見出し画像

ピーマンの思い出

最近さくらももこのエッセイ集を読んでいる。

幼少期の話が多くどれも面白いのだけど、読んでいると昔の記憶がどんどん鮮明に溢れ出て来て読書どころではなくなってしまう。

今日は、幼稚園のエピソードを読んでピーマンを持って追いかけてくる先生の事を思い出した。

私はピーマンが嫌いだった。
お昼ご飯のピーマンを残し、最後まで食べなさいという先生の言葉を振り切って仲良しのユキちゃんとブランコを漕いでいた。

先生の名前は忘れたけどその場面を写真のように鮮明に覚えている。
ショートカットで目がぱっちり、今思えば小池百合子にそっくりな先生がブランコまでやって来て
「ピーマンを食べなさい!」
と4歳くらいの私を激詰めしてきた。

あの日の先生はいつもと違って気合が入っていた。コイツ…と常日頃思われていたんだろう。

私にとっては生まれて初めて味わう恐怖だった。それまで絶対に逃さないという意思で追ってくる大人に遭遇した事がなかったから。
普通、あんまり遭遇しないか。

私にとってピーマンが不味いよりも先生が恐ろしいという方がずっと深く記憶に刻まれている。

息子は私よりも好き嫌いが多いが何故かピーマンは食べられる。
命拾いしたな!
と小池百合子がピーマンを握りつぶして叫んでいる。たぶん。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?