2024/3/17 PUNKSPRING 2024(幕張)
PUNKSPRING 2024に参加してきました。
僕ちんが幕張メッセに到着したのは10:00。
物販が全アクト微妙だったのと別に急ぐ必要も無かったので、とりあえず開場に間に合えば良いかなぁぐらいのバイブスで幕張メッセに突撃しました。
だってOAが実質いないようなもんだからw
1日目は花冷え。がOAを飾ってかつセンチメンタル☆ヒロインを演るぶっ壊れセトリと比較して2日目はなんだ?いつもの縁故とコネみたいなもんか?1日目が8組だったのに2日目は6組という体たらく。ホルモンはTシャツを売れればいいと思ってるバンドだし、ハイスタはツネちゃん(R.I.P)の生前の意向でNOFXの終演に華を飾りに来ただけだからギャラ重視のバンドじゃないだろ。クソだよクソ、ハハハ!
ハイスタの出演が決まった数時間後にGOLDの前売りが完売、翌朝に一般も完売、通常発売が開始されて即時、各種チケットがソールド・アウト(一般はその後に復活したりしなかったりした)なだけあってホルモンが始まる頃には9割、ハイスタが始まる頃にはギッチギチのオーディエンスで埋め尽くされていました。
オーディエンスが着用してるマーチはというとハイスタ3割ホルモン3割NOFX3割他1割。ハイスタの後に発表されただけあって客寄せパンダとしての機能を保っていないにも関わらずホルモンTが多いのは彼らの物販の仕組みにあるそうです。新発売マーチは1人しか着用してなかったね。
1組目が始まるまでレッドブルのウォッカ割りをペロペロしたり出店を眺めてたり公式ブースの近くにある靴下屋を謁見したりと「俺を助けろ」と言ってた頃の伏黒恵みたいな顔をしながら時間を潰してたら1組目が始まったので資本主義エリアことGOLDエリアに突撃。
●The Linda Lindas
2列目で拝聴。だって人いねーんだもん。
昨今のエモリバイバルだったりオーセンティックなメロディック・ハードコアだったりポストパンク・リバイバルだったり手広くやってるアーティストだが個性はしっかり際立っているサマソニ出演歴もあるアーティスト。
ベースヴォーカル以外は全員女性で昨今のポリコレに爪痕を立てるのではないか(なお次の次のアーティストさん)という仲睦まじさを感じさせるアンサンブルで次世代のヘッドライナー格としての教示を見せてくれたのではないのか。演奏はかなりいなたく青臭い面が際立っていたものの、ドラムの8ビートは凄まじく丁寧で女性ながらの華奢さも兼ね備えていただけあって彼女のドラムばかり夢中になっていました。
と、自慢げに語ってはいるものの最後2曲で唯一の飯休憩タイムに入ってしまったため全部は観ていません。どうやらリンダリンダ~をカバーしたらしいね。
●the vandals
近場の飯屋がどこも鮨詰状態だったために、立ち食い蕎麦で腹を埋めてから参戦。
西海岸スケートパンクのレジェンド。メロディック・ハードコアを希釈した鮮やかなリフと滑るようなドラミングにオーディエンスのサークルピットが止まらない。フロントマンはどうやら代役が務めていたらしいけど、これが大層日本語が流暢で「飛びなさーい!」とか叫んだり、日本人ウケの良いアプローチが要所で光っていました。海外アクトにありがちな幕張メッセ(千葉)における「トウキョー!」も彼らからすれば「チバー!ディズニー!」となるのもジャパニーズへの理解力が高い証左となり得るわけで。
終盤のUrban StruggleとOi to the Worldではニューヨーク・ハードコア仕込みのモッシュダンスがそこら中に溢れかえっていて、思わず僕もモッシュエリアに突入してしまいました。でも、格的にモッシュエリアやオーディエンスの頭数は少なかったかな。
●マキシマム ザ ホルモン
中央で区切られてる柵の右側で観てました。
メタルどころかラウドロックすら知らなくても認知されている具合には著名なバンド。著名と言っても悪名が8割ではあるが。
System of a Downをニューメタル寄りにした傾向でface no moreほど凝ってないポップさに加えてコミックバンドの雛形とも呼べる考察ガン無視の歌詞や曲名。こりゃ売れるわなぁって思いながらオーディエンスに目配せすると灼熱の盛り上がり。The Vandalsの666倍ぐらい盛り上がってたと思います。誇張抜きで。ハイスタで完売した様な2日目で灼熱の盛り上がりって、普段ならどうなっちゃうんでしょうね。
ホルモンなんて爪爪爪しか好きじゃないし詳しくねー・・・
・・・あれ?知ってる曲多くない?
