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"アドリブ"でオペラはできるのか?

今回のサムネイルはアレーナ・ディ・ヴェローナで初めて観たオペラ La traviata(椿姫) のセットの写真です。


アドリブオペラってなぁに!?

↑最近たびたび声をかけてもらえるのがこちらのお話。

それも「なにをしでかすつもり!?」というニュアンスです。笑

これは2021年3月に2度公演するオペラ団体名です。

私はそのうち3/10の椿姫にフローラ役で出演します。


コンセプトはお名前の通り【アドリブでオペラをすること】。

通常音楽だけの稽古・演技つきの稽古・オーケストラとの合わせ・衣装をつけて・何度か通す・全て本番通りのリハーサルなど

さまざまな準備を情報や解釈の共有をして落とし込んではじめて公演をむかえますが

お察しの通り今回は一回勝負。笑

おそらく同業の方であればここまで聞くだけで多少青くなれる企画ですが、すでにシリーズ化しようとしております。


もちろん各自が万全で臨むつもりではありますが

何か起こればそれすら見せ物になるという、ドキドキハラハラのイベント。


なんというか…

スポーツの試合を観るような感覚でご覧いただければなと思っております。

(ライブ配信などの情報は最後にのせます。)


(追記:といいつつ、よく考えたらチームの練習ってありますよね…by元ラグビー部のわたし)


"期待できる"ハプニング

本来ならば指揮者や演出家が建築家やデザイナーのようにテンポや表現、そして動きの導線の大切な点を共通認識として与えてくれますが今回はそれすらありません。

私が今思いつく限りでは

・複数ある入り口のうち、入ったところから話しかけたい役の人が遠すぎて焦る

・普段より色々なところに神経をもっていかれるためにうっかりセリフ(歌詞)もアドリブになってしまう(避けたい…)

・zoomで会議をしたものの、ほとんどお会いしたことのなかった歌手の方といきなり本番なので舞台メイクにより一瞬誰が誰だかわからなくなる。笑

・ライブ配信&アーカイブの映像を撮影する人もカメリハはもちろんないので、フレームアウトする?!(きっと対策はしてくれているはずだが…)

