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社会に自分を散りばめておく

女性の方が長生きなのはホルモンの働きだとか
基礎代謝が少ないとかいろいろ言われているけど
私はそう思わない。


女性が長生きなのは生涯で担う役割が多いからだ。

これは妻とか母とか、わかりやすいものから
バレエの生徒、ゴミ出しのおばさん、町内会のお茶汲みなど
インフォーマルなものも含む。


男性の場合を考えるとわかりやすいのだけど
女性に比べ男性は圧倒的に役割が少ない。

今の高齢男性の多くが
夫、父、元会社員の3つの役割しか持っていない。
中には未婚で社会人経験のない生活保護受給者もいて
その人の社会的役割はほぼないと言っても過言ではない。

そのため、病気や生涯によってこれらの役割の1つでも果たせなくなるとアイデンティティが崩壊し、さらに心身のバランスを崩すという悪循環に陥る。

特に、子がおらず妻を亡くしてしまった高齢の夫がひどいもので
一度にすべての役割を果たせなくなり
生きがいややりがいをも失ってしまう。

うつや認知症になるのもわかる気がする。
だって、誰にも必要とされていないんだもの。

自分というアイデンティティを分散させてこなかったツケなのかもしれない。


一方で女性は、生きる上でたくさんの役割を担う。

妻、母、PTAの役員、フラワーアレンジメントの生徒、英会話ボランティアの繋がり、病院の診察室で仲良くなった同じ病気の人etc…

自分というアイデンティティをいろんなところに散らして生きている。
これは大きなリスク分散だと言える。

もし、病気のためベッドで寝たきりになったとしてもおしゃべりさえできれば、女性の周りにはお見舞いの人が来てくれる。
みんなその人が稼げるから、とか権威性のある肩書きがあるから人間関係を構築したのではなく、その人が好きで関係を続けて来ているから。


このような、ゆるい繋がりや弱い役割が多いということ。
これが女性のアイデンティティの崩壊を防いでおり
結果として長生きに繋がっているんじゃないかと思う。


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