言、「あんたいつも神奈川や埼玉にも電車で入ってるやろ」。確かにそれはそうなんですけども。

あと富士山は何度見てもきれいです。

駅弁食べて、寝落ちして、気づけば目的地。
この、駅に停車している時間の短さもなんだか新幹線って感じ(どんな?)。
まだ減速もしていないうちから荷物をまとめ、忘れ物をチェック。止まってから席を立とうものなら私の場合絶対もたつくので、もうすぐ着くぞってあたりから立ち上がってドアのほうへ。
……こんなこと飛行機じゃ絶対できないぞ! 飛行機は機体が完全に止まるまで待たなきゃいけないのだから。

と、いろいろなことに感動しつつ、目的地のホームに降り立つ。
感慨にふけっているうちに、私が乗っていた新幹線はさっさと次の駅に向かって出発してしまう。

預けた荷物をターンテーブル前で待たなきゃいけないこともなく、流れるように旅の続きへ。

飛行機も飛行機で好きなのですけど、新幹線のこの、地続きならではの手軽さ。何度乗っても嘆息します。テクノロジーってすごい。

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