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見まくる日記3(記録用)

※印はちょいとネタばれあり。

7月31日(金)「ミッドサマー」MIDSOMMER ※

進富座で見る。驚くべき低予算映画だ。主たる俳優以外、演者はたいして演技をしなくてもよい。セットも広場に作られた芝居じみた木造建造物だけだ。私はホラー映画は好きな人に比べると全然見てないほうだから、ホラーとしての批評はできないのだけど、人の恐怖は暗闇と共にあるという大前提に反して、昼は昼、夜も昼!みたいな超絶明るい、しかも野外においての怖さを追求しているのが面白い。

90年に一度の祭りと言うことだが、それを考えると、前回の祭りは90年前で、もしかするとその90年前にもあったかも知れない。ただ、それを考えたとき、あまりにも建物や農園などがお粗末すぎる。お粗末すぎるのよ!90年とか100年とかの歴史がまったく感じられないコミュニティなの。せいぜい、成立してから10年くらいの新興の規模よ、あれじゃ。まあ、けど、この場合そんなことはいい。なにせ低予算映画だから。

分かるけれど、あまりにも歴史の厚みが画面から感じられなさすぎ。けど、いい。低予算映画だから。怖さの本質はそこじゃない。って言うか、いや、そんなに怖くない。不気味さもない。だから安心してみて欲しい。むしろ何カ所か笑えるところもある。むしろ一番怖いのは最初のエピソードかも。


8月8日(土)デヴィッド・ボウイ-最後の5年間
Bowie -The Last Five Years-

映画ではなく、BBCのドキュメンタリー。私がBowieを知ったのは中二の時で、ちょうどレッツダンス時代だ。右目と左目の色が違うのがかっこよかった。風貌に対して声がすごい低かったりするのもかっこよかった。フレディ・マーキュリーと違って、マッチョじゃないのがよかった。とにかくかっこよかった。チャイナガールのビデオを見た時は、なんでこんな不細工とイチャイチャしてるんだと腹立たしかった。二人は付き合っているらしいと聞いて、余計に嫌な気持ちになった。なにしろ中二である。

貸しレコード屋さんでアルバムを借りてきて、カセットに録音した。コピーすると1枚50円とかかかるので、自分で父のタイプライターを借りて歌詞カードを見ながら打ち込んだ。頻繁に歌詞に出てくる「Major Tom」の意味が分からなくて、辞書を引いたら「一般的な」「トム」ということらしく、長年私の中では「一般人トム」ということになっていた。英語の成績は悪かった。

Bowieは仕事人で職人だ。常にアップロードを続けている。タケシくんがBowie好きなので、私がとやかく言うと「それは違う」とか言うので、あんまり言わないことにしよう。彼は自分の旅シリーズに「ラザルス」と銘打っているくらいだ。

人は年を取るとやりたいことがどんどん出てくるし、次々実現させたりもする。これはやりたいことのやり方が年と共に分かるようになってくるから。

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Bowieは真剣に京都で物件を探していらしいけど、とうとう京都に住むことはなかった。いや、一時長い期間暮らしてはいたらしい。75歳くらいまでは生きたかったろうな。


8月8日(土)シング・ストリート Sing Street ※

私がデュラン・デュランを知ったのは中一の時だった。とにかくメンバー5人みんなかっこよかった。私は貸しレコード屋で…以下略。フィルコリンズを好きな男を女は好きにならない、というのには同意をするが、そこにトトとジャーニーとエア・サプライも入れて欲しい。主人公がテレビでデュラン・デュランの「リオ」のビデオを見た後、気になる女の子に「何か歌って」と言われてアーハの「テイク・オン・ミー」を歌う。いや、ちょっとまて。

デュラン・デュランの2枚目のアルバム「リオ」が発売された時はまだアーハはデビューしてなくて「テイク・オン・ミー」は出ていない。主人公のお兄さんがデュラン・デュランを「未来を感じさせるバンド」と将来性を評しているが、アーハが出た時、デュラン・デュランは既にビッグスターでライブエイドに出ているし、どうもここにちぐはぐさを感じてしまった。ピンクレディーが「サウスポー」を歌っているときに、松田聖子が「青いさんご礁」を歌っていて、ピンクレディーを「将来性がある」と評しているようなものだ。どう考えてもおかしい。例えが80年代だけどまあいい。あのシーンに関しては時代考証が甘い。私が分かるくらいだから指摘されてるはずだ。スパンダー・バレエで「トゥルー」を出さずに「ゴールド」を持ってきたのはとてもよい。そっちのほうが名曲。

劇中に出てくるオリジナル曲はビックリするほど記憶に残らない曲だけど、まあ、青春ものあるあるの映画ではある。学園祭でのコンサート系でよいのはダントツ「色即ぜねれいしょん」で、あれは黒猫チェルシーの人がやっているので、よいのは当然なんだけど、本当にいいので、ぜひ見てください。原作はみうらじゅんさん。

最後に船で2人が旅立つ感動のシーンがあるんだが、「あー、この子船酔いで絶対でゲエゲエやろな」と心配になり、感動どころではなく終わってしまった。

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