どうやらBloodaxeにも良く出没するヴォーカルが発した「あの人に見せたい景色があるーっ!」というのはNOFXでもFat Wreck Chordsでもなく先日逝去した鳥山明(R.I.P)らしく、ドラゴンボールのタイアップ曲に加えてデスノートやエアマスターを筆頭に過去のタイアップや旧譜の有名曲つまりツボを抑えに抑えたたセトリになっていたそうである。そもそもホルモンのライブとか見たことないので普通のセトリちゃうの?と疑問に思いながら確認したら、どうやらフェスでは絶対にやらないぶっ壊れセトリだったらしい。わっかんないよ!(乙骨)
演奏面では言われてるほど下手ではないと思ったしドラムもバッキングを入れながら安定して良く叩けるなぁAutopsyかよと思って観てましたが、後半になるにつれてギターのチンピラのリフがヘロッヘロになってたのが気になりました。「パンツスプリング2008を公式から許可取って過去に開催したんですけど、今年はパンツスプリング2024開催して大丈夫ですかー!ヘドバンして踊って盛り上げていけー!」から掻き鳴らされたのは超絶ポップなナンバーの恋のアメリカだったのでガン萎えしながら出店で唐揚げ丼を頼もうとしたら電子のみで更に萎えてしまいました。最後の曲もスペルマだったんでコンビニまで酒を買いに行きました。
ホルモンが終わるとオーディエンスが大量に海浜幕張駅の方に移動していったので5列目付近でthe damnedを拝見する事が出来たので、the damnedが一番の目的だった僕ちんにとっては役得でした。えっ?前ですか?そりゃもうハイスタ待ちの人達ばっかですよ。
●the damned
あぁ・・・遂にレジェンドを観てしまった。
還暦近いドラムのパワフルかつスピーディーで老熟されたコクのあるドラミングの力強さに劇場マイクの様な物を持ちながらブリカス英国紳士らしいポエトリーなクリーンヴォーカルで場の雰囲気は一転してポストパンクムード(開祖だっけ?)に。オーディエンスはウケが悪いというよりは「曲知らないんだよなぁ」というクオリティに圧倒されたかのような横揺れが多かった。ベレー帽を被った下手のギターはオルタナティブなリフをザクザク刻みながらギターソロも華々しく添えていく二枚目で、下手のベースもベレー帽を被りながら重みを足すベースでこれまたサマになっていた。キーボードはちょくちょくヘドバンしながら頭を振ったりバッキングを入れる三枚目で華がありました。
Barry Ryanの名曲"Eloise"のカバー中にギターの音が止まる音響トラブルが発生。これにはギターも「アメリカのチンケのPAだよw」と皮肉りながら「最高の曲を共有してやる!」に続いて口から発せられたのが「ドンドンドン!ドンキ~」で、これにはオーディエンスも「ドンキーホーテー!」で対抗しないと無作法というもの。その後も、新しい機材を用意している中でヴォーカルは即興でシンガソングしたり、ドラム・キーボードのパワフルなソロプレイで場を食いつなぐ演壇をオーディエンスがヒヤヒヤしながら見守る中でギターの音がリボーン。オーディエンスの歓喜とともに「我々の力だ!」と滾るギターに、これこそがフェスの醍醐味(ちゃうな)でもあるし最高の瞬間なんだなって。そこからは"Love Song"、"Machine Gun Etiquette"、"Neat Neat Neat"、"New Rose"のキラーチューン4連釘パンチでモッシュエリアも苛烈化。最後にはMC5のカバーで締めると想像以上の大歓待を受けて帰っていきました。
The Damnedが終わると「撮影禁止」の板を持ったスタッフがそこらかしこに歩き回り始め、オーディエンスも埋まりに埋まって鮨詰状態になりました。
●Hi-standard
難波「携帯はポケットにしまっといてくれ。俺ら別に撮影禁止ってしてる訳じゃねーんだけどさ、俺達のサウンドを心に刻んで帰って欲しいのよ。だから撮影してる人がいたら優しく教えてやって欲しいし、俺等もできる限り止めるから。」
60分ぐらい。
神
5列目に陣取ってドヤ顔で開演を迎えた僕ちんはサタニックぶりの奇跡のハイスタで暴れるおっちゃんおばはんキッズ達のサーフの16文キックやミドルキックを顔面にガンガン喰らいながら「修行が足らんなぁ」とおっちゃん達にニヤニヤされながらGOLD中央の柵に戻ったなって。ごめんね弱くって。
