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農薬と洗剤の管理能力について

私は自家用に野菜を作っています。無農薬です。どうして無農薬なのでしょう。農薬が体に悪い、とか、そう言った安全、健康面の話ではありません。いや、まあ、そういう面もありますが、なにしろ、圧倒的に面倒だからです。

野菜を作っていると、病気になるし虫がやってくる。確立はほぼ100%。かからなければラッキー。農薬の種類は大雑把に分けて、殺菌剤と殺虫剤、除草剤があります。じゃあ、それらが一種類ずつあればOK!いやいや、そんなわけないだろ。

キュウリはウドンコ病、ネギはサビ病、トマトのモザイク病など。野菜によってかかる病気が違います。虫も同じ。豆類、穀類に寄ってくるカメムシ、キャベツのアオムシ、ナスやジャガイモに付くテントウムシダマシなど。さらには、無数の雑草に対しての除草剤があります。

これらには、どういう薬が効くのでしょうか。

-------以下、早回しで読んで下さい------

ウドンコ病にはサプロール乳剤、サビ病にはバイレトン乳剤、トマトのモザイク病には、ウィルスの媒介をするアブラムシに対する薬があって、アクタラ、アドマイヤー・ブルースカイ、ウララ、コルト、スタークル・アルバリン、ダントツ・ベニカ、チェス、ハチハチ、バリアード、ベストガード、ベネビアOD、プリロッソ、モスピラン、モベント等です。

殺虫剤としては、カメムシ予防にスタークル錠剤、アオムシにはマラソン乳剤、テントウムシダマシにはアクタラ、アディオン・ベジタメート、コテツ、スミチオン、ダイアジノン、モスピラン等があります。

除草剤には...もうキリがないのでやめましょう。

----------以上---------

これらの農薬は兼用できるものも沢山あります。とは言っても、病気や虫に出会う度に農薬で対処していた場合、相当数を購入しなくてはなりません。

また、これらの薬剤は希釈して使うものばかりで、広さや株数などを考慮して使う量を計算してちゃんと計って水を足して使うわけです。すごく大変で面倒で、体に悪い作業です。撒く時に吸わないように全身防護服みたいなのを着たりする場合もあります。もう考えただけで面倒です。倒れそうです。d

薬は大抵使い切らずに残ります。倉庫の棚は使いかけの薬剤の瓶だらけになり、中には期限の切れたようなものも出てきます。

これって、何かに似ているなあ、と思いました。

そう、家の洗面所まわりにある洗剤類です。

口内洗浄剤、歯周病予防の歯磨き粉、毛生え薬に脱毛薬、配管の詰まり掃除の薬剤、床クリーナー、塩素系洗浄剤、真鍮磨き、ガラスクリーナー、アリ退治の薬、ゴキ退治用、ネズミ殺し、ムカデ忌避剤、蚊が網戸に寄って来れなくするスプレー。

どこの家の洗面所にあるようなものです。これらの、洗浄、殺菌を謳った洗剤や薬剤に似ていると思うのですね。まあ、どっちも薬という括りで言えば同じ。「目地のカビ用」とか「シール剥がし用」など、特別な用途向けにできているので、汎用性に欠ける。全部使い切れない。しかし、用途がピンポイント向けであるが故、あればやっぱり便利かも、思ってしまう。薬局で「わ!これって効くかも」なんて、新商品にワクワクしちゃう。そんな風にどんどん、特定用途向けの洗剤、薬剤が家の中にもあふれて、場所を占拠する。

もう、面倒くささの境地です。その洗剤すら管理できない私に、いったい農薬の管理ができるものでしょうか。うん、無理。もう重曹とかクレンザーとか石けんでいいんです。ゴキもムカデも蚊も人力で退治します。床もガラスも水拭きでいいじゃないですか。

だから、野菜作りもなるべく面倒なことはやめてですね。なるべく野菜が病気にならないような、なっても自力で治るような力を付けてですね、虫も来れないように網張ったり、虫の世界も益虫とバランスが取れるように考えたりですね。農薬を管理して、計量して、適切に散布するなら、その労力をそっちに向けた方が、面白いじゃないですか。そう思っているわけです。

この世に流通している、口に入るほとんどのものは、農薬や化学薬品の恩恵にあずかっています。もちろん、選択の自由がありますから、何を口に入れるかは自分で決められます。そういった小さな身の周りの自給を少しづつ増やしていけたらなぁ、と、思って小さな取り組みを続けています。

※ 今年、芋は病気にも虫にもやられず(芋は割と丈夫です)、網を張ったおかげでイノシシにもやられず、無事収穫できました。

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