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習熟度別のクラスにIT教育・・・NZの小学校

プールつきの大豪邸。
全面ガラス窓で日当たり抜群の気持ちの良い家。
森の中の可愛いログハウス。

6歳の息子は、バーチャルの世界で彼の夢を一つずつかなえていっている。
現実世界でいくら両親に期待しても難しくても、マイクラの世界では彼がスキルをアップさせれば、なんだって自分が見たい世界を自分で作り出せるのだ。

最初のころこそ作業台すら作れず、うまく思った方向に移動できないと半泣き状態だったのに、随分とできることが増えてきた。
今ではマイクラの世界でいきなりCDをかけ始めたり、延々と止まらないジェットコースターを作ってみたり、隠し扉風自動ドアを作ったり、へーそんなことができるんだ!と親の私はびっくりするばかり。
時に屋上に作った巨大プールの水が溢れ出して家が浸水してしまったり、おしゃれなログハウスが火事になって燃え尽きてしまって悔しい思いをしたりするのだが、そこからは大事な学びを得ているようだ。

彼が毎日せっせとマイクラの実況中継のYouTubeを見て、週末には実際に自分でマイクラを実践することが、確実に彼のマイクラ力の血となり肉となっている。

マイクラはともかく、彼は小学校では一体どんなことを学んでいるのだろう。ニュージーランドの学校は教科書がないし、息子もあまりそこまで細かく話してくれないから、学校での様子はまるで壁にキリで小さな小さな穴をあけてこっそり覗いているようにしか分からない。
それでもなんとなく見えてくるものの中には、文化的な違いや時代的なものを感じることが多々ある。

私が最近、一番びっくりしたことは、クラスの中でレベル分けされて、それぞれのレベルに合わせて先生が授業を提供するという科目があるということだ。
具体的に何個のレベル分けがあるのか、先生一人がどうやって教えているのか・・・というところについてまでは全く分からないのだが、とりあえず生徒の習熟度に応じて先生が授業をしているらしい。

英語についてはその子どものリーディング能力に応じて、まず色でレベルが表され、その色の中でもまた数字があるらしい。
例えば「オレはターコイズの4」みたいな感じだ。そしてこのリーディングレベルに応じて、宿題の本が渡される、というところまで分かっている。それ以外はどういう風にこのレベルが運営されているのかは不明だ。
この色レベルというのはどうやら学年を超えても使い続けられるものらしく、友達のお姉ちゃんは一番上のゴールドレベルなんだってさー!すごいよねー!という話が出たり、息子もこの前たまたま昼休みに一緒に遊んだ一個上のお兄さんと(なぜか)お互いのリーディングレベルを教えあったりしていた。

算数も、それぞれの理解に応じてレベルが分けられ、同じ習熟度の子が集められた島(机が固まっているエリア)がいくつかあるらしい。
島の中でも、もっと進んでいる子というのもいるみたいだ。
先日は息子が家の自由帳みたいのを引っ張り出してきて、いきなり
「10✖️2🟰20、20✖️2🟰40・・・4➗2🟰2、6➗2🟰3」
と書き始めていた。
一体なんだなんだ??と親の方は小学校二年生(といっても日本ではまだ小学校一年生)で九九とかを暗記する前に、いきなり割り算とか掛け算のコンセプトを披露し始めた息子に圧倒されてしまった。
こっちが混乱していると、息子はクールな顔で
「オレ、もっと難しい算数やりたいから、頑張っているんだよ!」
とびっくり発言をする。
そして
「Aくんみたいに、オレも難しいことしたいし」
と続けるのだ。
こういうレベル分けは健全な自己肯定感と向上心を育むから素敵だなーと素直に感じる。知的好奇心も適切な形で刺激されると思うし。