そこからはベースの難波が歌い上げるメロディアスかつエモいヴォーカルにザクザクと刻みながらハードコアの色合いを重ねたken yokoyamaのリフとバッキングが重なり、今回サポートとして迎えられたThe BONEZのZAXの硬質なドラムが調和し最早一神教とまで呼ばれたジャパニーズ・ハードコアないしメロコア界隈の開祖としての実力を見せてくれた。
2017年にリリースされたアルバムからは選出されず"Growing Up"、"Angry Fist"、"Making the Road"を中心としたセトリで、オーディエンスが灼熱を超えてHELLSINGの最後の大隊みたいな事になってたなって。そりゃもう地獄で地獄で"GROWING UP"のリフが鳴った途端に後ろからとんでもない圧縮とシンガロングとサーフ(ほぼおっさん)が押し寄せてきてお盆じゃないのに彼岸が見えてしまう具合には獄炎の有り様で、STAY GOLDに至っては難波の歌声よりもオーディエンスの合唱の方がデカすぎて何も聴こえません(俺も叫んでたけど)でした。
MCでは「The DamnedとNOFXがいるんだぜ?信じられねぇわ」と意気軒昂さをアピールしたり"DEAR MY FRIEND"の演奏中(うろ覚え)に「ツネちゃん聞こえてるかー!」と叫んだり、本来であればNOFXのラストツアーじゃなければ存在しないはずのライブにどれだけの熱意が込められているのかを感じ取れました。
ハイスタが終わるとぞろぞろと抜けていって転換時間が終わる頃にはまた戻って来るオーディエンスで溢れかえっていましたが、10%ぐらいは帰っていったと思います。DESCENDENTSの前座だったken yokoyamaバンドの時は殆ど帰らなかったのにね。
●NOFX
違うんスよ。前にいた20代後半の若い頃の歌い手の松下みたいな女の子が恋柱みたいな姿で頭にバンダナをハンターハンターのポックルみたいにクルクルさせて曲に合わせて横乗りしてるもんだからそれが可愛すぎて。しかもすげぇ良い匂いするし2次元みたいな女の子だし俺が二次元と三次元の区別もつかねー馬鹿って訳でもないしなんかもうすげぇ見惚れてしまってこれがパンクスプリングなんだなって。そういやZEBRAHEADで女の子達に肩掴まれてゼブへ最高~!!って呟いてた大きなパンクのお友達もいたけどウドーフェスのレポート書いてた管理人も似たような体験にあったらしいね。って思ってたら中年のおっさんが間に入ってきて涙目になっちゃうよね。
・・・え?感想を書けと?
あんま書く事無いんだよな・・・。
まず、演奏面。
ハイスタやダムドと比べると大分落ちると思います。
PANTERAのDimebag Darrellを意識した髪型の上手の青髪ロン毛ギターは時折華やかなギターソロを弾き出すんだけど弾けてるのか弾けてないのか中途半端・・・。メタルの様式美を求めるなと言われたらそうなんだけど、これまでのアクトは基本ちゃんと弾けてたから余計に期待しちゃうなって思った。ドラムは硬質な音をビシバシ叩き上げる大黒柱としての役割を担っていて、下手のギターはちょくちょく刻んだりギターソロを挟みながら時折トランペットを持ってきてスカパートを担当する主役になっていました。ヴォーカルでありFat Wreck ChordsのオーナーであるFat Mikeはちゃんと歌えてたと思いますが、オーディエンスへのアプローチは少なめ。
アンコールでは18分の名曲"The Decline"を演奏。途中でHi‐STANDARDのKen yokoyamaと難波が登場し演奏に参加。感極まっているのか難波もKenも終始涙目で終演後にはこれまでの感謝と御恩も込めて抱き合ったり喋ったり写真撮影を行ったりとこのライブが如何に伝説であるかの証明にもなったなって。
で、こっからは気になった点。
まずMC。
サマソニでの大炎上や迷惑系とつるんで謝罪せず逃亡したりそれ以外にも数多の炎上を繰り返しクッソしょーもないバンドにランクダウンしたホルモンファンの残党ですらドン引きするMCでした。
