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劇団ねこのバロン第二回公演「再びの、生きがい」製作記録〜その4(舞台装置)

劇団ねこのバロン主宰の折笠安彦(以下、私)です。
23年4月21日から23日に横浜のSTスポットで開催した劇団ねこのバロン第二回公演「再びの、生きがい」製作記録〜その4です。記録とともに、少しでも劇団ねこのバロンを知ってもらいたくて書きます。
今日からは舞台裏について書きます。まずは舞台装置について。

その1からその3はこちらから。全部埋め込むと大変なのでその3を埋め込みます。

ねこのバロンの公演では、舞台装置は簡素なものになっています。
今回はパネルも立てず、ソファー、ローテーブル、ダイニングテーブル、ダイニングチェアを配置した程度です。
STスポットはそれほど広くないため、パネルを立てると更に狭くなることと、元々の白い壁を活かしたかったからです。
また、舞台袖がほとんど無いので、大きな舞台装置を転換で変えることもできません。

一方、舞台設定は、シーン1が田島家の娘夫婦である吉岡家の居室、シーン2以降が田島家の居室となっています。
大きな舞台装置の転換ができない中、違いをどう見せようかと考えた結果、シーン2では壁に絵をかけることにしました。

しかし、壁に釘やフックを取り付けることもできず、できたとしても、暗転中に絵をかけることは難しく、失敗して絵が落ちたら目も当てられません。

舞台監督を依頼した森さんに相談したところ、上から吊るしてロープや滑車を使って繋ぎ、暗転中に袖からロープ操作で下ろすのが良いとなりました。降りてくる絵ですね。
森さんは、本来舞台装置の専門家ですから、アイデア満載です。

降りてくる絵を仕込む森さん

シーン1では絵は上に上がった状態ですが、客席から見えてはまずいので、絵の前には一文字と言われる黒い幕を垂らして目隠しとしました。写真からわかりますかね?

完成した絵の仕掛け

この絵があるだけで、部屋の感じが高まりました。また、絵が宙に浮いている感じも面白い効果があったと思います。ロープ操作は森さんが袖に待機して担当してくれました。

その他に、シーン1の吉岡家のソファーにカバーを被せて転換中に外すことや、ソファーの横に観葉植物を置き、シーン1ではアンスリウム、シーン2ではコーヒーノキと変化させることで違いを表現しました。いずれもシーン1とシーン2の転換中に変えました。降りてくる絵以外は地味なのでわかってもらえたかな?

この写真は、実際には無いのですが、シーン1とシーン2を混在させて撮影してものです。

その他、袖に通じる両側の出入り口には黒の幕をかけてあるのですが、ロープで引っ張ったり、緩めたりで自動で開閉するようになっています。
これ、結構自慢なんです。元々予定にはなく、キャストが手で開閉する予定だったのですが、森さんが自動で開閉するようにしてやるよって言ってくれて実現したんです。開閉のロープ操作は待機しているキャストや森さんが担当しました。

今回は、昔からの知り合いである森さんにわがままを言って、吊るし絵の仕掛けや、黒幕の開閉仕掛けを作ってくれました。
こういう繋がりで成り立っている公演なんです。

森さんには旗揚げ公演ではパネルも作ってもらいました。その時も、とにかく簡単にできる構造にしたい、ベニヤを貼ったり、色塗りや壁紙を貼るのはやりたくない、でも見栄えの良いものにしたいというわがままを言って設計してもらいました。
その制作過程と、できた舞台装置の写真を掲載するとともに、森さんに感謝します。森さん、ありがとうございました。

制作途中のパネル。あっという間にできちゃう。奥の真ん中が森さん
今度は愛妻家舞台装置。後ろのパネル作りました。