見出し画像

病院でやってる手洗い(衛生的手洗い)を解説してみた

ご時世的に感染症への不安が募る毎日となっていますが、みなさん、手洗いしてますか?

手洗いしてますよ、という方へ。
1分以上、洗ってますか?

手のひらに泡をつけて洗い流す
これ、手洗いじゃありません。

ちゃんと泡で洗って、流す
そして、水気を拭ききるところまでが
手洗いです。

かくゆうわたくし、ナースあさみ

あんまり信じてもらえないのですが
一応、本業は看護師でして

この手洗いを1時間に3回以上はやっています。

それに加えて、アルコール消毒液による消毒もものすごい勢いでやっています。

(おかげで冬の手のひらは荒れてボロボロ…)

手洗いをしていたり
アルコールで手が濡れていたりするせいで
ナースコールをすぐに取れないことがあるくらい
手洗い、そして消毒をこまめにやっています。


なぜ、ここまでするのか。


巷では、マスクが品薄ですが
感染経路のトップはわたしたちの手のひらだからです。

ドアノブを触った手
患者さんの私物に触れた手
血圧計を巻いた手
塗り薬を塗った手

臨床でも、医療従事者の手のひらが一番の感染経路。
くしゃみでも咳でもなく、手なんです。

ここまでやっても、抵抗力の落ちた患者さんは容易に感染してしまいますし、基礎疾患がある患者さんは症状が重症化してしまうこともあります。

アルコールじゃダメなの?という意見も聞こえてきそうですが、これは流水下での手洗いができない時の補助として生まれたもの。

患者さんに触れるたびに水道のある場所にいって手洗いしていたら、手洗いだけで1日の業務が終わってしまいます。

そんなのやってられないので、腰にひっかけたりや肩がけでひとり一個アルコール式消毒薬を持ち歩き、せっせと消毒するのが看護師の日常となっています。

もちろん、流水下での手洗いが一番です。
ウィルスもあ〜れ〜って流れていきます(たぶん)

理想は、手洗いのあとにアルコール消毒。
もう、手のひらの砂漠化ハンパない。


では、そろそろ本題へ。
手洗いのやり方について解説していきますね。

今回は、臨床でいうところの衛生的手洗いについて解説しています。
手術時手洗い(一番清潔になる方法だけど一般家庭では設備的に困難)ではありませんので、ご了承ください。



手洗い(衛生的手洗い)のやり方

時間のない人はこれを見てもらえればOK

スクリーンショット 2020-02-16 1.02.17

PDFはこちらです。

時間のある方は、こちらの動画をごらんください。

もうこれで完璧なんですが、ちょっとだけ補足をしておきますね。
以下、番号は動画の中の番号とリンクしています。


②泡せっけん液を使う理由

普通の石けん液(液体タイプってことね、ボディソープのような)でもいいんですが、石けんは泡がポイント。泡だてがうまくいかないと、うまく手洗いできないし、汚れも落ちません。

そのため、最初から泡の状態で出てくる泡石けん液がベターとされています。

市販品でも、泡タイプのものが出ているのでぜひご覧になってみてください。

わたしは、実際に病院で使っているSARAYAの関連製品とコラージュフルフルが推しなので、リンク張っておきます。


実際、わたしが臨床で使っている泡石けん液は、個人レベルでは購入不可、医療機関のみの販売となっているためご了承ください。


⑤親指をしっかりと洗う理由

手洗いで、一番洗い残しが多い部分だからです。

こちらも、下記のリンクに手洗いについての情報がステキにまとまっているのでぜひ。

洗い残しが多い部分として、親指の周辺、爪周りが指摘されています。ここを十分に洗うことをおすすめします。

有効じゃない手洗いを繰り返したところで、時間とお金のムダ。
ひいては、不利益を被るのは患者さん。

皆さんの場合だと、自分と周りにいるたいせつな人、ということになります。

だから、きちんとした手洗いを適切なタイミングでおこなっていく必要があります。


余談になりますが、わたしたち看護師は半年に1回くらい、手洗いチェッカーで適切に手が洗えているかをチェックします(医療機関による)