クラスの中での習熟度別レッスン以外に、へー!と思うのは、ニュージーランドの小学校におけるITの活用状況だ。
最近、息子に一番好きな授業は何?と聞いたら、
「プログラミング!」
と元気に返事があり、そこで初めて学校でプログラミングを勉強していると知った。どうやらスクラッチジュニアという子ども向けプログラミングで色々とやっているらしい。その「色々」の部分は何かよく分からないのだが・・・

プログラミング以外にも、クラスの中でiPadが渡され、それぞれの英語力に合った英語のリーディング教材を読んだりすることもあるとのこと。家に帰ってきて、息子がそのリーディングアプリをログインする時に使う、長いパスワードの丸暗記を披露してくれたことで初めてそんなアプリで学習しているということを知ったのだ。(いつでも何かを知るきっかけはかなりランダム)

他にもiPadでたまにクラス内外での自分の学習成果を録画して、学習記録アプリに保存するということもやっている。
家でもこのアプリに何か保存して先生に見せたい!と息子が言うので、
「これはボクの妹です。プリンセスになりたいそうです」
と娘が作り笑いをしている様子を録画して紹介する動画と、
「これはボクが作ったレゴです。ポイントはここの部分が動くことです。」
と自作レゴを紹介した動画の二つをとりあえずアップロードしてみた。
すると、翌日には妹紹介ビデオは完全スルーされたが、レゴビデオには先生からのいいね!マークと「wow!」といったコメントが付けられていた。
どうやら妹紹介はそこまで学習的要素がないからNGだった模様。

学年が上がると、マイノートパソコンを用意する必要があるという噂も聞いているが、今後どんな風にテクノロジー教育が提供されていくのかは正直よく分からない。
個人的には、別に必要であれば新しいITスキル的なものはいつでも身につけられると実体験でも分かっているのだけど、今後どういう風にデジタルネイティブっ子が育っていくのかは親として不安半分、好奇心半分で観察しているところだ。


夕方になり、日本時間ではたらいている私の仕事の前半部分がひと段落するタイミングで、家に自動車が停まる音がする。すると、ドタバタと玄関に向かって走ってきて息子がバタンと大きくドアを開ける。
いつからか、帰ってきても、ただいまーママー!とハグをしなくなり、クールな表情で、ほら、オレがおかえりだぞ、といわんばかりの表情で何かを待つようになった。
私がパソコンから顔をあげて、おかえり、学校は楽しかった?と聞くと、息子は当たり前な感じで
「楽しかったよ」
という。
何が楽しかったの?と聞くと、親友のお友達と一緒に遊んだこと!と間髪入れずに答える息子。
お勉強では何が楽しかった?と聞くと、しばらくじっと考えてから
「算数かな」
という。
あれ?プログラミングは?と聞くと、プログラミングは毎週木曜日だけで、先生も特別な先生が来て教えてくれているという新しい事実が発覚した。

なんだか毎回毎回、色々とちょっとずつ新事実が発覚する連続ドラマのようだ。
とりあえず息子が学校での様々な経験を経て、現実の世界でも彼が見たい世界を見られるようになったら楽しいだろうなーと私は外野から応援している。

【掘り出し物探しが楽しい!】ニュージーランドで楽しいことの一つが、掘り出し物探し!
こっちのリサクルショップは、いろいろな種類があるし、規模も大きいところがあったり、個性的な品物が見つかったり、まるで宝探しのようでワクワク。いろいろなチャリティー団体が運営するOP Shop (Opportunity Shopという意味らしいです!)を巡るのが大好き。
え?これ、誰がもともと持ってたの?買ったの?という謎の商品を見つけるのも楽しい。

ちなみに今回は、子どもたちの英語がどんな感じなのかというのもちょろっと伝えています。まだまだネイティブと同じというわけでは全くありませんが、最初の頃はハローしか言えなかったこどもたちが1年5ヶ月経つと、こんな感じです。娘の英語の方はサバイバルイングリッシュ感が結構すごい。笑 https://youtu.be/Vgzsm9g2Ejs


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