「Monopoly」について

こんばんは。

「Monopoly」
・34thシングル表題曲
・センターは遠藤さくらと賀喜遥香
・作曲は杉山勝彦さん

今回の杉山さん、イントロで使用するメロディは「サビ」でした(以前の記事参照)。

 初披露で聴いた時は「ありがちな恋愛」と似た系統を感じて聴き心地が良かったけど、意外と最初の飽きが来るのが早かったです。また聴き込んでいけば変わってくるかもしれないけど、様々な意味で裏切ってこないのでインパクトは弱い。大サビで上に転調させるというありがちな展開ではなく、落ちサビで一つ下に転調して、ラスサビでまた上げるという形になっていると思います。そういう盛り上がりの作り方については一工夫しているものの、全体としてはいわゆる乃木坂っぽい曲調で、これだとファンではない人への訴求力は弱いかなと。個人的には全然それでいいと思っていますが、こういう曲を表題でやるのは少し意外でした。
 楽曲のインパクトで勝負してもどうにもならないのは歴史が証明しているし、何らかの偶発的なインパクトが起きない限りファン層が拡がっていくことはそうないと思うので、これはこれでいいと思います。

 しかし、この曲にあまり感情が動かない理由はいくつかあって、一つは満を持して?の「かきさく」センター曲に、早川聖来さんも掛橋沙耶香さんも金川紗耶さんもいないこと。一つは、前作「マグカップとシンク」からの物語の連続性が無いこと。一つは、ダブルセンターにする意味があまり感じられないこと。総じてもったいなさを感じます。

■ダブルセンター楽曲
 とりあえず表題とアンダー曲だけ抜粋してみる。
・「今、話したい誰かがいる」
   13rd 白石麻衣・西野七瀬
・「嫉妬の権利」
   13rd 中元日芽香・堀未央奈
・「インフルエンサー」
   17th 白石麻衣・西野七瀬
・「逃げ水」
   18th 大園桃子・与田祐希
・「アンダー」
   18th 北野日奈子・中元日芽香
・「いつかできるから今日できる」
   19th 齋藤飛鳥・西野七瀬
・「人は夢を二度見る」
   32nd 久保史緒里・山下美月
・「さざ波は戻らない」
   32nd 伊藤理々杏・林瑠奈
・「Monopoly」
   34th 遠藤さくら・賀喜遥香

 必ずしもセンターに立つ2人が「僕」と「君」である必要はありませんが、「僕」と「君」が横並びであることの意味があるのは「今、話したい誰かがいる」だけだと思います。というか、これがダブルセンターの正解すぎて、他の説得力が無くなっている(人選はあまりしっくりこないけど)。「Monopoly」と同じように、「僕」と「君」の関係性が一方通行なのが「嫉妬の権利」や「インフルエンサー」でしょうか。基本がシンメトリーで作られているので、こういう曲をフォーメーションや振り付けで表現するのって難しいでしょうね。それこそ初代「Actually…」みたいに極端なことをしないといけなくなる。MVで補足されるとはいえ、「Monopoly」の歌詞の内容を振り付けで表現するのも大変だったと思います。

 改めてダブルセンターにする意味を4つに大別してみる。
1.楽曲の物語の要請
2.グループの物語の要請
3.妥協(センターに立たせたい人が二人いる・絶対的な存在がいない)
4.負荷分散

 個人的には、せっかくダブルセンターにするなら意味を求めたいので1を強く望みます。その方が美しい。2はこのタイミングでの「くぼした」とか「かきさく」とかそういうニュアンスですね。「いつかできるから今日できる」だけは例外で、映画版と舞台版の主人公を並べるという「プロジェクトの要請」だと思います。「Monopoly」は2,3,4あたりでしょうね。まぁ、全部が2であり全部が3であるといえばそうなのかもしれない。

 ここまで書いてみて思いましたが、誰も「歌詞の内容がダブルセンターに合ってない」とか「振り付けで歌詞が表現されてない」とか考えていないのかもしれない。誰も、制作側も、聴く側も。孤独を感じます。そもそも「ダブルセンター」って言葉として矛盾してますよね。おやすみなさい。

昔たまに遊んでいたメダルゲーム


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