見出し画像

終わりがあると感じられて初めて、「明けない夜はない」が励ましとして機能する

薬効は、対象者の状況による。
言葉は、相手の状況に合ったものが必要だよねというお話。

なんかの番組?でさんまさんだったかが
 
「落ち込む人は、自分を過信してる。俺は落ち込まない。過信してないし、いまが過去の自分の最高峰なわけだからうまくいかなかったならしょうがない」
 
という趣旨の話をしていて
それはそのとおりだなと思った一方で
 
「これがうまくいかなければ、ここにいられない」「生きていけない」などの存在不安や強迫観念から(後天的に生育環境で培われるものも多い)抜け出せずにいる人にとっては、とても酷な言葉でもあるなぁ、と思うなどした。
 
 
近頃の自分はこの言葉を参考にして、落ち込みそうなときに
 
「いまの私が過去最高なんだから、いまできないってことは、過去のどの私にもできないってこと」
 
と考えて、持直せたりする。でも何年か前の私なら「過信している自分」がさらに落ち込む理由になったと思う。
薬効は、対象者の状況にもよる。
 
 
「明けない夜はない」とかを、励ましのつもりで苦しみの渦中にいる人に伝えて、さらに追い詰めてしまうやつとかも似ている。
苦しみの多くは、終わりがわからないことから来ている。そんなときに何の根拠も確約もない「いつか」の話が入るわけがない。終わりがあると感じられて初めて、「明けない夜はない」が励ましとして機能するのよ。
  
 
言葉は、相手の状況に合ったものが必要だよねという、ごく当たり前のお話なんだけれども。
 
 
相手の状況もよく理解しないまま、アドバイスしちゃうクセのある良い子のみんなは、気をつけるんだぞ。お姉さんとの約束だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?