ベイブレードX 環境考察(2024.4)
前回の記事にて、今の環境を「戦国時代」と形容しました。
「ウィザードロッドが環境!」と叫ばれる中、どうして「戦国時代」なんて形容したのか、ちょっと解説しながら考察していきます。
まず、ウィザードロッドはワンベイにて最強。
これは一つの答えでしょう。かつての「ヘルズボール」の立ち位置にいるのがウィザードロッドだと思います。ビットをボールかヘキサか選ぶことで、スタミナで勝負するか対アタック性能で勝負するか選べるのもいいところでしょう。また、使う人を選ばない柔軟性と懐の深さに惹かれる人も多いかと思います。
UX登場前、ワンベイの使用率はフェニックスウイングRが多かったように見えます。アタックとスタミナを両立した性能は使いやすく、かつてのスタミナ・ディフェンスベイはO・B・Xフィニッシュを狙われやすかったかと思います。そこに登場したのがウィザードロッド。驚異のスタミナ・ディフェンス性能をもち、フェニックスウイングRのパワーでは太刀打ちできなくなりました。また、UX発売直後の大会ではデフォカスタムのウィザードロッドが非常に勝率が高く、記憶に焼き付きました。
以上の経緯があり、UX登場後すぐの環境では「ウィザードロッドが最強」と言われるようになったのだと思います。ですが、それは登場のインパクトが相まってのこと。よくよく考えてみれば、R以上のアタック・Xダッシュ性能をもつビットはいくらでもあります。つまり「Rで十分」「Rがバランスよく使いやすい」だった環境が変わったのです。ウィザードロッドメタはすぐに考えられ、更にそのメタも考えられ・・・と、そうして開かれたのが群雄割拠のベイブレードX戦国時代です。各タイプの勢力を見ていきましょう。
スタミナタイプはウィザードロッドでしょう。
ウィザードロッドBは非常に安定感があり、最重量級ブレードの遠心力・スタミナ効果も相まって脅威の回転時間を誇ります。3分チャレンジがクリアできた、という方も多いのではないでしょうか。
並のアタックタイプでは切り崩せないディフェンス能力も持ち、攻撃を平然といなす光景はもはや見慣れたものでしょう。
バランス・ディフェンスタイプでもウィザードロッドが光ります。
UXで登場したヘキサビットが代表格でしょうか。スタミナではB・Oにはかなわないものの、対アタック性能に優れ、ウィザードロッドの弱点である「態勢を崩すと起き上がれない」問題にも対応しています。ふんばりの効く場面もあり、アタックをしのいでスタミナ勝ちを狙えます。
個人的には、9-80Nの勝率がなかなか良いです。Bが周回軌道に入ってスタミナロスしている間も安定しており、姿勢を崩しても最後まで粘り続けスピン勝ちを狙えました。
アタックタイプは主に二機のベイが活躍しているように見えます。
まずはフェニックスウイング。RからFやPに履き替え、Xダッシュを強化しています。ウィザードロッドBは脅威ですが、このフェニックスの猛攻には耐えられないことも多いです。同様にシャークエッジもバースト狙いで目を光らせています。
二機目はドランバスター、UXのうちの一機です。
こちらは偏重心特化でアタックに全振りしたブレードになっており、LFでバースト、Oでカウンター、RでXダッシュ、など様々な戦略をとれますが、スタミナはまったくありません。しかしながら剣先が当たった時の威力は絶大、ウィザードロッドも簡単に飛んでいったりバーストさせたりもできます。ハイリスクハイリターンの極みでしょう。
二機とも違う方向性のアタック性能ですが、守りのベイにとっては十分な脅威たりえます。
このように、各タイプに尖った性能のベイブレード達が出てきており、「これが環境、これを出せば勝てる」というものはないようです。
安定性を求めてウィザードロッドを使う人がいれば、自滅もいとわないフェニックスウイングやドランバスターを使う人もいます。
ベイブレードXというゲームは、これまでのシリーズに比べてアタックタイプに比率を置いた設計になっています。Xフィニッシュを3点、Sフィニッシュを1点とする配点に反映されています。スタミナ勝負では4勝を狙わないといけない一方、アタック勝負では2勝を狙えばいい、という具合です。それだけアタック勝利が難しい、ということでもありますね。このゲームバランスを維持しながら新商品を展開するのは非常に骨が折れるでしょう。
UXという「バランス調整」がされた今、各タイプそれぞれに勝機があり、「〇〇が最強」というのは難しくなっているように思います。各ブレーダーにも相性があり、それぞれ合うベイを選ぶことが肝心かもしれません。
ウィザードロッドでスタミナ勝負を挑むも良し、ドランバスターでワンチャンを狙うも良し、いずれにせよ、自分が納得したベイブレードで勝負をすることが大事になりそうです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?