「考えないようにする」について

こんばんは。

「考えないようにする」
・33rdシングル「おひとりさま天国」カップリング曲
・メンバーは5期生10名、センターは冨里奈央
・作曲は杉山勝彦さん

 杉山勝彦×Seishiro×美しい映像とダンスを魅せるMVで、これはみんな好きになるだろうなという組み合わせですね。

 これは共感を得ないと思いますので恐縮ですが、Seishiroさんは「インフルエンサー」「シンクロニシティ」「Sing Out!」までで打ち止めにするべきだったかなと思っています。振り付けのその特有さと有難みも薄れてしまって「またこんな感じ」になりつつあると思います。

恣意的な切り取りの例

 MVの監督は大久保拓朗さん。本編前後にセンターの語りがあるMVは「錆びたコンパス」を思い起こす構成。でも担当したラインナップを見てみると、「もしも心が透明なら」「ジャンピングジョーカーフラッシュ」とバラエティに富んでいるし、今後も一番お願いしたい監督さんかもしれないです。

 歌詞の内容は三角関係(たぶん)。
 歌い出しの冨里奈央さんの声、井上和さんの「葉脈」、中西アルノさんの「親友の彼と」がキャッチーで、ちゃんと曲の始まりで聴いている人の耳を摑むように作られている感じがします。

 個人的にこの曲を最初に聴いて「おっ」と思ったのはイントロです。杉山さんらしい美しいピアノの旋律から始まりますが、こんなに真正面からたっぷりAメロ2回し分もイントロに使ってくるのは逆に新鮮だなと感じました。昨今はタイムパフォーマンスが重視されてイントロが省略されがちらしいですが、時代に逆行して聴かせるイントロ。
「考えないようにする」のイントロは30秒弱あります。5期生のファンは若者が多いと思いますが、彼らにも刺さるのでしょうか。

 自分の中の勝手なイメージで、杉山さんはイントロでBメロ使いがちと思い込んでいたのでとりあえずざっと調べてみました。

「制服のマネキン」       イントロ固有
「君の名は希望」        Aメロ
「サイコキネシスの可能性」   イントロ固有
「私のために誰かのために」   イントロ固有
「僕がいる場所」        イントロ固有  
「ひとりよがり」        サビ
「羽根の記憶」         Aメロ
「きっかけ」          Bメロ
「サヨナラの意味」       Aメロ
「硬い殻のように抱きしめたい」 イントロ固有
「ありがちな恋愛」       サビ
「もし君がいなければ」     イントロ固有
「4番目の光」         Bメロ
「路面電車の街」        サビ
「時々思い出してください」   サビ
「図書室の君へ」        サビ(ポエトリーリーディング付き)
「僕の思い込み」        イントロ固有
「僕は僕を好きになる」     イントロ固有
「ごめんねFingers crossed」    無し
「最後のTight Hug」       無し
「価値あるもの」        Aメロ
「パッションフルーツの食べ方」 無し
「心にもないこと」       Bメロ
「考えないようにする」     Aメロ

※自分調べ

 というわけで、よく考えてみなくても、一流の人がそんなワンパターンな訳ないし、おそらく「きっかけ」「4番目の光」の印象が強かったのだと思います。イントロにBメロをもってくる曲が一般的にも少ないから余計に印象に残っていたんでしょう。Bメロって「さぁ、これからサビだ」という場所に存在するものなので、その後にAメロから歌が始まるのって一旦勢いを削がれてしまうように感じたりもします。もちろんBメロそのまんまじゃなくて、お尻をうまいこと丸め込んでAメロに繋げている訳ですが。

 こうして一覧にして眺めてみると、自分が好きな曲はAメロ・Bメロがほとんどで、イントロ固有・イントロ無しの曲はあまり刺さっていないような気もします。ぶち上がるような曲よりも、ピアノ(かストリングス)のシンプルなメロディから始まるのが好きですね。結局のところ「乃木坂らしさ」を最も感じるのって、杉山さんが作曲するところのイントロAメロ・Bメロ曲である、というのはそう間違ってないかなと思います。

 イントロに注目して聴いてみても面白いかもしれませんよ、という話でした。おやすみなさい。

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