2024/3/9 Anaal Nathrakh & SAMAEL(赤羽ReNY alpha)
ということでですね、えーケツ穴バンドことAnaal Nathrakhとブラッケンインダストリアルの巨匠ことSAMAEL様のダブルヘッドライナーのライブをね、えー観てまいりました。後者は認知度が低いバンドとはいえライブはなんだかんだ観たかったバンドで、前者はメタラー以外にも何故か認知されているバンドの筆頭格なので集客も見込めるんじゃないんでしょうかね。
同日にはUnlucky MorpheusとImperial Circus Dead Decadenceの対バンが吉祥寺で執り行われていたそうで。(セトリ見た感じだとこっちを選んで正解だったね)
Stray from the path以来の赤羽reny alphaに到着したのは18:00頃で、電子チケットがどうやら読み込めない事象が発生していたようで、とりあえずチケット画面だけ見せて入場する面倒くさい過程を通過して物販に向かうとケツ穴バンドのTシャツはほぼ完売してたなって。デザインが分からないのに先行課金するのはリスキーなんだって。EVPさん、システム考えなおしてくれない?
●CATAPLEXY
フィンランドとかスウェーデンっぽい趣向のブラックメタル。
冷ややかなトレモロリフに絶叫を重ねるスタイルでGorgorothとの共通項を見いだせるものの、ドラムが竿陣に追いついておらずバスドラだけ早すぎたりフィルはあんまりしっかりしていなかったり色々モタついていたりとアンサンブルの完成度はお世辞にも高いとは言えず。これには僕ちんもスヤァ・・・としてしまったなって。でもスヤァとしている間に耳に押し込まれるメロディアスかつ特徴的なトレモロリフの絡み合いは凄まじくリフとメロディだけで見たらセンスの高さに脱帽してしまうなって。下手のメンバーはフードを被った筋肉質のイケメンなんだけれどもガワだけ見るとColdrainのベースっぽいなって。
●SAMAEL
75分ぐらいの演奏。
稀代の名盤「Passage」の再現+これまでの珠玉の名曲達を列挙した神セトリ。
音源を漁った感じではインダストリアルとブラックが7:3の割合のゴシックメタルバンドという印象だったが、実際にライブを拝見させていただくとオルタナ/ポストグランジ風味強めのリフを上手の若おじが刻みながら下手のベースのハゲが屋台骨となるベースラインを築きあげフロントマンのハゲがギターで刻んだりヴォーカルに専念したり、所々でヒトラー最後の12日間のアジテーション味を感じさせる溌剌としたパフォーマンスが輝いていたりと青臭さは全く感じられない異種格闘技の様な多様性に満ち溢れたバンドとなっておりました。後ろではハゲが機械を弄っていたり時々左に配置されているドラムセットをバコンバコン叩いたりとエンタメに満ちあふれていました。ハゲって言ってばっかですみませんね、上手以外のハゲ率が高いもんで、ハハ。どうやら大阪ではモッシュが発生したようですが、東京では稀有で耽美性の齧りがあるライブに圧倒されたクラシックでも観に来たのかとばかりの静けさでした。ケツアナバンド(結束バンドとイントネーション似てね?)と違ってSAMAELでモッシュは勿体ないし。
バックではPassageのアイコニックでもある月が映し出され、ちょくちょくロゴだったり幾何学模様の変遷を意識した映像だったり、再現ライブが終わるとこれまでの名盤のジャケだったり謎の女性の画像だったり色をとにかく駆使した演出で芸術点を稼いでおりました。これまで何度もライブに足を運んできた中でもトップクラスの総和を兼ね備えたライブだったのでTシャツを買いました。
●Anaal nathrakh
そしてラストを飾るはケツ穴エクストリームバンドことアナール先生だが、周囲を見渡してもエクストリーム・ジャンルのライブにいるモッシュ勢が誰もいなくて、それこそ年配客やモッシュとは無縁そうな御仁が沢山いて「本日も暴れ・・・アレ?お呼びでない?用無し?真面目に聴けというのならそうしますが・・・」と思っていると、Acheronta MovebimusをBGMにメンバー達が演壇へと集いオーディエンスへガッツポーズ。そしてAcheronta MovebimusからUnleashへ繋がると同時に刺々しいトレモロリフがオーディエンスに放射される。
