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選ぶ基準って、実はとても些細なことかもしれない話

最近、悩んでいることがある。

5年以上続けているフットネイルを更新するかどうか、だ。
私の中の、女子力の大部分を占めるコンテンツ。

実は、春にもこんなnoteを書いていたんだけど

最近、ネイルが楽しみじゃなく
タスクになりつつあって
それがどうにも違和感だった。

行きたいから行くのではなく
行かなきゃいけないから行く感覚。

新しいネイルのデザインを探すのも億劫。
Pinterestで見つけたいい感じのをそのままお願いしていた。

じゃあ、行かなきゃいいじゃん
って思われるかもしれないが
5年続けてきた習慣をやめるというのも
なかなかネネルギーを要することだ。

それに、ネイルをやめる理由を
お姉さんが変わってしまったことにしたくなかった。

きっと、彼女はかなしむだろう。
お客さんをひとり失うのだから。


彼女をフォローするわけではないけれど
ネイルのスキル自体は向上しているように思う。

いつも、私の望むイメージ以上に仕上げてくれる。


だから、私が違和感を感じている部分は
ネイルのスキル以外の部分、ということになる。


まず、私が通っているお店では
長座位といって足を伸ばして座る体勢をとる。
長座体前屈のスタートの姿勢、だと思ってもらえればOK。

この姿勢が3時間つづく。
一度も立ったりできないまま。

ネイルをあまり経験したことのない男性も
3時間同じ姿勢で身動きが取れない、と言われると
なんとくイメージがつくんじゃないかな。

これがね、アラサーには結構きつい。
羽田−那覇のフライトの間、一回も立てない感じ。
DVT(深部静脈血栓症)になっちゃう。

ちなみに、前のお姉さんは2時間だった。
それでも福岡フライト並。

前のnoteにも書いたのだけど
このポーズをずっと取っていると
かかとの下の部分が痛くなってしまう。

ちなみに、この部分は褥瘡好発部位(じょくそうこうはつぶい)
と呼ばれ、解剖学的に褥瘡が発生しやすい部分。

ネイルをしていなくてもこの姿勢を取っていると
5分くらいでかかとがしびれるような痛いような感覚になる。

だから、かかとにかかる圧を逃がすために
タオルを丸めて足首にいれて欲しいと、お願いしている。


いつも。

頼む飲み物も一緒なのに
必ず聞いてくる。


いつもいつも。


つまり、一向に覚えてくれていないのだ。
わたしという人間の特徴を。

ここが、ネイルスキルより何より私には一番ネックだ。

もう、半年も通っているというのに
なんで、覚えてくれないんだろう…
と、思ってしまったよね。

私の看護師という職業柄かもしれないけれど
対象の好みや習慣は、必ず覚える。
そうするように叩き込まれてきたし
そのほうがケアもスムーズに進むからだ。

たとえば

Aさんに食事を渡すときは
歯ブラシとうがいのカップは右側に。
手が不自由だから、おしぼりやふりかけなど
握力が必要なところはお手伝いする。

一方、Bさんに食事を渡すときは
御膳をテーブルに置くだけ。
Aさんと同じく、手が不自由だけれど
プライドがとても高い人なので
お手伝いしてもらうことがアウト。

どんなに御膳が汚れても
お皿がひっくり返っても
こちらは一切手を出さないのがデフォルト。

みたいな。


きっと、彼女はネイルに必死で
お客さんの特徴や好みを
メモする習慣がないんだろうな〜

相手が、ネイルをしにきているお客さんではなく
それぞれの嗜好と生活をもつ
ひとりの人間だという感覚も

私が期待するそれより、ずっとうすい。

人には相性というものがあるから
しょうがないと思いつつも

やっぱり、とてもかなしい。



こんなことを考えていた先日
前の職場のヘルパーさんとコストコへ行った。

私が大学病院を退職したあとも
なぜか仲良くさせてもらっていて

コストコ会員である私が
彼女の車に乗せてもらって買い物にいくという関係を
もう4年以上続けている。

彼女は、ほんとスーパーウーマンで。

仕事が正確で俊敏だったし
急変で私の脳内に夜明けのスキャットが流れていた時
ナースコール対応や外回り対応をしてくれたのは

ヘルパーである彼女だった。マジ女神。

ちょっとだけ彼女の背景を紹介すると

旦那さんとは離婚。
介護が必要なお母様をみながら
フルタイムで仕事しつつ
思春期真っ盛りのふたりのお子さんをひとりで育てている。

ほんとすごい。


そんな彼女と、買い物中にこんな会話をした。


あさみ:この冷凍ブロッコリーどうかな?
彼女:あ、OKストアならベジタブルMIXで299円ででてるよ。大きさはこれくらい(手で示してくれる) でもね、オーガニックじゃないから、それが気になるならこっちで買ったほうがいいと思う。

あさみ:ねぇ!山形牛がグラム499円で出てる!!
彼女:う~ん…この価格ならOKとほぼ一緒ね。でも、あっちのほうがモノがいいわよ。サシの入り方が全然違うし、こっちは肉の厚みが薄いじゃない。
あさみ:ぐぬぬ…

あさみ:キッチンペーパー、こっちのほうが安い!
彼女:そうね…でも、柄が入ってないわよ。あさみさん、前に柄入りが好きって言ってたじゃない。
あさみ:はい…そうです…柄入りにします…

あさみ:最近オオゼキも好きなの(!)
彼女:オオゼキいいよね。魚と肉の品揃えと質がいい。でもさ、レジに並ぶのが億劫でね。夕方なんて、ここはディズニーランドですか?っていう行列だもの。私は朝イチで買い物いけないし、何より時間が貴重。買い物したいのに並びにきてるみたいで余計疲れちゃう。それなら、他のスーパー行っちゃうのよね。
あさみ:わ〜か〜る〜


そう。
一口に買いものと言っても、その選択基準はさまざま。
品物がいいことや接客が丁寧なのは、大前提として

・行き帰りの道なり
・自転車置き場の混雑さと自転車ラックの仕様
・店内の温度や証明
・レジの長さ
・カートの大きやや小回り
・来ているお客さんの質

など、本当に些細なところで人は判断している。

買い物に行こうとしても
雨が降ってきたから明日でいいや、は
多くの人が経験してるんじゃないかしら?

私もOKストアは大好きだけど
行く時間帯はかなり注意している。

土日祝日は、嵐のコンサートがある日の最寄駅みたいになってるし
17時以降にはお惣菜や生鮮品がないので

OKに行くのは
平日昼間の10〜15時までのあいだ

と、決めている。
それ以外は、よっぽどのことがない限り行かない。

買い物で得る喜びよりも
買い物で疲れてしまうからだ。

どんなにそのプロダクトやサービスがいいものでも
私たち消費者はそれだけで選ばない

むしろ、それにつながる導線の心地よさに重きを置くこともある

彼女との会話の中で
こんな当たり前のことを思い出した。



ということは…

私がフットネイルを続ける理由も
もうないな、と思えるようになった。

ネイルのスキル向上は認めるけれど
それ以外に感じる違和感のほうが勝ってる。

3時間とネイルにかかるお金を使うなら
もっと、自分が喜ぶ楽しいことに使いたい。


神は細部に宿るというけれど
その細部に気づくのは、私たち人間だ。

だから、まずはありとあらゆる人間の
気持ちや行動、そして生活を
自分にできる範囲でめいっぱい想像すること。

それが、神を細部にお招きする
秘訣なのかもしれない。


では、ラストネイルにいってきます。



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