従兄弟の範囲
私の「従兄弟多すぎ問題」については前記事では触れたのだけれども、
https://note.com/asakowatanabepf/n/n51d6902e03fc
嫁いだシチリアンファミリーにも従兄弟に関する逸話はもちろんある。
夫と知り合った頃、親戚の話をしていると「ローマの従兄弟cuginoがさー」とか「従兄弟のフランコがさ」という風に言うので彼も従兄弟が多いのだと思っていたけれど、徐々に彼の親類情報が見えてくると何だか計算が合わないし、ローマの従兄弟って誰?と度々なるので改めて疑問をぶつけてみたところ、混乱する原因が判明した。
彼らがcugino/cuginaという時、それは「従兄弟」つまり両親の兄弟の子供たちだけでなく、「はとこ」の事にもその単語を使っているということ。
正確には「はとこ」はcugino di secondo grado というのだけれども面倒なので強調したい時でない場合彼らは従兄弟もはとこもcuginoで済ませているのだ。
ともかく夫の家族は結構遠い親戚の人達ともつきあいがあるので、よく名前を聞くけどあの人は正確にはどういう関係の人なんだろう?みたいな人がゴロゴロいる。特に彼の両親はSNSを駆使して、アメリカやアルゼンチンにいる会ったこともない遠い親戚とも濃密な交流を保っている(アメリカの親類はイタリア語ができないので、翻訳機能を使ってでもメッセージのやりとりをするほど)。
近所に住んでてよく会う親類がいる。確か、お姑さんとその人がはとこ同士だったはず(すでに私の感覚だと、遠い!って感じ)。彼の奥さんが美容師さんなので私は彼女に髪を切ってもらっていて、それだけでも年に3,4回は絶対会うし、家に招待されたり、私がコンサートで弾く時によく来てくれたりもする。ある日美容院に行くと、突然おばさんはもう一人いたお客さんに「この子はね、私のcuginaなの!」と言い出した。一瞬そのお客さんも「ん??」という顔をしたけれど、おばさんはお構いなしに、私のcuginoと結婚した日本人なのよー、近所に住んでるのよー、と喋り続けていた。ここで改めて関係を見直すと、あくまでもcugino同士であるのは彼女の夫とうちの夫(はとこの息子)であって、日本語だともう関係を一言で表せない。私とおばさんは完全なる赤の他人である。なんかおばさんノリでその時言っちゃったのかなと思ったのだが、毎回美容室に行くたびに「この子私のcuginaなの!」と言っているのでもうそういうことにしている。
夫が育ったシチリアの村には親類が結構いるが、一番つきあいがあるのは道の向かいに住んでいる家族。関係としてはお舅さんの叔母さんとその2人の息子(つまり夫のはとこ達)で、それぞれ家庭を持って同じ敷地に住んでいる。ある夏、珍しく義両親、夫の弟2人共の家族、私達のみんながシチリアの村に行った時があり、向かいに住む叔母さんに関する親類みんなで食事をしようということになった。レストランをやっている人がいてそのお店へ行くと、総勢50人ほどの人が集まっていた。近所の人も来たのかと思ったら全員血縁関係だと言われた。もう誰がどういう関係かとか名前とか一切覚えられなかった(笑)多分みんなcuginoってことでいいんだろう。
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