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さよならは少しさびしい

本日は息子と、息子の靴を買いに。

さんざん迷ってなんとか購入する一足を決め、お会計をしようとしたところ『古い靴を下取りで値引き』という割引を発見。

息子に、この靴をお店の人にどうぞって置いて帰ったら、新しい靴少し安くなるんだって、どうぞしていい?と聞いてみると、難しげな顔をして黙り込みそっと頷いた。

よかった、と安心して店員さんに下取りをお願いして息子を見ると、まだ難しい顔をしたまま。
どうしたの?と見るとぐっと眉間にしわを寄せ、「さみしい」とぽつり。

「なくなったらさみしい」

そうだ。かがやき色のくっく。
すっかり新しい靴を買いそびれていて、ずいぶんと長い間履いていた、明るい青色の靴。
だいぶくたびれてくすんでしまったけど、大切に履いてくれたね。

大好きだったんだね。

下取りは取りやめ、かがやき色の靴はそのまま持ち帰ることにした。
少し潤んでいた目元はまだやや赤かったし、しばらく無言で歩いてたけど「赤い色、かっこいいね」と言うと、新品の靴を履いた足元を1度見てニッと笑った。

フードコートでご飯を食べる頃には

「あしたほいくえんにはいていってもいいの?」
と嬉しそうに飛び跳ねていたから、もう持ち帰るかがやきのくっくは、息子は見ることはないのかもしれない。
そっと靴箱にしまわれたままになるかもしれない。

きっとそれで良い。
息子には新しい相棒がいる。

私は、きっとかがやき色のくっくを忘れない。
息子が忘れても、きっと忘れられないし、捨てられないかもしれない。

大事に履いてくれてありがとう。

思い出をありがとう。

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