見出し画像

大好きなお金だからしっかり使いたい

私たちはボロ宿に泊まる。ビールや酒は飲むけれど、近隣のコンビニで買って持ち込んだりはしないようにしている。ちゃんと宿の自販機でビールを買い、酒は食事の時に注文する。もちろん、コンビニよりも高い。アサヒスーパードライの350mlが330円、500mlで420円とかする。酒も正1合(180ml)ではなく八勺燗のせいぜい150mlで600円とかだ。

けれど、そもそもの宿代が温泉二食付きで9,000円台。それに私たちはコンビニを儲けさせたくて旅をしているのではない。せめて宿に貢献するのが筋だろう。けれど、中にはこのような良心的な宿に我が物顔で安酒を持ち込み、大騒ぎをする輩もいるようで、苦労している宿もあるらしい。「夕食時の酒の持ち込みは禁止」と書いてあったりする。

若いころはとにかく金がなくて、やたら節約をしたり、自分でやれることはなんでもやった。家の登記もやったし、会社の決算もやった。ペンキ塗りもやったし、家電も直した。けれど、ここに来て、自分の余生があんまりないことに気づき初めて、そろそろお金だしてやってもらえることはやってもらおうと思うようになってきた。

1か月旅はしたけれど、仕事のしどおしだった。だから、戻ってきて早速その対処を始めている。スタッフ増員だ。私は金は大好きだがデカい家を建てたいわけではないし、いい車に乗りたいわけでもない。ハイブランドの洋服が欲しい訳でもないし、日夜芝居に行きたいわけでもない。正直ガジェットと旅以外であんまり金を使わない。けれど時間は欲しい。だから私がやっている仕事をほかの人に割り振る、稼いだ金でその人たちにお給料を出す、私の仕事がどんどん減る。こんないいことはない。それで最終4人~6人の増員になりそうだ。めちゃ増える。今の倍の増員だ。

とにかく働きたくない。仕事は嫌いじゃないが働くのは嫌いだ。ぜんぜんサボりたい。家で料理したり、縁側で昼寝とかしたい。ゲームもしたい、畑もしたい、文章ももっとガンガン書きたい。けれど、仕事を割り振るのは簡単ではない。覚えてもらわなくちゃいけないし、それをチェックする人もある程度必要だ。環境も整えないとダメだし、やらせっぱなし、ってわけにはいかない。ほかの経営者のみんなどうやってるんだろう。

多分、経営者の人ってすごいめっちゃ働いて、朝は社員よりも先に会社に行って、なんならトイレ掃除とかもして、すごく働いてるんだろうな。あー、ヤダヤダ。働きたくねえ。働くくらいならみんなに給料払うわ。と思って、今年は人に対してお金を払う年になりそう。働かないためにめっちゃ働くぞ。

宿の酒は一見高いように思えるけれど、もちろん酒を頼まれて嫌な宿があるわけじゃなし、おおむね宿の人の心証はよいわけで、そうなるとこちらも心地よい滞在となることが多い。持ってきてくれたビールに豆菓子などちょっとしたつまみをつけてくれたり、私たちのしらないところでなにかちょっとしたサービスをしてくれているかも知れない。そういう形に見えない何かが心地いい。

目先の「高い」や「安い」を見ずに、もっと先を見てお金を使うことで、自分の居心地や生き心地がよくなるのかも。もうちょっと若いうちにこれを知ってたらよかったかも知れないけれど、永遠に知らないよりはマシかなと思っている。お金は大好きだからちゃんとしっかり使ってあげたい。あ、それなら投資もちゃんとしなきゃだな。

サポートありがとうございます!旅の資金にします。地元のお菓子を買って電車の中で食べている写真をTwitterにあげていたら、それがいただいたサポートで買ったものです!重ねてありがとうございます。