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現物を売る話

さっきまで飲みに出ていたのですが、そこで、知り合いの会社が破産したという話を聞きました。IT関連の会社で、ホームページを作って、運営管理などをしていました。そのうちに、自社のスキルを生かして、地元の店舗の集客ツールを作ったりしていたまでは知っています。その後、海外戦略をサポートする事業を始めたりしたのですが、あまりうまく行かず、最終的に会社は終了したようです。

小さいながら、一時期は景気良く飛ばしていました。一日に何度もFBやTwitterの記事が更新され、華やかな感じでした。それが、ここ2年くらい、まったく何も記事がなかったんですね。FBはアルゴリズムの関係で、フォロワーが多かったりすると、勝手に表示する人を絞り込んでたりすることもあるので、私の気のせいかも、なんて思ってアカウントを見に行ってみたら、本当になにも記事がありませんでした。

その会社は他社の事業をサポートするような仕事をしていたのですが、自分自身で売る物を持っていませんでした。そういう会社は多いと思います。仲介をしたりするような会社ですね。そういう会社は仲を取り持つことで、手数料をもらうのですが、自分たちで売る物を持っていません。

それはそれで必要な仕事です。とても頭を使う仕事だなぁ、と思います。物がないだけに、情熱とか探究心、物ごとに対する深い思い入れや興味がないとできない仕事ではないでしょうか。「儲けられそう」とか「これから需要がありそう」なんてだけでは、やっていけないと思います。

私はどちらかと言うと、物があってそれを売る仕事をしています。クッキーを作って売る、お米を作って売る、泊まる場所を提供してお金をもらう。非常に原始的で、簡単と言えば簡単です。欲しい人にそれを渡して対価としてお金をもらいます。

とは言え、これも時代とともに求められなくなる場合があります。欲しい人がいなくなる場合もあるし、便利なものが発明されて不必要になるかも知れないし、時代遅れになることだってあります。長く商売をしていると、そういう場面によく遭遇して、落ち込んだりすることも多いです。いきなり売れなくなるんじゃなくて、徐々に来ますから「あれ?なんか今までと違うな。でも気のせいかな?」なんて思っているうちに身動きが取れなくなったりします。

そういう時に、素早く今までの物を捨てて、新しい姿に脱皮できれば、息を繋ぐことができます。物を捨ててもスキルは残っていますから、それで新たな物を制作すればいいんです。あるいは、形や仕様を変えて売ればいいんです。それは、現物を売る人間の強みだと思います。

今の時代は新しい職業が次々生まれていて、それもいいけれど「物を売ってお金をもらう、そのお金でまた物を買う」、という原始的な経済活動も捨てがたいと思っています。それがキャッシュじゃなくて電子マネーや仮想通貨になることはあるかもだけど。

サポートありがとうございます!旅の資金にします。地元のお菓子を買って電車の中で食べている写真をTwitterにあげていたら、それがいただいたサポートで買ったものです!重ねてありがとうございます。