反戦運動に絡めて「フ!ク!サ!マ!」と言ってたけど、多分フクシマの事を言いたいんだと思う。日本人なら察するよね。そのコールに下手のギターがリフを重ねてノリだすから更に反応に困る。「戦争によって誰でも死ぬんだよ」と重ねて言い出すから余計に混乱する。他にも色々あるけど人種差別上等みたいな内容が多いのと、2曲演奏してMCしてまた演奏してMCでグダっての繰り返しでホルモンの時の様な盛り上がりは見せなかったです。
次に音響。バスドラがデカすぎてベースの音がそこまで聴こえなかったのとギターもソロ以外はそこまで聴こえない。
後は客層。
NOFXの時だけ水やビールが空中を異様な頻度で飛び交ってました。GOLDの左エリアから2回ぐらい右エリアに意図してかけだすアホもいました。後は演壇へのペットボトルの投擲も酷い。ホルモンの時は一般エリアだけ奇声や謎の野次が飛んだりと今後もクリマンにはGOLD制度は続けてほしいなと思いました。
ということでパンクスプリング2024終演。
こっからはパンクスプリングの不満点。
俺が書かなくてもおびただしい数のクリマンへの不満がSNSを飛び交ってるから惨憺極まるってこういう事なんだなって。
まず1つ。電子決済。
オフィシャルバーは電子決済専用と現金で列が分離されているんだけど、それを指し示す張り紙が無いから現金派の俺は1回並び直したなって。出店もNEXやラウパと違って電子決済のみだったので海浜幕張駅周辺で飲み食いしないと行けない手間がかかりました。
次に物販。
「今日のアクトのグッズは前日に売りすぎちゃって在庫が無いから心苦しいけど売り切れで」なんて叩かれて当然だと思う。ましてや通販で予約可能なハイスタと違って最終ツアーのNOFXの物販でやらかしてるんだから間抜け極まってる。そもそも2日目のアクトのグッズを1日目で売る神経がちょっと理解出来ない。ノットフェスもだけど。
後はMC。
EXODUS初来日デブなんて揶揄されてる(一部で)訳で、今回自分が観るのは初めてで変な事言うなよとヒヤヒヤしてたけど案の定「モッシュもサーフも禁止ですけど皆しちゃうよねw」「やっていいとは言ってないけどしちゃうよね昂ってw」って底抜けの馬鹿を理解してしまって、それをMCが言うのはどうなのよ。最悪だったのはハイスタが終わった後に「いやー感動しましたw私も泣いちゃいましたw」で一気に余韻が霧散したよね。どうやらそのMCが来年ランシドを呼ぶって語ってたけど、まぁ期待しない方が良いと思います。個人的には準トリワンオクでヘッドライナーがSaosinかStory of the yearかMisfitsだと思ってます。それかStrung out。
ラウドパークは客層の高齢化とヘッドライナーの固定化(ここでいつも忘れられるA7X以降のヘッドライナー格)により2017年以降は打ち切りになったと若い日本のメタルの現場にも行かないしジャンルも知ろうとしないのにやたらとベビメタがトゥルーメタルである事に固執(ここで名前が何故か挙がらないPasscodeさんやBTBSさん)しているアイドルメタルおじさんはそもそもCrossfaithやColdrainやPromptsはどう思っているのか知りたいし2010年以降のEDMブームによるメタルどころかパンク・ロックも死に体だった時代(日本では何故かラウドブームが全盛期だったが)をどう思っているかはさておき、このパンクスプリングも2017年以降は打ち切りで「雑にワンオクやホルモンぶっこんどけば良い」っていうのが定石のパンクでこれで、言ってしまえば海外のヘッドライナー格なんて去年のマイケミより後は全然育っておらず90年代のレジェンドに任せるしかない具合には後が無い状態で。
まぁハイスタ一神教の文化だけあってハルカミライとかSUPER BEAVERが武道館カマせるぐらいには日本のパンクロック事情は解消されていて、国内のヘッドライナー格は腐る程いるけどそれはそれでロキノンとかAIR JAMで幾らでも観れるバンドだし海外の大物バンドを拝見するチャンスで日本人をトリに据えるのはあまりよろしくないなぁと考えるとメタルやロックよりもパンクの未来を憂慮した方が良いんじゃね?って思いました。というかSeetherやIn this momentがこっちで微妙な知名度してる時点で文化が違うからね。(あっちもメロデスは売れないし)
NOFXの最終ツアーという事で良いものが観れたと思います。
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