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50歳の処方箋 舌という筋肉

私は舌回しの体操を始めた。右に10回、左に10回くるくると舌を回す。そのあとボクシング体操というのを2種類教えてもらい、それぞれ「えい!えい!」と30秒やる。全部やっても2分くらい。夜もやるから1日に4分舌体操をすることになる。

ところで、ADHDというのは続けることがものすごく苦手だ。最初はかなり一生懸命やれるけれど、それを何年もやる、というのがもう無理だ。今まで生きてきて続けられていることなんて、食べること、寝ること、排泄することぐらいである。それ以外はほとんど途中でやめてしまっている。だが朝と夜に2分づつなら私にもできる。半年くらいならやれそうだ。それにやり始めると2分なんてあっという間だ。

とは言うものの、この「舌の体操」というのは大変だ。時計回りに回すのは比較的容易だけど、反対回しにすると10回やっただけで首と顎関節の奥が痛くなる。終わったときにはもうハァハァ、ヒィヒィ、フウフウ言っている。それくらい舌に関する筋肉が退化しきっていたということだろう。

鏡を見ながらやると、首に筋が立っている。舌の体操をやってから背中の筋肉を緩めるための「ボクシング体操」というのをするんだが、舌と背中の筋肉って関係あるん?この体操はなんのため?と先生に聞くと「そりゃね、ここの筋肉を緩めないとアカンのよ、ユキちゃん」と言う。ふむ、そういうもんか。と、せっせと体操をする。しかし、理解のできないことをするのは苦手なので下の筋肉と全身の筋肉が繋がっていることをネットで調べたりもする。

さて、私が普段から噛みしめている、というのは起きた時すで噛み締めた状態である。というのもあるんだけど、どうやら噛み締めをしている人というのは歯の跡が舌についているんだそうだ。つまり舌が下の歯の内側にあることで朝起きると舌の外側にひらひらと歯の跡がついている。ネットで調べると写真が出てくるので興味のある人は確認がてら見てください。「舌 噛みしめ 歯」で出てくるから。

もうひとつは口の中に一本の線が付く、というもの。これは噛み締めることで口の中の頬っぺたの裏側くらいのところに白っぽい線が付く。これは肉が噛み締める歯に圧迫されてできる跡だ。これも「噛みしめ 白い線」とかで画像検索すると出てくるよ。

私は2つとも症状があり、線は左側だけに付いていた。後になって知ったことだけど、舌と言うのは上あごに接しているのがデフォルトの位置なんだそうだ。え?そうなん?だって歯列矯正が必要な歯って、下の圧力が歯にかかってないから歯列がガタガタになるって聞いたよ。だからむしろ舌を舌の歯に押し付けてたんだけど…。

何か飲んだとき、変なとこに入ってむせる、ということも増えていた。これが結構つらい。鼻とかに入っちゃうこともある。気管支に入ると、老人によくある誤嚥性肺炎というのになる。それも舌の筋肉が老化することで起きる現象だ。

まだある。唾液の問題だ。私はユーグレナの社長さんが大好きなのでユーグレナの遺伝子解析をやってみた。値段はそこそこするんだけど、一生に一回するだけだからいっちょやってみっか。と思ったのだ。遺伝子解析するには唾液がいる。なんかキットが送られてきて、そのキットのケースに中に唾液を入れるんだが、規定の量に全然足りない。30分以上かかってようやく2㏄の唾液を採取することができた。たった2㏄ですよ!その唾液がもう全然出んのよ。口の中、カラッカラなのよ。

それからまだありますよ。みなさんのほっぺよく膨らみますか?ある日、ほっぺたを膨らまそうと思ったら、私、全然膨らまないんですよ。なんというか、頬の筋肉がすっかりカチコチになってしまったように膨らまない。風邪ひいたゴムの風船みたいに(硬くなったゴムのこと「風邪ひいた」っていいますよね?もしかして方言?まいいや)伸びないの。これって、なんか地味にショックと言うか、だって口なんて毎日喋ったり、ごはん食べたりしてしてるわけ。毎日ちゃんと動かしてるやん。なのに、なんで?

総合的に考えると私の口腔内はかなり老化が進み、病んでいる。そのせいで体全般に影響が及びかけている。控えめに見ても今後のことを考えて一刻も早く対処せねばならない。

さあ、私は日々せっせと舌体操に励んだ。するとどうだ。そのうちに反時計回りもスルスルと回るようになってきた。頬の内側の線は消えなかったけど、下のヒラヒラした歯の後は早い時点でなくなった。4か月目くらいには口の中がなんだか少し広くなった。舌で触ると以前よりもグイッと広がるのだ。半年もするとほっぺたが前みたいに膨らむようになってきた。プーってやるとほっぺたに空気が入って膨らむ。口の中に柔軟性が出てきた。

マウスピースも作ってもらい、それを毎晩寝る前に嵌めた。起きるとマウスピースを外して洗い、ついでに歯も磨く。朝食後も歯を磨く、昼食後も夕食後も食べたら即磨くようになった。けれど、いくら磨いても腐った奥歯からは膿が出続けているようで、歯ぐきから血が出たり、やっぱりなんだか臭いような気もする。ただでさえ加齢なのに口臭いとかマジでないじゃないですか。60歳を前にした女で口臭いなんてホントないですよ。

即、死!



ですよ。それで、やっぱり抜くことにした。もう抜くしかないのよ。だって根元が死んでるんだし。腐ってるんだし。

でもね、抜いたらそのあとどーすんの?って話なんですよ。私、一番奥の歯をすでに抜いてるので、もう一個抜いたらもう右側の奥歯でなーんも噛めないんですよ。それって、ただでさえ右の顔が歪んでるわけだから、右でものを嚙まなくなると、もうどんどん劣化が進むわけ。

選択肢は二つあって、抜いた後をブリッジにするか、インプラントにするか。ブリッジは保険が効く。だがインプラントはご存知のように自費診療。いったいいくらするんだろう。聞いてみたらインプラントは一本五十万円だった。ちょっと嘘かなと思って聴き直してみたんだけど、やっぱり50万円だった。嘘じゃなかった。

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