どんなに気をつけていても、日々の業務でどんどん手洗いがおそろかになってしまうんです。

だって、手洗いに1分かかってしまうなら、1秒でも早くナースコールをとってあげたいですからね。

そのため、半年ごとにブルーライトに手を照らしてもらって、洗い残しを視覚的に認知し、また基本の手順に戻るということを繰り返しやっています。

これはどんなに経験年数を重ねた看護師も一緒。

ちゃんと洗ったはずなのにな〜

これが、このチェックを終えたあとのみんなの決まり文句。
「ちゃんと洗ったはず」と「ちゃんと洗うこと」には雲泥の差があります。

医師のほうが清潔操作(皮膚を縫ったり管を入れたりする処置)が多いので、もうちょっと敏感かな。


⑦指先を洗う理由

こちらも上記同様、洗い残しが多い部分だからです。

くわえて、指先(指の腹の部分)って一番最初にモノやヒトに触れる部分。いわば、手の顔部分なのでキレイにしておきたいですよね。

そして、穴場なのが爪の周りの部分。
ささくれが起こりやすい箇所、と言えば伝わるでしょうか。

くぼんでるし、なんとなく汚れがたまりやすい場所というのはわかっていますが、手洗いでここまで洗えている人は滅多にいません。

可能な限り洗えるとベターです。


⑧手首も洗う

看護師さんたちは、なんで半袖なの?

と、聞かれることが多いんですが、その答えのひとつはこれだと思っています。

長袖だとうまく手洗いできないんです。
まして、手首をちゃんと洗おうと思ったら袖口が濡れてしまいます。

看護師の中には、仕事のあいだ結婚指輪も腕時計も外している人が多いんですが、その理由もきっとこれ。

わたしたちは、手が武器でありスキルなので、肘から下は清潔を保っておきたいんです。

七分袖の白衣もありますが、袖が落ちてきて処置の妨げになるくらいなら半袖のほうがよっぽとマシ。清潔に操作出来ますし、ストレスも少ない。

最初のほうにちょろっと挙げた、手術時手洗いという言葉。
こちら、二の腕の途中くらいまで専用の消毒液とたわし(!)でゴシゴシ洗うんです。2回も。

長袖なんて、もはや手術室に入る資格なしって感じなので、半袖がデフォルト。

家で洗うときは、思いっきり肘まで腕まくりして手首もガンガン洗います。おしゃれな服を着てたらできないワザですね。


⑩ペーパータオルでよく拭く

え、タオルじゃダメなの…?

という声が聞こえてきそうですが、医療機関ではダメです。
タオルの使い回しで、感染が拡大してしまう恐れがあるからです。

そのため、ペーパータオルで水気をよく拭くことが推奨されています。手を洗ったばかりだと水滴がぽたぽた垂れてしまうため、余裕で3〜5枚使います。

家庭ではタオルでもいいと思いますが、家庭内感染の多くはタオル、食器やカラトリーの共有だと思うので、気になる人はペーパータオルを試してみてもいいかもしれません。

ティッシュよりも硬くて丈夫。
手のひらを拭く時にガシガシ使っても簡単にはちぎれないので、やっぱすごいな…!という気持ちになります。

ちなみに、わたしは自宅ではタオルで拭いています。
一人暮らしなので、わたししか使う人がいないからです。


動画で触れているアルコール消毒は、すべての家庭では難しいと思うので割愛。
もちろん、できたらやったほうがいいに決まっています。

(おそらく、これも品薄のはず…)


そして、ちゃんと手洗いしていると手が砂漠化してくるはずなので、いつも使っているハンドクリームをのせておきますね。

あとは、患者さんのおむつかぶれや、とても肌の弱い人に向けてはこういう製品をおすすめすることもあります。
(すべての人に効果があるものではありません)

褥瘡やストマ用品を扱っている会社なので、医療的なスキンケアに関するプロダクトが豊富。必要な情報を入力したら無料サンプルも貰えるそうなので、よかったら。


おわりに

はい、ここまで3000字にわたって解説してきました。

おそらく、慣れていない人がちゃんとした手洗いをしてみると、余裕で2分以上かかると思います。だるいですよね。

でも、ここまでするのは感染症にかかるよりマシだからです。
なってしまったら、お金も時間もかかりますし、なにより自分が一番つらい。

手洗いですべての感染症を防げるわけではありませんが、自分を守るのは自分からをモットーに、実践してもらえたら嬉しいです。



貴重な時間を使い、最後まで記事を読んでくださりどうもありがとうございます。頂いたサポートは書籍の購入や食材など勉強代として使わせていただきます。もっとnoteを楽しんでいきます!!