2023/11/11 leave them all behind 2023(代官山UNIT)
leave them all behindの1日目。
初日はEyahategod、2日目はLiturgy。
スラッジメタルの始祖的存在と超越的ブラックメタルを標榜する怪人に我々はどう立ち向かうのか。
僕が到着したのは14:40。
ここ日本におけるスラッジメタルの不人気ぶりに涙を流しながら会場に向かうと物販も含めた長蛇の列が形成されてるっていう。ぼくも涙止まらないっていう。
14:45に開演し、物販コーナーで"Take as Needed for Pain"がプリントされた日本ツアー限定Tシャツを購入。ZENOCIDEの終演時には全てのサイズが完売。GREENMACHiNE、BLACK GANIONとの名阪ツアーを経て東京に辿り着いたのだからしょうがない。
客入りは6割ぐらい。最終的には9割ほどに。
ここ日本におけるスラッジメタルの人気ぶりに涙を流しながら前座の開演を待つっていう。僕も涙止まらないっていう。北陸からの遠征勢と合流して酒を注入していくとKANDARIVASの演奏が開始。
●KANDARIVAS
すっげー後ろで拝見。
だって1組目なのにアホみたいに混んでるんだから仕方ない。
神田を中心に活動するグラインドコアらしいけど、はるまげ堂TVで「えー!なんで知ってるんすかNaruさーん!」って叫んでる印象しかねぇ。HAEMORRHAGEも招聘してくださいよNaruさーん!
ベース、ギター、ドラム、和太鼓に加え新任ヴォーカルのベースレス5人編成。その新任ヴォーカルのZuhoが体調不良により出演不可となり、代替要員として辞めたヴォーカルが出戻りで出演するというお涙が止まらねぇ編成。個人的には前任の方がバンドの世界観にフィットしてると考えている。ozigiriってMyosukeとのコラボやTANO*C系の同人音楽の側面が強すぎてクラブ・ミュージックの側面が強すぎる。
演奏は引き締まっているものの、曲の粒がそこまで大きくなく個人的に刺さらない、印象に残っているのは和太鼓でアップテンポに叩き上げるドドンドドンドン!ドドンドドンドン!って音だけ聴いてました。何故か脳内では汗明じゃなく白ナスが浮かび上がってきました。
このライブに家族が観に来てる、戦争は良くないから音楽から世界を変えていこう、今度”Obscene Extreme Festival"に出演するけど面白いリフ1つで客も演者も意識が変化していくから皆もどんどん頑張って欲しいみたいなMCをしていました。一人グラインドコアが増え続けていく中で個性を見出すのは巨大な岩壁だが、そのアティチュードは称賛したいと思う。
●ZENOCIDE
観るのは初めて。上手前方で。
一本調子のドゥームに一本調子のグロウルで個人的には刺さらないサウンド。メンバーが若々しいぐらいの印象しか残っていない。30分ぐらいの演奏だったはずだが25分ぐらいだった稀ガス。
●SECOND TO NONE
すんげー後ろで。開演一番はモッシュピット周辺に鎮座していたが、モッシュピットの荒れ具合が悪い意味で異様な光景へと変貌していったため後退。ただ暴れたいだけの外人と中年が暴動のように激動している姿はMardukの出禁客を思い出す。
重厚で泥濘なリフの中に混沌なメロディラインと一捻りのコードワークを取り入れたRelapse系スラッジ。これは良かった。明瞭なモッシュパートにオーディエンスが砂漠に蠢く砂地獄のような巨大ピットが発生しヴォーカルもニッコリ。上手がBrujeriaみたいな覆面だったのも印象的でした。
●NEPENTHES
割と前で。
Church of miseryの元ヴォーカル、coffinsの初期ヴォーカルが運営しているバンドでKyussやDOWN等の南米系ストーナーの指向性を持つ。元がChurch of miseryだからしょうがないんだけど。
個人的には刺さったバンド。南米系のグルーヴィーだけど乾いたシャウトとリフで砂上で喉の渇きを掻き立てるかのようなアンサンブルが強靭でした。時折「お前ら酒飲んでるかー!お前ら酒飲んで楽しんでるかー!別にシラフでもいいからよー!」とオーディエンスの飲酒欲を煽るアジテーションの強いMCを発しながらメンバー間で赤ワインを回し飲みする酒豪っぷりも際立っていました。酒を呑め、アウラ。上手と下手の末端を動き回りながらコールを扇動するパフォーマンスや人差し指を立てて「お前らまだ叫べるよな?」と言わんばかりの仕草も好印象。ちょくちょくギターのORANGEのアンプヘッドの不具合かリフの音がおかしくなったりしたらしく、中盤からはマーシャルのスピーカーを追加して対応もしていました。Coffinsも素晴らしいバンドだけどNEPENTHESも各所からリーチされても良いバンド。
●Eyehategod
80分ぐらい。そしてうろ覚え。アンコール3曲はこんなんだっけ。
圧巻のライブ。
轟音の中に流砂混じりのリフをヤスリで削るような音がオーディエンスを駆け巡る圧巻の80分。スラッジの開祖ともあり泥濘と重厚の両方の性質が閾値まで振り切れた粘り気の強い音をひたすら咆哮のように雪崩込んでいくのは潔い。前座3組も悪くはなくNEPENTHESも良アクトだったが、Eyehategodはやはり格が違った。
Mike(Vo)はマイクスタンドを持ちながらフラフラっと回転し乾いた音像のシャウトをひたすら放射していく。曲の余白を縫うために日本酒なんかを呑んでたけれども、肝臓手術を施して久しくもないので不安ではある。左右に鎮座するのはイケオジ的なギターとどっしりとした巨漢のベースでどっしりとした構えから俺たちがスラッジの立役者なんだぞと言わんばかりの歪んだ轟音をオーディエンスへの重圧としてかけ続けていく。ちょくちょく笑顔になりつつも傲岸不遜な佇まいはまさにスラッジの開祖としての面目躍如。ドラムはメタルというかロック系の軽快そうな叩き方で全体的な演奏の下支えをしていた。あんまり目立たないけど轟音より目立ったら本末転倒だから仕方ない。
セトリはTake as Needed for painがリリース30周年ということで比重を多めにした選曲。スラッジメタルに一家言どころか造詣も深くない層でも認知しているアルバム。盛り上がらないはずがない。拳を突き上げないはずがない。
残念だったのがラリってるのかひたすら暴れたいだけのマッチョイズムな外人や中年が多かった事。とにかく暴れる飲みかけのコップや脱いだ靴を5回ぐらい空中にぶち撒けながら暴れていて、最終的には暴動の一人が気絶して搬送される珍事が発生。後は、リスペクト精神の欠如。ずっとベースにファッキンファッキン言ってる前列客がいて最初はMikeもアドリブでネタを振ってたけど見かねたのかスルーに徹するなど。
2日目に続きそう。
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