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2023/12/13 Napalm death(代官山UNIT)

Napalm deathを拝見。
グラインドコア確立以前からスラッシュコアやノイズコア、ファストコアといった速さだけを追求するパンクの本質など玩物喪志なハードコアは多種多様に存在していたものの、ジャンルを確立するに至ったのは彼らだと思って貰えれば。
余談ではあるが、本公演発表前にCryptopsyが12/12に公演を執り行う予定ではあったが、Napalm deathの被りを受けて韓国のプロモーターと招聘元のEVPの尽力によりCryptopsyの公演が1日前倒しに。サンキューやで。

オジちゃん慎重だからね、トゥルーパーの物販は在庫少なめで大阪・名古屋と公演を済ませたから早めに到着する必要は無いと思うの、なんて思いながら泥酔状態で18:55に到着。案の定、早めの整理番号でも購入出来なかった情報がSNS上を専横跋扈していてオジちゃんは大満足なのね。本当は買いたかったけど。

●Thirsty
前座はThirsty
そもそも存在すら知らんし観るのも初めて。
僕ちん自身、知らない前座はある程度の事前精査を済ませてからライブに向かう性分だけれども、このバンドについてはマジで知らないし情報をキャッチする難度が異様に高い。大阪・名古屋の前座を務めたSWARRRMUNHOLY GRAVEは有名だから認知してるし前者は一度観たことあるけど、このバンドはマジで知らん。

うーん…中途半端だなぁ…。

Blood dusterみたいなgrind’n rollにダメな時期のNapalm deathを取り込んだミドルテンポなデスメタルみたい。特に気の利いたリフや展開が生じる訳でもなく30分ぐらい続くのは…。MCもアガっているのか呼んでくれてありがとうございますに3分ぐらい費やしてる。とりあえずヴォーカルがハーフだってことは覚えました。モッシュピットは盛り上がってました。

これと言ったお口直しも無いまま40分の転換を以ってNapalm deathが参上。

●Napalm death

<<セトリ>>
Narcissus
Backlash Just Because
Fuck the Factoid
Contagion
Lucid Fairytale
Everyday Pox
Invigorating Clutch
Scum
I Abstain
Throes of Joy in the Jaws of Defeatism
Amoral
The Kill
Suffer the Children
When All is Said and Done
Don't Need It (BAD BRAINS cover)
Mentally Murdered
Unchallenged Hate
You Suffer (宮本さん)
You Suffer
Smash a Single Digit
Dead (南部さん)
Dead
Nazi Punks Fuck Off (DEAD KENNEDYS cover)
Siege of Power

80分ぐらいの演奏。
setlist.fmだとWhen All is Said and Doneが抜けてるけど確実に演奏していたと思われ。どうやら東京しかやってないらしいね。

グラインドコアの開祖から理路整然としたデスメタルバンドに移行しただけあって、その演奏は激烈な疾走感を持たせつつも整合性と説得力を持たせたアンサンブルとなりオーディエンスの血潮を激らせていた。それでいてUKらしくクラスト・ハードコアの素養も秘めたリフはまさしくNaplm deathと言わんばかりのアジテーションの含みもあり、後続バンドへの多大な影響を噛み締める事が出来たのは、前日がCryptopsyであり招聘元であるEVPの尽力による僥倖といってもいいのではないか。

やはり特筆すべきはBarneyの威圧感溢れるシャウトで噛みしめるように感情を滾らせた咆哮を上手と下手を往復しながら放つ。安定感の高い上振れ下振れも少ない咆哮を50代半ばがやってのけるのだから恐ろしい。「グラインドコアっつ~のはファストコアやスラッシュコアって前進のジャンルがあってじゃな・・・」と長々とグラインドコアの解説をしたのち、唐突に「そういやダボス会議のア~レマジでクソだよな」と言ってのけるのは、昨今の都合の良い時だけパンクの或るべき姿を引っ剥がして反骨精神を象るトイズファクトリーのゴリ押しアイドルだったり花は花でも冷えてない方のアート・ロックと比較しても「あーこいつら根っからポリコレバンドですわ」と思うわけで。グラインドコア時代のリフどころか以降10年のグラインドコアないしハードコアを基調とした雛形リフを作ったのに「ゴアグラインドやるから抜けるわ」と脱退したCARCASSのイケメン(ゴアグラインドどころかメロデスも飽きてハードロック・ブルースに身を寄せて脱退したのに、スタジオでCARCASSを弾いたらうら若き自分を思い出して再結成するぐらい気ままではあるが)だったり、Napalm deathとは対局の位置にある激遅ドゥームがやりたくて脱退(喧嘩別れと諸説ありますが)したCathedralのフロントマンだったり、亀の様に遅いメタルジャンルの名前を冠しながらやってる事はクラストパンクだったり根っからハードコアキッズのドラマーだったりと全盛期の面々は別々の道で大成している中でもNapalm deathだけはそのアティチュードは不変であると思うなど。

ヴォーカルを守護るようにギターとベースが上手・下手を阿吽の様に陣取っており一聴してクラストの香りがするリフをザクザク刻みながら本質はデスメタルであろう過激なサウンドで屋台骨となっていました。ドラムはあんまり気にならなかったけどちゃんと叩けてたんじゃないんですかね。グラインドコア時代の楽曲を叩く時だけチカラの入りようがすげぇなって。実際に1st~3rdの楽曲を演奏する時だけモッシュピットは狂乱していて以降のデスメタル時代はそこそこピットが波打つ程度だったので、高品質とはいえども初期の曲が一番人気だったのが手に取るようにわかりますね。

メタラーじゃなくても「なんかギネスに入ってる1秒の曲」こと"You Suffer"は物販にいたトゥルーパーの社長こと宮本さんをお招きいただいてラウパ以来の共演をするなど。それが終われば「ワンモアサーファー!」とオーディエンスからの黄色い歓声を受けてワンモアサーファーしてるなって。Deadでは「ナンブサーン!」と執拗に呼び出して南部さんも共演するなど。ワンモアデーッドしてんなって。

満足感の高いライブでした。

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