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アラフォーママの私の「一歩」

子どもたちがまだ小さかった頃、我が家はよくある‶ワンオペ”でした。

夫は仕事に忙しく、家には着替えを取りに帰るくらい。
0歳児の末っ子と、未就園の次女を連れて、へとへとになりながら長女の幼稚園の送迎や買い物、家事を済ませる。そんな毎日でした。

夫が不在でも、どんなに疲れていても、食事を外食やお惣菜で済ませることはありませんでした。
「手作りにこだわっている」なんて言えれば素敵ですが、そうではありません。単にお金がなかったからです。

いつも睡眠不足で、ストレスを解消する手段もない私が、何とか3人の子どもを育てることができたのは、地域の子育て広場や幼稚園で出会った友達がいたから。

幼稚園の送迎の際のちょっとした立ち話に始まり、
「公園に行かない?下の子一緒に見るよ!」と誘ってくれたり
お宅にお邪魔した際には「お風呂入れて帰ったら?後が楽でしょ」と声をかけてくれたり。
彼女たちがいなければ、私は子育てできていませんでした。

2020年4月、感染症拡大による外出自粛や休校が始まった時、真っ先に思い浮かんだのは
「今のお母さんたちは大丈夫だろうか」
と言うことです。

きっとあの頃の私なら、この状況下で子育てできていない。
それなら、家にいても繋がれる場所をつくろう。

そして立ち上げたのが「ママ集まれ!」の前身であるオンラインコミュニティ「大分のママ集まれ!」です。

アラフォーの私の一歩

1.未経験でのコミュニティの設立

「ママ集まれ!」はコミュニティサイトを中心に、アプリのチャット機能を使ってメンバーのママ同士が情報交換や交流をするオンラインコミュニティです。
大分からスタートしたこのコミュニティも、現在は福岡・佐賀・熊本・宮崎・鹿児島と九州6県に拡がり、それぞれの支部で地元のママや女性たちが運営しています。

『オンラインコミュニティ「大分のママ集まれ!」』なんて名前にしたものの、私にはコミュニティやサークル運営経験はありません。
友達が多いわけでも、リーダータイプなわけでもありません。
3人の子どもを抱えたアラフォーの私にあるのは、ただ、いちママとしての「何とかしなくては」の想いだけでした。

ところがその想いに共感してくださった方は予想外に多く、県内の女性限定のコミュニティにも関わらず、発足当初使用していたFacebookグループのメンバーは、1週間もしないうちに200人ほどになりました。

人が増えてくると、しっかり運営していくことを考えなくてはなりません。
手伝ってくれる仲間を増やし、参加してくださっている方々が楽しめるよう、オンラインやオフラインでのイベントを開催するようになりました。

2.運営会社の設立

現在本部「大分のママ集まれ!」の中には子どもの年齢や家族構成、趣味等からなる8つのサークルが共存しています。

発足当初から貫いているのはコミュニティや繋がりの場への参加無料です。

もちろん、外部から講師の先生に来ていただいたり、会場費がかかる際には頂くこともあります。
そして、大所帯のコミュニティを維持し続けるには、資金は全然足りません。

でも、有料になることで、参加できずに一人ぼっちになるママがいるかもしれない。あの頃の私がそうだったから。

私はコミュニティ活動には、「ただのママたちの集まり」では済まされない、大きな力があると思っています。
例えば過去の私のように、一人きりの育児で潰れそうなママにとって、支えの場になれるかもしれません。
誰かの「もっとこうなら良いのに」が、単なる呟きではなく、大きな声として届けられるかもしれません。
少数のママたちの想いを、多くの方に知ってもらえるきっかけになれるかもしれません。
私はコミュニティ活動は、社会課題を解決できると思っています。

そのためにも、「参加無料」を続けていける仕組みをつくりたい。

試行錯誤の中、立ち上げ3年目を迎えた今年、コミュニティの運営会社となる合同会社を設立しました。

一歩踏み出した先に

起業経験もない、経済学部も出ていない、3人の子持ちの私の人生に、会社の代表になるようなことがあるなんて。

学生時代や20代の頃、「一歩踏み出す」とは、境界線をえい!と越えて、もっと攻めていくと言うか、思い切って突破するようなものだと思っていました。
でも今の私にとっての「一歩」は、いつの間にか思いもよらないところに現れて、気付くと歩いているような、そんな感覚です。

これで良いのか、悩むことだらけ、楽しいことも、悔しいこともあります。
でも、踏み出したこの一歩が、自分の見たい景色に続いていると信じて、わくわくしながら歩みを進めたいと思っています。

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