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カウンターの外は動物園

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17年間やっていた、ワインバーで思った事、感じた事、お客さんのこと。お酒の小ネタにどうぞ。エッセイです。
かなり昔の話になったので値段を下げました。
¥200
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2016年2月の記事一覧

10人分のオーダーを空で覚える術

10人分のオーダーを空で覚える術

私の店には2階がありました。そこに10人くらいのグループが入って注文をもらう時、伝票を持たずに行って、オーダーを暗記する。というのをよくやっていました。多くの店では最初に飲み物を頼みますが、その飲み物を暗記するんですね。例えば

「ハウスワインの赤」
「ジントニック」
「ジンジャーエール」
「ウーロン茶」
「本日のおすすめワインの白」
「生ビール」
「私も生ビール」
「ウォッカトニック」
「ハウス

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カウンターの外は動物園(目次)

カウンターの外は動物園(目次)

☆目次なので全部読めます。

カウンターの外は動物園マガジン(エッセイ+写真と動画少し)500円
(記事単品は100円)

-----------目次----------

・会計で分かる男女の関係 (無料 2016.1.11)
・無口な人ほどよく話す (2016.1.12)
・飲み屋における「いくつに見えますか?」問題について (2016.1.13)
・会話がバスケットボールの人 (2016.1

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ショットバーにおける「私のイメージでカクテル作って」問題について

ショットバーにおける「私のイメージでカクテル作って」問題について

ワインバーじゃなくて、ショットバーでたまにこういう注文をしている方を見かけます。

バーテンダー「なににされますか?」
女「うふふ、私のイメージでカクテル作ってくれる?』

おお!初来店なのに!まだ1杯目なのに!なのに、この注文。

昔の私ならこう思っていたことでしょう「な、なにおぅ!おい、おめえ、誰に向かって言ってんだィ。今初めて会ったばかりなのにイメージもヘッタクレもあったもんじゃねえだろ?え

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0.005kmの卵、17,000kmのワイン

0.005kmの卵、17,000kmのワイン

フードマイレージという言葉があります。目の前の食べ物がどれくらいの距離を通ってここにやってきたのか。ちなみに、以前にUPした、ネギは290メートルです。卵は5メートル。これは極端に近過ぎる例ですが...。

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有名人の来る店

有名人の来る店

テレビで有名人がお店を訪問する、というのがありますね。あれって、有名人は出番まで車の中や別室にいて、出番のときだけ、車から出てきて、あたかもずっとお店でくつろいでいました、みたいな演出なんです。

お店の人とのやりとりも、あらかじめ台本で決まっています。それに沿って話すので、有名人と喋っているわけではありません。食事しているように見えても、全部食べているわけじゃないし、撮影が終わったら、すぐに店か

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隠れ家的なお店と最近のnote

隠れ家的なお店と最近のnote

「ここ、すごくいいお店ですね」とお褒めをいただいた後に
「誰にも言わないでボクだけのお気に入りにしておこう」
そう、ぼそっと言われる事があります。そんな時、私は心の中で叫んだものです。

え、ちょ、ちょっと待って。じゃあ、あなたは、あなたの周りの人にいいお店あるよって、言ってくれないんですかーーーー!?

人間の指向のひとつとして、いいもの(悪いものでも)があると、それを人に伝達したくなる。という

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ワインバーの音楽

ワインバーの音楽

さて、今日はお店でかかる音楽についての話です。実は一回だけJASRACの人が店に来た事がありました。お店で音楽かけたりしてませんか?と、言うのです。まさかこんな田舎の店にやってくるなんて思ってませんでした。ちょうど仕込みの時間帯で、私はラジオを聞いていました。

「え、いつもラジオですけど」

と、言ったのですが、まあ、普通はどこも何かしら音楽かけていますよね、お店って。しかも、個人でお店をしてい

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やめる技術

やめる技術

店を17年間やってきて、やめると決めた時、分かったことがあります。それは「やめる=失敗」と受け取られる。ということでした。

もし、私が意地っ張りで、周囲の評価を気にする人間のままだったら、店を続けていたかも知れません。でも、もうずっと何年もやめたいと思っていました。それに、「やめたいなぁ」って思ってるお店を慕って、お客さんが来てくれるのは、本当に辛いです。思ってる事と、やってる事が合致していない

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