僕ちん「俺たちはアナールが好きというだけでアナールされ、アナールに応えている。それでも尚モッシュが無いことを憂うから贅沢者だと言ったんdぐあああああああああああああ(上手オーディエンスからの突進を受けながら)」
僕ちん「アンタは(セトリの曲選が)それで満足か?」
とりあえず4秒で刺々しくも氷点下の質感を感じさせるサタニックなトレモロリフとメロディアスに刻み続けるリフの応酬がオーディエンスに降りかかり一瞬にして巨大なサーコーピットとモッシュのせめぎ合いが出来上がったのは言うまでもない。でもタフという言葉は僕ちんの為にある僕ちんはMr.Bungleで絶望的なまでに歓喜と狂気に満ち溢れた殺気ムンムンのモッシュピットを体験したのでそれに比べたら赤子の手を撚るようなもんだなって。一番盛り上がったのはそれこそ誰もが目を奪われていく君は完璧なうんちゃらかんちゃらで有名なIdolでそれはもうかぐや様は告らせたいの後半の展開並にカオス(あっちは悪い意味で)で「お前らYOASOBIと曲名一緒だから暴れたいだけだろ」って思った。ちなんでおくとYOASOBIのアイドルはビートダウン・ハードコアを意識した落としを意識したらしいけど、本当かいな?NUMBのCD全部持ってる事はNUMBのSENTAに暴露されてるのは分かってるんだけど。
上手のフワッフワヘアーのイケメンメガネがメロディアスなギターを華々しく添えながら下手のギターのハゲが寒々しくもささくれた所謂凸凹とも刺々しいとも言えるトレモロリフを刻みながらオーディエンスに放射し、イケメンおじさんのドラムがスネアをバチバチボボコボコ高速に叩き上げる姿にオーディエンスはウットリ(なおモッシュピット)しつつ、ヴォーカルのハゲことDaveは仰々しく歌い上げたり如何にも襲撃ミッションが発生しそうな獰猛なシャウトで噛みついてきたりその威容はエクストリーム・メタルにおいてメタラーじゃなくても認知度が高い(多分Cryptopsyより)彼らのコンピタンスでもありますか。長々と語るよりも映像でもいいんでライブ観たほうが良いっすよ。
セトリは言わずもがなで1stから新譜までバランス良く詰め込んでそうで全く良くないアンバランスなセトリ。Hell Is Empty, and All the Devils Are Hereに至っては一切採用されていないのはちょっとなぁって。
途中、苛烈な演奏と煉獄のようにブチ上がったバイブスが抑えきれなかったのかサーフが発生。ちなみに招聘元は本気を出すと誰も手を付けられないEVPである。半ば強制的につまみ出された客が多いことでご存知。
僕ちん「アナール・サマエルのオーディエンスに千年ぶりの緊張が走る」
・・・
・・・
僕ちん「おやぁ?退場が来ねぇな」
「試合放棄かな?」
ぶっちゃけ、ケツアナバンドでサーフ・ダイブの抑圧を求めるのはNUMBで忍者モッシュするなって嘆願するぐらい難しいと思う。ヴォーカルのDaveが「サーフ・ダイブ禁止?んなの知らねぇから来てくれや」「事前に家族に死んでる事伝えとけよ」と煽るもんだから、それはもう彼岸島の魚邪鬼を思い出す様な光景が色々なナンバーで発生するもんだからこれにはDaveもニッコリ。空気を読めない・自己主張が強いサーフやダイブという意見も分かるけど、これに限ってはサーフ・ダイバー側が正解だと思う。最初と最後のサーファーがDaveにアプローチしてたんだけどめっちゃニッコリしながら拳を突き合わせたり演奏陣が「めっちゃ盛り上がってるやん!」と常に驚愕したり笑顔をオーディエンスに振りまいたりしてるんだから「日本ってしけてんなぁ」ともう来日してくれないんじゃないかと思わせられるより良いと思う。
個人的にはハコが許すのならモッシュもサーフもダイブも許容派だと思ってるので、本当に禁止させるのであれば出演陣に煽るなってお願いしたり事前に5:5のハイボールぐらい強めに告知しておくべきじゃないかなぁと思いました。
とんでもないライブでした。
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