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百姓の本懐

私は「日本不耕起栽培普及会」という、故岩澤信夫さんが主宰していた会で、稲作を2年に渡って教えてもらっていました。現在は主に関東に「不耕起栽培」を教えてくれる塾がいくつかあるのですが、会長さんが長野の高山村というところで教えているので、そこに行っていました。

本来は月に一度、10回の講義なのですが、私は仕事があったりで、1年目は数回しか行けませんでしたので、翌年に行けなかった月の分を消化したので、都合2年というわけです。

この会は1993年に設立されたのですが、今ひとつ認知度が低いように思うのは、不耕起栽培を提唱した、岩澤信夫先生が2012年に亡くなってしまったから、というのが大きいようです。とは言え、なかなか個性派揃いのこの会。この日曜日に集まりがあったので、行ってきました。

そこで、出会った伊豆の湯治宿の杉本さん曰く

「朝早くから働いて、風呂に入り、昼飯を食べて、後はゆっくり本を読む。ただただ忙しくしてるのが百姓と思っちゃいけない。本来、百姓の生活というのは哲学なんだよ」

と、おっしゃっていました。実際に、農作を始めてみると、特に夏場は朝から昼までと夕方しか仕事は無理です。じゃあ、合間に何をするか。冷房の効いた部屋で寝っころがってテレビでも見ますか?まあ、それもいいかも知れません。でもうちにはテレビがない。部屋には冷房がない。しかも私は他に仕事があるので、昼からは店へ出ます。もし店に出なくてもよかったら、やっぱり本を読むか、なにか書くか、そんなことができたら最高の生活ですね。

そんな最高の生活を送るために、どうやって生活の糧を稼ぎ、食料を調達するのか。お米や野菜は作る事ができても、公共料金には現金も必要です。自分に無理がないよう、また、人の役にもいくらか立つ事ができて、お気に入りの環境で生きるには、うーん。どうやっていけばいいかなぁ。

そんなことを一生懸命考えながら、また今年も1年、お日さまのもとで元気に働くことができますように。

今日は旧暦の1月2日なので、年頭のお話をしてみました。今年もよろしくお願いいたします。

※Top画像は夏の夕暮れ、草刈りを終えた私と母。

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