などなどのリスクが考えられます。笑

逆にこの公演の良い点もありますし、そのほかのリスクもあるかもしれませんので(笑)、

そのあたりは2/13土曜の20:00に、同公演の関係者何人かとお話を #clubhouse にてお話したいと思います♪

ご興味のある方がいればどなたさまも大歓迎ですのでよかったらふらりとのぞきに来てください。出入り自由です。


本当にこの会でお話するのが2回目の演者がいたりとかして、ここでも私たちの生のコミュニケーションをみていただけるかと思います。笑

オペラが好きから!とかだけでなく、ちょっといい喋り声の人たちのざわざわを子守唄がわりにしたいような方も大歓迎です。

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▲リンクはこちら▲


イタリアでもよくある急なオファー


さて、今回のオファーは突然電話でやってきました。

「山田さん、覚えてますか?歌ってくれませんか?」

数年前一度だけミラノでお会いした主催者からの電話。

もちろん覚えてはいたけれど思い出してもらって嬉しい気持ちと、山田さんって久しぶりに呼ばれたなぁという気持ちと、なにより

ひょうひょうとすごいことをいいだすなぁ、この日本で。

という気持ちが正直入り混じっていました。笑

でもなんだろう、NOといいたくないこのかんじ。

というのも、イタリアではときどきギリギリすぎるオファーをもらって当日リハーサル、本番ということはまぁまぁあるのです。

突然のオファーというのは普段は行かないような町であることもおおく、交通機関や宿について調べてそこに無事に着けるかハラハラしたり…ということも込みでした。

それに比べたら…たぶん…遅延の少ない日本で日帰りできる場所だから…大丈夫…でしょう。。と願います。笑


そして同時にもう一つ、思い出した出来事…

それは2019年のミラノ・スカラ座のLa traviataでFloraを演じていた歌手と、音楽スタジオでばったり出会って立ち話していたときのことです。


「稽古が少なすぎて本番のハラハラドキドキが止まらない。

一公演やって見えたものもたくさんある。」

3大劇場の1つである場所、そしてオペラの聖地であるイタリア・スカラ座でもそうなのか…大変だねぇ。。

その時はそんなふうに話していました。

そして今回同じ役をノーリハで演じることになるとは。。。運命のいたずらとしか思えない。。

でも、わたしだけではなくみんな、顔合わせをzoomでした時からなんだかちょっと嬉しそうなんです。


コロナ禍でみんな手探りだった

さまざまな業種で働き方がかわった人がいると思います。その中で季節は2周目をむかえます。

その中で何ができるかずっと考えてきた方、たくさんいらっしゃるのだと思います。

勇気を出しても形になるものならないものがあるところを何度も見てきました。

でもそこに優劣はありません
なるようになるしなるようにしかならない"瞬間"もある。

だからこそこうしてお知らせできるということがとても嬉しいし、一緒に歩もうと声をかけてもらえることは本当に幸せなことなのです。

この一年強、いつも思ってきたことは
それぞれの安心の上の楽しみなのだということ。

それでいて、安心も楽しみも現代においてはなくてはならないものなのだなと、改めて思うこの頃です。

それを証明するかのように、観るよ、と言ってくださる方がいること、とてもありがたいなと改めて感じております。

きっと演者それぞれが、今までにない表現をみつけるのではないかなという予感がしています。


もしもピンときてくださった方がいらっしゃれば、とても嬉しいです。



アドリブオペラ 「LA TRAVIATA」情報(フローラ役出演)

"稽古なし! リハーサルなし! ぶっつけ本番オペラ!!

アドリブだからこその面白さ。
演奏者の集中力とポテンシャルが本番の舞台の中で最大限に引き出される。

その名も「アドリブオペラプロジェクト」。

オペラを上演するには通常、沢山の量の稽古を必要とする。
それを歌手たちのインスピレーションと経験でカバーする新しいオペラの形。

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出演
ヴィオレッタ 舘野真由花
アルフレード 濱田翔
ジェルモン 飯塚学
アンニーナ 神田沙央理
フローラ 山田麻美
グランヴィル医師 高橋雄一郎
ガストン 渡辺大
マルケーゼ 戸村優希

合唱ソプラノ 杉山紗英  東美奈子

ピアニスト 伊坪淑子


曲目・演目
パリの高級娼婦ヴィオレッタは、富豪の息子アルフレードからの求愛にためらいながらも、真摯な愛に心を開く。2人は郊外で一緒に暮らすが、アルフレードの父ジェルモンがヴィオレッタを訪れ、自分の娘の縁談のためにもこの二人の関係を終わらせるよう頼む。ヴィオレッタは、アルフレードへの愛のためにつらい気持ちをこらえて同意し、一方的な別れの手紙を残して去る。これを裏切りととらえたアルフレードは、夜会にかつてのパトロンと現れたヴィオレッタを罵倒する。時が経ち、肺病の進んだヴィオレッタのもとに父から全てを聞いたアルフレードがやって来て、二人は再会を喜び、互いへの愛を確かめ合う。しかし、時すでに遅くヴィオレッタは息絶える。


・配信チケット(受付2021/1/30(土)10:00〜2021/3/16(火)10:00)

■興 行 名:アドリブオペラプロジェクト
 『椿姫』 【Streaming+(配信)】
■公 演 日:2021/03/10(水)18:30

■販売ページURL 

・ご来場につきましては席数を減らすなどの対策をしております。

お申し込みに関してもしご興味のある方がいらっしゃいましたら画像よりご確認ください。


同団体公演「Lucia di Lammermoor」

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出演
ルチア 小澤美咲紀
エドガルド 小野弘晴
エンリーコ 飯塚学
ライモンド 水島正樹
ノルマンノ 持齋寛匡
アリーサ 神田沙央理

ピアニスト 岩上恵理加


曲目・演目
17世紀スコットランドが舞台。ランメルモールでの勢力争いの末、レーヴェンスウッド家が敗れアシュトン家がすべての土地や権力を手中に収める。 ルチアは敵対する一族のエドガルドと恋に落ちてしまう。エドガルドは一族の再興を果たすためフランスへ亡命し、永遠の愛を誓い合う。エンリーコは妹ルチアとアントゥーロとの政略結婚を企てるが、自分のすすめる結婚を無理やり承諾させてしまう。 放心状態のまま城内で結婚式が始まり、ルチアが結婚誓約書にサインした直後にエドガルドが現れ、ルチアを裏切り者とののしる。傷心しきったエドガルドのもとにエンリーコが決闘を申し込む。その夜純白のドレスを血に染めたルチアが現れ、その場で倒れてしまう。絶望のあまり発狂し、新床で夫を刺し殺してしまったのだった。 先祖代々の墓で、これから決闘を迎えるエドガルドのもとに、ライモンドからルチアが発狂して亡くなった。という知らせが届き、絶望したエドガルドは自らの胸を刺し、命を落とすのだった。

『ランメルモールのルチア』【Streaming+(配信)】
2021/3/30(火)~2021/4/5(月)

▼こちらから配信チケットについてご覧いただけます▼
















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