プロ奢疑似体験記
二月はネタに困るだろうなと思っていた
なんてったって悩むような事態がない。悩みの種(サッカー)から離れて早4ヶ月が経とうとしているし、何でか分からんけどバイトも順調である。強いて言うなら彼女が全くできずに大学を卒業して就職することくらいだ。
とはいえ恋愛というか非モテ話をネタにnoteを書くのは恥ずかしくてできそうもない。仕方がないから今月は課題図書もしくは人から借りているオーウェンの「1984」の感想文でも書こうと思っていた(まだ100ページも読んでいない)。
しかしネタとはどこから舞い込んでくるのか全くわからない。大学でほとんどの時間をともにしている友人から悩みの相談(吐露)を受けた。しかもその上ご飯まで奢られてしまった。まさかプロ奢の擬似体験をすることになるとは。
ライブが怖い
僕の友人R君はギターの弾き語りサークルに入っている。三月にそのサークルで追いコンがあり、そのライブに彼は出演するらしい。
そのライブで演奏するのが怖い。
というか、ライブでサークルの子達にどう思われるかが怖い。だから、ライブの時は手が震えるし、この前なんか足まで震えた。そうなると良い演奏はできないからまた落ち込む。
というのが彼の悩みだった。
僕からしたら、おお、こういう経験ならしたことあるぞ、試合が怖いとかミスが怖いと同じだ。きっとこの悩みは解決できるんじゃないか、そう思っていた。しかし、現実は甘くない。結果としてはこの悩みは解決することはなかった。
僕は
サッカーでもこういう話はよくある。ミスするのが怖いとか試合するのが怖いとか。自分が山ほどというか毎回思ってきたことだ。そういった話は結局下手くそな自分を受け入れるとか、周りの人からの評価ではなくベクトルを自分に向けるとか、どうせなんか言われるんだから自分を自分で大事にしてあげると言った、等身大の自分を大事にという話に”僕”は落ち着いた。
よし、これで話は解決だ。いいこと言ったやろ。と思ったら、そうはいかなかった。
彼の話
下手な自分を受け入れて演奏する、言うには易いがもちろん行なうには難しい。自分が1年生だったらそれで良かったが、四年生になってしまうとそうは行かない。四年もやっているんだからいいパフォーマンスを見せたい。
とはいえ、そうもいかないのが彼の現状であった。二回ほど彼の演奏を見たがまあお世辞にもうまいと言える演奏ではなかった(ギターも弾いたことがねえやつが何を言っているんだという話でありますが)。
こんな話を聞いていると、果たしてライブしたいのか、とかやってて楽しいの?という疑問がわいてくる。
今の段階ではライブには出ないで1人弾いていた方が幸せなのでは?
確かに今はライブは楽しくない。それに彼のサークルは緩いから、うまくいかなかったとしても何か言われるわけでもないし、うまくいったからと言ってめっちゃ褒められるわけではない。ちょっと褒められるだけだ。そのちょっとを期待してライブに出ている節が彼にはあるらしい。
押し問答
あさきろ(以下あ):じゃあ、ライブで楽しいことはあるの?
R君(以下R):好きな曲やるのはちょっと楽しい
あ:じゃあそれだけを目的にやれば?
R:とはいえ、それだけじゃなくて客受けも意識したセットリストをやりたい、つまりできる曲、やりたい曲だけでなく、客受けが良い曲もやりたい
あ:そーなんだ….いろんな人のことを意識してもしょうがないから誰かの為だけに弾けばええんちゃう?彼女のKちゃんとか
R:実はKちゃんの為に曲やっている節があるんだけど、それはそれで、失敗するのが怖い
あ:まあでも確かにそりゃ好きな人の為にやるってなおさら失敗するの怖くなるか…。でもあのKちゃんならどんなに下手くそでも受け止めてくれそうだけどね
R:だとしても失敗したとき、気を遣われたりするのがつらい。
あ:(こいつめんどくせぇな…)まあ結局下手なのと何か言われるのは違うんちゃう?下手でも心揺さぶられる演奏とか合ったりするやん。
R:それもそうだけど、だとしても下手くそでも頑張ったでしょうで褒められたくないし、満足できる演奏をしたい。
あ:(こんだけごねられると一周回って面白くなるな)この前のライブでお主ひでえ演奏だったけどそれでKちゃん泣いてたぞ。それってすごいことだし、上手い下手はおいといてそれはそれで自分のパフォーマンスに満足していいんじゃない?
R:あのときはいろんな要因が重なってKは泣いてたから、自分の力とは言えないというか….
救いようがねえなあ
話していて、少しは自分の話が聞き入れられるだろうと思っていたらそれは大間違いである。面白いことに、説得しているはずの自分が説得されるような内容で彼は反論してくる。しかも彼には俺に反論している自覚はなく、あくまで自分のモヤモヤを吐露しているだけだと。こんなに面白いことはない。
実力は短期間では伸びないし、暗記パンも精神と時の部屋も、魔法のランプもこの世には存在しない。だから自分の実力を真摯に受け止める必要がある。サッカーもギターも下手でも楽しいものは楽しい。
試合でミスが怖いやつはいつだって怖いし、ライブとか発表会で緊張するやつはいつだって緊張する。やり続けてそれに慣れるしかない。やり続けてそれとの付き合い方を学ぶしかない。そのやり続けることが負担であるならそれはコスパが悪いしやめた方がいい。僕だって今はサッカーから離れているし、またやるかどうかは迷っている。
どうせやるスポーツが変わったり、就職したりしてその舞台が変わっても僕は似たような問題にぶち当たる(ぼくだったらコミュ障とか怒られるのがこわいだとかそこら辺)。それで同じことを繰り返して学ぶしかないと思う。
だから僕は繰り返しどうせライブは上手くいかんし、きっとでかいミスも起きると思うよ、と言ってオムハヤシライスをごちそうになった。
感想
まず、やはり夜に悩むものではない。ろくなことにならない。あと、人の話をまともに受けるのは自分にもダメージがくる。R君と話をしていて僕はできるだけ、何こいつ面白いな…みたいな立場でいることを心がけたが、それでもつられてつらくなることはあった。自己防衛の手段として、うわぁ何こいつそんなので悩んでんだ面白って立場でいることは人の悩みを聞く時に重要な気がした。そんでもってこんなこと毎日のようにしているプロ奢には僕はなれないし、なりたくないなとまで思った。
人のお悩み相談は面白い!
プロ奢にはなれん!
以上!
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